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【宮城】建築好きが行くべき、フォトジェニックな名建築10

  • 2026.5.26
資料提供:せんだいメディアテーク

都市の便利さと豊かな自然を兼ね備え、東北地方の中でも政治・経済・交通の中心地として存在感を発揮する宮城県。「杜の都」と呼ばれる仙台を中心に、秋保温泉をはじめとする名湯や日本三景のひとつである松島など、訪れるべきスポットには事欠かない。もちろん、建築の見どころも満載だ。

モダニズム建築の名作、東日本大震災からの復興を目指して生まれた公共施設、そして近未来的なマンガミュージアム…。確固たる設立理念のもとで設計された建築ばかり。カメラを向けたら、建物の背後にある人々の思いまで写し取ることができそうだ。

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宮城県美術館/仙台市

「開かれた美術館」を設立理念に掲げ、1981年に開館した美術館。前川國男が設計を手掛けた。敷地南側の正面アプローチから美術館へ向かって歩いていくと、ヘンリ・ムーアの彫刻が来場者を迎える。次に現れるのは、回廊に囲まれた、一辺が28mの正方形の中庭(写真)だ。




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当時前川は、これを囲むように展示室、カフェ、講堂、そして本美術館の特色のひとつでもある、「つくる」ことで美術を体験する「創作室」を配置した。

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館内に入ると、吹き抜けのエントランスホールが広がり、その先に常設・企画展示室、地下1階に県民ギャラリーを設けた。

1990年には、敷地内に「佐藤忠良記念館」が完成。前川國男建築設計事務所で「宮城県美術館」のプロジェクトを担当し、のちに独立した大宇根弘司が設計を担当した。

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なお、「宮城県美術館」は現在改装中で、2026年6月にリニューアルオープンを予定している。

<写真>2026年のリニューアルの際に新設された「見える収蔵庫」。作品が保管されている様子をガラス越しに見学できる。

宮城県美術館
住所/仙台市青葉区川内元支倉34-1

資料提供:せんだいメディアテーク

せんだいメディアテーク/仙台市

美術や映像文化の活動拠点であり、人々が多様なメディアを通じて自由に情報をやりとりできるように支援するための公共施設。伊東豊雄が設計し、2001年に開館した。

地下2階、地上7階+屋上階の外壁の大半をガラスが覆う。建物全体は、樹木を連想させるチューブ状の13本の柱と、薄くフラットな6枚の床スラブで構成されている。

資料提供:せんだいメディアテーク

平面計画は各階で異なる。目の前の定禅寺通と連続する1階(写真)にはカフェやショップ、イベントスペースを配置した。ガラスの大型可動扉を備え、屋外と一体的な空間をつくることができる。2階は、さまざまなメディアへのアクセスコーナーを設けた情報の入り口だ。

資料提供:せんだいメディアテーク

3、4階には「仙台市民図書館」(写真)、5、6階には天井高が異なるギャラリー、7階にはワークショップなどの活動が行われるスタジオが入る。

資料提供:せんだいメディアテーク

なお、館内で使われている家具は、カリム・ラシッドやロス・ラブグローブ、妹島和世、K.T.Architecture(手塚義明+小池ひろの)など国内外の建築家やデザイナーと協働。「せんだいメディアテーク」を訪れた際は、こちらもお見逃しなく。

<写真>写真のベンチを含め、2階にレイアウトされた家具の多くは妹島和世による。

せんだいメディアテーク
住所/宮城県仙台市青葉区春日町2-1

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石ノ森萬画館/石巻市

『サイボーグ009』や『仮面ライダー』など数々のヒット作で知られる、石ノ森章太郎の作品を多角的に楽しむことができるマンガミュージアム。宮城県登米市出身の石ノ森と当時の石巻市長との対談をきっかけに計画がスタートした。石ノ森自身は1998年に他界するが、有志による活動や署名運動などを経て、2001年に「石ノ森萬画館」は開館した。

設計は、日本設計。「宇宙船」をイメージしたという印象的な外観などは石ノ森の原案をもとにつくられた。

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正面入り口では、日本を代表する有名な漫画家らの手形やブロンズに輝く「石ノ森の手」が来場者を迎えてくれる。1階には、グッズショップ「墨汁一滴」や石ノ森の漫画家人生を振り返るバイオグラフィーコーナーが入る。

©石森プロ

2階では「サイボーグ009の世界」をはじめ、各作品の世界に没入できるエリアが広がる。

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3階に上がると、約6000冊の書籍を所蔵するライブラリーやデジタルアーカイブがあり、書籍やDVDなどを楽しめる。少し疲れたら、カフェ「BLUE ZONE」へ。北上川や、その先の太平洋を眺めながら、作品や展示に思いを馳せよう。

石ノ森萬画館
住所/宮城県石巻市中瀬2-7

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JR女川駅 女川温泉ゆぽっぽ/女川町

JR石巻線の終点、女川駅舎は「海の見える終着駅」。2015年に竣工した駅舎の設計を担当したのは、東日本大震災の際、この地域で多くの仮設住宅を手掛けた建築家の坂 茂。背後に見える山並みと連動するような、白い切妻屋根が特徴的な駅舎は、ウミネコが羽ばたく姿をイメージしてデザインされた。

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町営温泉温浴施設である「女川温泉ゆぽっぽ」は、女川駅舎と一体となっており、2階には浴場が入る。壁面に描かれたタイル画は、日本画家の千住博によるもの。富士山や水辺に立つ鹿の姿が、開放的な空間に奥行きをもたらす。

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入浴後には、休憩所へ。ここには、「女川温泉ゆぽっぽ タイルアートプロジェクト」として、千住博とデザイナーの水戸岡鋭治、町民による共作 《家族樹》 が設置されている。

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3階の展望デッキからは、震災後の復興計画を経て再生した女川の街並みと女川湾を見渡せる。冬には、駅から海へと続く「レンガみち」の先から太陽が昇る。

JR女川駅 女川温泉ゆぽっぽ
住所/女川町女川2-3-2

©DAICI ANO

菅野美術館/塩竈市

太平洋を望む丘陵地に立つ「菅野美術館」は、エミール=アントワーヌ・ブールデルやオーギュスト・ロダン、ヘンリー・ムーアなどによる8点の彫刻作品を常設展示するために2006年に開館した私設美術館。建築家の阿部仁史は、どのような展示にも調和する抽象的な白い箱ではなく、「彫刻と場が一体となったちょうどカテドラルのような空間を創り出すこと」を目指した。

©CHISATO KUNII

エンボス加工が施されたコールテン鋼の外壁が特徴的な10m×12m×10mの建物には、それぞれの彫刻に対応する8つの小空間が内包されている。

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館内の壁面にも外壁と同様のエンボス模様が見られるが、これは単なる装飾ではなく、建築の構成要素。壁面に使われた鉄板1㎡あたり、25個があけられたエンボスの突起群が、同じく突起群のある隣の小空間の壁面と背中合わせで溶接されることで、境界面がハニカムパネルとなり、互いに支え合う構造が生まれるのだ。

このエンボス模様が館内に光と影のリズムを生み、彫刻の多様な表情を引き出す。

菅野美術館

住所/宮城県塩竈市玉川3-4-15

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マルホンまきあーとテラス/石巻市

石巻市に立つ、地上4階建ての文化芸術交流施設。東日本大震災によって被災した市民会館と博物館の機能が、ここに融合している。

民家や煙突を想起させる形が連なる外観は、ひとつの小さな街のようだ。設計した藤本壮介は、外壁に3色に塗り分けたガルバニウム鋼板を採用。ガラスが多用された地上階の開放感も相まって、延べ面積13268㎡とかなりの大型施設ながら、周囲に圧迫感を与えない。

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東西に長い館内では、東側にホールやスタジオを含む「石巻市芸術文化センター」、西側に「石巻市博物館」が入る。外観と同様の白を基調とした内部では、カフェや活動室、市民ギャラリー、キッズスペースといった機能を、約170mのロビーがつなぐ。各空間に掲げられたサインは、藤本によるデザイン。

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大ホールは客席数1258席でフライタワー(舞台装置を吊り下げて収納するための塔状の空間)は約30m、小ホールは302席、約20mで、それぞれフライタワーの高さを反映した過ごしやすいホワイエを備える。

<写真>大ホールのホワイエ。

kyo washimi / Hearst Owned

<写真>隣接する市民ギャラリーと一体的に使用することも可能な小ホールのホワイエ。

マルホンまきあーとテラス
住所/宮城県石巻市開成1-8

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宮城県図書館/仙台市

自然豊かな環境の中に、突如として現れる未来的な建築。原広司が「公園としての図書館」をコンセプトに設計し、1997年に竣工した。南側から見ると、幅約200mのメタリックな外観が山林の中から浮かび上がり、宇宙船を見ているような印象を受ける。

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館内にると、エントランスホール南側には高さ11mの天井まで広がるガラス張りの空間が広がる。季節とともに移りかわる自然の風景が来場者を迎え入れてくれる。

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2階には展示室や多目的ホール、「子ども図書室」などが、3階に開架閲覧室(写真)が入る。書庫収蔵能力は約150万冊。閲覧室では、長さ200mの通路に沿って書架が配置され、利用者が本を探しやすい設計となっている。書架やデスクのデザインは、近藤康夫によるもの。

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<写真>3階開架閲覧室の、閲覧ステージ。こちらのデスクも近藤康夫によるデザイン。

宮城県図書館
住所/宮城県仙台市泉区紫山1-1-1

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ニッカウヰスキー 仙台 宮城峡蒸溜所/仙台市

ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝の「余市と異なる蒸溜所で生まれたモルト原酒をブレンドし、より味わい深く豊かなウイスキーをつくりたい」という思いを実現すべく、1969年に設立されたニッカウヰスキー第二の蒸溜所。

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宮城峡に佇む赤レンガ造の蒸溜所は、広瀬川と新川というふたつの清流に囲まれている。建設時は、「自然を大切にしなければおいしいウイスキーはつくれない」という政孝の信念に基づき、樹木の伐採を最小限に留め、電線は全て地下に埋設。また、本来の土地の形状を生かすために建物は製造工程ごとに分け、(敷地を平らにならすのではなく)床高にその起伏を反映させた。

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蒸溜所では、さまざまな楽しみ方を提案。予約制の「蒸溜所見学ガイドツアー」では、ガイドが見学施設を案内し、最後にテイスティングを楽しむこともできる。ビジターセンター(写真)や貯蔵庫への訪問は、予約不要だ。有料のテイスティングバーや、限定商品を扱うギフトショップも訪れたい。

ニッカウヰスキー 仙台 宮城峡蒸溜所
住所/宮城県仙台市青葉区ニッカ1

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星野リゾート 界 秋保/仙台市

星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」が秋保(あきう)温泉に開業した宿。奥羽山脈から流れる名取川を見下ろす、全室渓流ビューの客室からは、四季折々、美しい自然風景を堪能することができる。設計は、小嶋伸也と小嶋綾香による小大建築設計事務所。

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「界」では、地域の文化に触れるご当地部屋を用意するが、界 秋保では、「紺碧の間」がそれにあたる。着想源は、名取川の峡谷「磊々峡(らいらいきょう)」が、かつて「紺碧の深淵」と表現されたこと。部屋に入ると、紺碧色のフレームで切り取られたような景色が視界に飛び込む。デスクに置かれた仙台ガラスのアートや寝室の障子に隠されたこけしの柄など、ご当地要素にも、注目したい。

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渓流の空気に触れたくなったら、「せせらぎラウンジ」へ。名取川の渓流に面した場所で、心地よい水の音に耳を傾けながら、地元のワインや季節の上生菓子を味わいたい。

星野リゾート 界 秋保
住所/仙台市太白区秋保町湯元平倉1

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石巻ホームベース/石巻市

東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市のコミュニティの復旧を目的に生まれた「石巻工房」。石巻ホームベースは、ショールームと宿泊施設、コミュニティスペースを含むハイブリッドな施設だ。建築デザインやコンセプトは「石巻工房」を設立した芦沢啓治による。

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1階では、スペシャリティコーヒーを味わえるカフェ「umikaze coffee」が営業。同じフロアのショールームは、「石巻工房」の商品を定番から新作まで取りそろえる。

<写真>カフェやショールーム、ギャラリースペースを含む1階。

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2階には、4室のゲストルームと、キッチンやダイニングを備えた共有エリアをレイアウト。「石巻工房」と長年協働してきた、ドリルデザイン、寺田直樹、藤森泰司、トラフ建築設計事務所が各部屋の家具やアクセサリーをデザインした。

<写真>ゲストルームのうち、トラフ建築設計事務所がデザインを担当した「Takibi」。

石巻ホームベース
住所/宮城県石巻市渡波字栄田91

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