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かつて赤の“戦隊ヒーロー”でブレイクした「元ラガーマン」“矢を浴びても倒れない男”に進化した肉体派俳優とは

  • 2026.6.8
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高橋光臣-2008年5月撮影(C)SANKEI

グラウンドで楕円球を追っていた青年が、いまスクリーンで歴史大作の名将を背負っている。高橋光臣(たかはし・みつおみ)の歩みをたどると、ずっと一本の太い芯が通っているのがわかる。ラグビーで鍛えた、たくましい身体と、仲間を思う心だ。

戦隊ヒーローの主役から、『キングダム』の不死身の将軍まで。役は変わっても、高橋の根っこにあるものは変わらない。汗の匂いのする、本物の身体性である。

グラウンドから芝居の世界へ

高橋のキャリアを語るうえで、ラグビーは外せない。中学でラグビーを始め、花園の常連である啓光学園高校、そして東洋大学でプレーした、れっきとした元ラガーマンだ。激しくぶつかり合い、仲間とともに前へ進む。その日々が、この人の身体と精神の土台を作った。

映画『ラストサムライ』に心を打たれて、役者の道を志した。不可能に思えることへ、あえて挑む。そのまっすぐさは、グラウンドで培われたものだ。鍛えた身体だけでなく、折れない心ごと、高橋は芝居の世界へ持ち込んだ。スポーツで培ったものは、引退とともに消えはしない。形を変えて、別の舞台で生き続ける。高橋の歩みは、それを静かに証明している。

ヒーローとして主役を背負う

俳優・高橋光臣は、まず一人のヒーローとして広く知られた。2006年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』で、明石暁(ボウケンレッド)を演じ、主演でブレイクを果たした。チームの先頭に立ち、仲間を率いるレッドである。バラバラな個性をまとめ、同じ方向へ走らせる。ラグビーで身につけたリーダーシップが、この役にそのまま生きている。

戦隊のレッドは、ただ強いだけでは務まらない。背中で仲間を引っ張る、信頼の人でなければならない。高橋はそれを、気負わず自然に体現してみせた。ヒーローを演じきった経験は、その後の俳優人生の確かな自信になっただろう。仲間のために走るその姿は、いつだって人の心を打つ。

念願の、グラウンドへ

そして2019年、高橋は俳優人生の節目となる役に出会う。TBS日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』で、トキワ自動車ラグビー部アストロズの主将・岸和田徹を演じた。元ラガーマンの高橋にとって、ラグビードラマへの出演は、役者を始めた頃からの目標の一つだったという。しかも、その真ん中に立つ主将役である。

かつて自分が立っていたグラウンドに、今度は俳優として戻る。芝居と人生が、ぴたりと重なった瞬間だ。ボールを持つ姿、仲間に声をかける背中。そこには、経験者にしか出せない説得力があった。念願の役を、高橋は実体験のすべてを注いで生き切った。夢を一つ、自分の手でかなえてみせたのだ。

好きだったものを、仕事の真ん中に置けた喜び。その充実が、芝居の端々からにじみ出ていた。やりたかったことに、まっすぐ手を伸ばす。その素直な情熱こそ、高橋という人の何よりの魅力だ。鍛えた身体と折れない心、その二つで、高橋はどんな役にも体当たりしていく。

鍛えた身体で、歴史大作の戦場へ

2023年の『キングダム 運命の炎』以降、高橋は干央を演じている。「不死身の干央」と呼ばれる、屈強な武将だ。そして2026年7月17日公開の『キングダム 魂の決戦』でも、その役を続投する。

矢を浴びても倒れない不死身の将軍は、まさに、鍛え抜かれた身体を持つ高橋にこそふさわしい。ラグビーで作り上げた肉体と、仲間のために体を張る精神。そのすべてが、古代中国の戦場で輝く。

楕円球を追った青年は、遠回りに見える道を通って、いちばん自分らしい場所へたどり着いた。鍛えた身体は嘘をつかない。高橋光臣の戦いは、これからも続いていく。


※記事は執筆時点の情報です

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