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“圧倒的な美貌”で一世を風靡した「イケメンヒーロー」“うどん県”副知事に就任した“名優”の現在地

  • 2026.6.8
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2003年10月、ドラマ『ライオン先生』で取材を受ける要潤(C)SANKEI

整った顔立ちの俳優は、しばしば「二枚目」という枠に閉じ込められる。だが要潤は、その枠を自分から軽やかに飛び出してきた。

クールな二枚目を演じれば右に出る者は少ない。それでいて、遊び心たっぷりの役や、寡黙で誠実な脇役まで、自在にこなす。二枚目だけに収まらない。そのチャーミングな多面性こそが、要潤という俳優の面白さだ。顔立ちで得をしてきた人。そう見られがちな俳優でもある。けれど歩みを追うと、その整った印象を自分の手で更新し続けてきた姿が見えてくる。

ヒーローからの出発

要潤の俳優人生は、一人のヒーローから始まっている。

2001年の特撮ドラマ『仮面ライダーアギト』で、氷川誠(仮面ライダーG3)を演じた。冷静沈着な警察官が、装着型のスーツで戦う役だ。端正な顔立ちと折り目正しい佇まいは、「イケメンヒーロー」ブームを牽引する存在になった。

デビュー作で多くのファンの心をつかんだ要潤は、ここから二枚目俳優としての道を歩み始める。だが、この人はその看板に安住しなかった。

二枚目という評価は、俳優にとって名誉であると同時に、役柄を狭めかねない。要潤は、その心地よい枠にとどまることを選ばなかった。むしろ、自分の整った印象を遊び道具にするように、思いがけない方向へと踏み出していく。整っているのに、どこか飄々としている。その不思議な軽みが、要潤ならではの個性になっていく。

遊び心の人

要潤の面白さは、二枚目の枠を自分で外していくところにある。2009年から続いたNHKの『タイムスクープハンター』では、時空を旅するジャーナリスト・沢嶋雄一を主演で演じた。歴史の現場へ飛び込み、淡々と取材する。生真面目なのに、どこか可笑しい。クールな二枚目が、絶妙なユーモアを漂わせる役だった。

さらに2011年には、出身地である香川県の「うどん県」副知事に就任し、地元のPRを長く担っている。整った二枚目が、うどんを愛嬌たっぷりにアピールする。全国にその名を広めた「うどん県」の取り組みは、要潤を象徴する名物企画として長く親しまれてきた。

この遊び心と、肩の力の抜け方。要潤は、自分のイメージを楽しみながら裏切ってみせる人なのだ。気取らず、面白がる。二枚目の看板を背負いながら、それを自分でからかってみせる余裕がある。この茶目っ気が、要潤を一段と親しみやすい俳優にしている。

歴史群像での信頼

振り幅の広さは、作品を支える脇の名手としても発揮される。2010年の大河ドラマ『龍馬伝』では、龍馬の盟友・沢村惣之丈を演じ、土佐脱藩浪士の熱を体現した。そして2019年の映画『キングダム』では、王騎将軍の副官・騰を演じている。寡黙で冷静沈着、それでいて主を深く支える。多くを語らずとも、立っているだけで信頼が伝わる役だ。

二枚目も、三枚目も、寡黙な脇役も。要潤はどの引き出しも自在に開けてみせる。華やかな主役で目を引くだけでなく、群像の中で物語を支える厚みも持っている。この懐の深さが、長く愛される理由だろう。

主役の華やかさと、脇役の確かさ。その両方を自在に行き来できる俳優は、そう多くない。どんな立ち位置に置かれても、要潤はきちんと作品に貢献してみせる。

節目に再び戦場へ

2026年7月17日公開の映画『キングダム 魂の決戦』で、要潤は騰を演じる。2019年から続く、7年来の役だ。

副官として王騎を支えた騰は、シリーズが進むにつれ、自ら軍を率いる将軍へと存在感を増していく。二枚目から出発し、遊び心で枠を外し、脇で信頼を積んできた要潤。その振り幅の果てに、節目でまた、長く演じてきた原点の役へと立ち返る。

積み重ねたすべてを携えて、要潤はもう一度、騰として戦場に立つ。二枚目だけに収まらない男の現在地が、この役に詰まっている。


※記事は執筆時点の情報です

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