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かつて“ローマ人”として大ヒット作を支えた「規格外の俳優」自ら演出・脚本をもこなす“最強の巨人”とは

  • 2026.6.9
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2018年5月、映画『50回目のファーストキス』レッドカーペットセレモニーに登場した勝矢(C)SANKEI

どんな大作にも、その人がいるだけで画面が締まる。そんな俳優がいる。勝矢は、まさにそういう一人だ。

飛び抜けた巨漢でもなければ、絵に描いたような強面でもない。それでも、ひとたび現れれば、誰の記憶にも残る。言葉にしづらい「規格外」の佇まい。それこそが、勝矢という俳優の、何にも代えがたい個性である。

象徴的なキャラクターを、体現する

勝矢の名が広く知られるようになったのは、原作ものの象徴的なキャラクターを、生身で見事に立ち上げてみせたからだ。

2011年の映画『あしたのジョー』では、西寛一、通称マンモス西を演じた。漫画ならではの濃いキャラクターを、勝矢は血の通った人間として画面に立ち上げた。誇張するでもなく、薄めるでもなく、ちょうどいい体温で。原作の人気キャラクターを違和感なく実写へ落とし込み、確かな存在感を残した。

象徴的な役を任されるのは、その人にしか出せない佇まいがあるからだ。勝矢には、それがある。誰かの代わりではきかない、確かな存在感である。派手な見せ場がなくとも、ふとした表情や間で記憶に残る。脇に立つ俳優の、本当の実力がそこにある。それを、勝矢は一作ごとに静かに証明してきた。

大作シリーズの常連

その存在感を買われ、勝矢は数々の話題作を渡り歩いていく。2012年の映画『テルマエ・ロマエ』では、マルクス・ピエトラスという古代ローマ人を演じ、大ヒットシリーズの一員になった。日本人離れした風貌が、ローマ人の役にぴたりとはまる。2024年には、人気漫画の実写化『ゴールデンカムイ』にも出演し、牛山辰馬役を演じている。

ジャンルも時代もばらばらの大作に、勝矢は次々と呼ばれる。それは、どんな世界に放り込まれても、その場の空気になじみながら、確かに爪痕を残せるからだ。主役ではなくとも、いなければ困る。そういう信頼を、一作ずつ静かに積み重ねてきた。

脇に回っても、決して埋もれない。それが勝矢の強さである。渡り歩いた作品の幅は、そのまま勝矢の引き出しの多さでもある。古代ローマ人も、明治の北海道を生きる男も、違和感なく自分のものにしてみせる。出番の長さにかかわらず、その一場面を確かに自分のものにする。だからこそ、何度でも声がかかる。

演じる人であり、創る人でもある

勝矢の表現は、演じることだけにとどまらない。2016年、勝矢は自身が主宰する演劇団体「独弾流GARAGARADON」を旗揚げした。演出や脚本も手がけ、舞台を一から創り上げている。人に演じさせられるだけでなく、自ら物語を立ち上げる側にも立つ。演じる人であり、創る人でもある。その二つの顔が、勝矢の表現に厚みを与えている。

創る苦労を知る役者は、現場での立ち振る舞いが違う。全体を見渡し、作品のために自分をどう使うかを心得ている。勝矢の佇まいに漂う落ち着きは、創り手としての視点に裏打ちされているのだろう。だからこそ、どんな現場でも信頼される。

演じることと創ること、その両方を知る目線が、勝矢の芝居を一段と豊かにしている。ただ与えられた役を演じるのではない。物語全体を見渡す目で、自分の居場所を見つけ、そこを生き切る。創り手の視点を持つ勝矢だからこそ、脇に立っても物語の重心を担える

規格外の存在感が、大将軍に結実する

2026年7月17日公開の映画『キングダム 魂の決戦』で、勝矢は汗明(かんめい)を演じる。「楚の巨人」と呼ばれる、合従軍・楚の総大将だ。

圧巻の体躯と怪力を誇る大将軍。それは、唯一無二の佇まいを持つ勝矢にこそ似合う大役である。象徴的なキャラクターを生きてきた経験も、大作を渡り歩いてきた信頼も、舞台で物語を創ってきた厚みも。そのすべてが、汗明という規格外の武将に注ぎ込まれる。脇を固める名優として歩んできた勝矢の存在感が、ここで堂々と、大きく花開く。


※記事は執筆時点の情報です

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