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かつて会社員から世界へ羽ばたいた「パリコレモデル」俳優に転身→“最強の猛将”を演じる現在地とは

  • 2026.6.9
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2006年3月、映画『蒼き狼~地果て海尽きるまで~』で取材を受ける平山祐介(C)SANKEI

パリのランウェイを歩いたモデルが、年輪を重ね、いまや作品を一本背負って引き締める名脇役になっている。平山祐介の歩みは、華やかな世界から地に足のついた表現へと至る、静かな成熟の物語だ。

端正な佇まいと、年月が与えた渋み。その両方を兼ね備えた俳優は、そう多くない。ファッションの最前線で磨かれた身体性が、いまは歴史大作の猛将を支えている。華やかさと実直さ。遠く見えるその二つを、平山は一つの体に無理なく同居させている。

世界のランウェイへ

平山のキャリアは、意外な転身から始まっている。大学を卒業後、いったんはコンピューター関連の会社に就職した。だが、モデルになるという夢を捨てきれず、会社を辞めて単身フランスへ渡る。そして1995年、パリ・コレクションでデビューを果たした。その後はジョルジオ・アルマーニ、プラダといった一流ブランドの海外コレクションを次々と歩いている。

世界のトップブランドのランウェイは、立っているだけで様になる身体性を要求する。背筋の伸び方、歩幅、視線の置き方。そのすべてを、平山は本場で叩き込まれた。安定した道をなげうって異国へ飛び込む覚悟と、そこで培った確かな佇まい。これが、俳優・平山祐介の揺るぎない土台になっている。回り道のように見えて、この経験が後のすべてを支えている。

物語を引き締める役者

俳優に転じてからの平山は、作品の屋台骨を支える存在になっていく。フランス映画『SAMOURAIS』で俳優デビューを果たし、その後活動の拠点を日本へ移した。以降、『Dr.コトー診療所』『海猿』『コウノドリ』といった、医療や社会派の人気作に重みのある役で出演を重ねている。派手に目立つわけではない。だが、平山がいると画面が締まる。物語に芯が通る。

主役を引き立てながら、作品全体の格を静かに引き上げる。それは、自分を誇示するのではなく、全体のために働ける成熟した俳優にしかできない仕事だ。

モデルとして「見られる」ことを極めた人が、いまは作品を「支える」側で確かな存在感を放っている。立ち位置は変わっても、その場をきちんと成立させる力は変わらない。華やかな世界で頂点を見た人が、脇に回って作品を支える。その潔さが、平山という俳優への信頼を厚くしてきた。目立たない仕事を、丁寧に積み重ねる。その誠実さは、必ずどこかで画面に表れる。派手さはなくとも、平山がいれば作品は確かに豊かになる。

歴史大作の猛将へ

平山の渋みが大きく花開いた作品のひとつが、人気シリーズ『キングダム』だ。2022年の『キングダム2 遥かなる大地へ』以降、平山は秦の猛将・蒙武(もうぶ)を演じ続けている。圧倒的な武力で戦場をなぎ払う、豪快な大将軍だ。『運命の炎』『大将軍の帰還』とシリーズを重ね、その重厚な存在感でシリーズを支えてきた。

モデル時代に鍛えた長身と体躯が、戦場で槍を振るう猛将に説得力を与える。立ち姿の美しさは、こうした豪傑の役でこそ際立つ。華やかなランウェイで培ったものが、巡り巡って、古代中国の武将の風格に結実しているのだ。

美しさと強さは、決して相反するものではない。ランウェイで鍛えた身のこなしは、甲冑をまとってもぶれない。様式美の世界を生きてきた人だからこそ、武将の所作にも品が宿る。

モデル仕込みの体躯が、大役に結実

2026年7月17日公開の映画『キングダム 魂の決戦』でも、平山は蒙武を演じる。合従軍を相手にした大きな戦いが描かれるシリーズ第5作だ。

世界のランウェイを歩いたモデルが、年輪を重ね、歴史大作の猛将を体現する。端正さと渋み、その両方を持つ平山祐介だからこそ、蒙武という大役は本物の重みを帯びる。見た目の華やかさを出発点にしながら、平山は時間をかけて、作品になくてはならない屋台骨へと自分を育ててきた。その静かで確かな歩みは、これからも続いていく。


※記事は執筆時点の情報です

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