1. トップ
  2. エピソード
  3. 「お母さん気にしすぎです」それでも息子のため発達センターへ。診断名がつかなくても救われたワケ

「お母さん気にしすぎです」それでも息子のため発達センターへ。診断名がつかなくても救われたワケ

  • 2026.5.22

「気にしすぎ」と言われながらも、消えなかった引っかかり。筆者が小1の息子を連れて自ら発達センターへ向かい、3回の面談を経て受け取ったのは、診断名ではありませんでした。それでも確かに、前より息子のことが見えるようになった気がしています。

画像: 「お母さん気にしすぎです」それでも息子のため発達センターへ。診断名がつかなくても救われたワケ

ずっと、ずっと引っかかっていたこと

「お母さん、気にしすぎですよ」

3歳の健診から始まり、地域の発達相談、保健師さんへの相談——。
何度話しても、返ってくる言葉はいつも同じでした。

周囲の優しさからくる言葉だと分かっていても、小さな違和感を拭えず、ただ「専門家にちゃんと聞いてみたい」という気持ちが、ずっと胸の片隅に残り続けていました。

自分で動いた、あの電話

息子が小1になると、引っかかりが少しずつ形を持ち始めました。

授業中に意識が別のことへ飛ぶ。
活動の切り替えに時間がかかる。
気になるものがあると、なかなか気持ちを切り離せない。
処理はゆっくりなのに、気になるものは人一倍多い——。

しかし、ほかの人に害を加えることは何一つないのです。

学校の先生に相談することも考えました。
でも個人面談でも「トラブルもなく、元気に過ごしていますよ」と言われたばかり。「また様子を見ましょうと言われるだけかもしれない」という気持ちが勝り、私は誰かに促されるのではなく、自ら発達センターへの予約を入れました。

私自身のモヤモヤも話せた

発達センターでの面談は、3回にわたり丁寧に進めてもらいました。

最初は息子抜きで、私だけの面談。心理士さんに、これまでの経緯をすべて打ち明けました。
「気にしすぎと言われ続けてきた」こと、それでも引っかかりが消えなかったこと。
誰かにちゃんと聞いてもらえたのは、実はこれが初めてでした。

その後、息子は「WISC」という発達検査を受け、さらに別の日に医師を交えた結果面談も受けることに。WISCのデータをもとに、息子の特徴を丁寧に説明してもらい、息子の世界がどう見えているのかを教えてもらうことができました。

特性は、苦手なところだけじゃなかった

結局、診断名はつきませんでした。

しかし、私の中にはこれまでにない確かな納得感が生まれていました。

検査を通じてわかったのは、息子の苦手だけでなく、得意もたくさんあるということ。
注意は散りやすくても、好きなことへの集中力は高い。
処理はゆっくりでも、頭の中に蓄えられるものは豊か。

「特性=欠点」ではなく、チャームポイントでもあったのです。

「こういう特性があるから、こんな関わり方が合いやすいですよ」というヒントももらえました。

あのころ「気にしすぎ」と言われるたびに感じたモヤモヤは、間違いではなかったのです。
私は診断名という答えが欲しかったわけではなく、ただ息子を正しく理解するための「根拠」が欲しかったのだと気づくことができました。

具体的で前向きな関わり方のヒントをもらった今、息子への向き合い方に、納得感が生まれました。母親の直感を信じてよかったと思っています。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

元記事で読む
の記事をもっとみる