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「10年で1cm縮む」は本当?実は背が縮む人と縮まない人の違いは筋肉と体重にあり【医師解説】

  • 2026.5.18

年に一度の健康診断で必ずおこなう、身長測定。あるときから「去年より減っている?」と感じることはありませんか? 伸びることはもうないにしても、40代、50代になってから身長が縮むことがあるとはどういうことなのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生によれば、加齢で身長が低くなるのはよく見られることではあるものの、加齢によりすべての人が低くなるわけではないということ。それでは、身長が縮む人と縮まない人との差はどこにあるのでしょうか。駒形先生に聞きました。

教えてくれたのは…

監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)

2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。

加齢で身長が縮むって本当?

体内の水分量の低下が原因になることも

一般的に聞かれるのが「40歳以降は10年ごとに1cm背が縮む」という話。これは本当なのでしょうか。

「加齢によって身長が縮むことはあります。ただ、年を重ねればすべての人の身長が縮むというわけではありません。

まず、加齢でなぜ身長が縮むかというと、

・加齢により体内の水分が減少

・背骨にある椎間板(ついかんばん:背骨にあり、骨と骨の間でクッションの役割を担う)の水分量も減り、厚みが薄くなる

・筋力が低下して骨を支えきれなくなる

などが挙げられます。体内の水分は子どもで約70%、成人で約60%、高齢者で約50%と減少していくといわれており、40代、50代はまさにその曲がり角。椎間板(背骨のクッション)も例外ではなく、水分を失うことで少しずつ厚みを失っていくのです。

特に女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが減ると体に水分を引き込む力が低下するため、筋肉が硬く乾燥しがちです。筋肉が硬くなると代謝が低下して新しい骨が作られにくくなってもろくなり、骨密度が低下していきます。それに加えて、筋肉が変形すると転倒もしやすくなります。

身長が縮むと見た目が変わるだけでなく、健康面でもさまざまな弊害が現れてきます」(駒形先生)。

体内の水分量が減ること以外にも身長が縮む原因はあるのでしょうか。

「ほかにも、

・長年の姿勢の悪さ

・肥満

といったことも身長が縮むことと関係があります。姿勢が悪いと筋肉が変形して背骨を十分に支えられません。肥満についても、筋力が低く脂肪が多ければ多いほど背骨に負担がかかるため、身長が縮む原因になります」(駒形先生)。

年を重ねれば皆、身長が縮む?

筋力向上&適正体重を維持して

年を重ねることで身長が縮むのは、仕方がないことなのでしょうか。

「そんなことはありません。筋力を向上し、適正体重を維持する努力をしている方なら、身長も維持しやすくなります。

先ほど、加齢で体内の水分量が減るという話をしましたが、筋肉を鍛えている方は筋組織(筋肉を作る組織)がしなやかなので、鍛えていない人と比べて水分が取り込みやすいのです。

筋力があれば骨を支えることもできるので、身長を維持できます。

体重についても、適性であれば骨への負担は少ないですよね。お肉がいっぱい体にあればそれだけ骨に負担がかかって背骨の椎間板への圧力が増え、それが身長にも影響していきます」(駒形先生)。

閉経後の女性は女性ホルモンの分泌が減ることで、骨密度が低下することが知られています。骨密度の低下と身長が縮むことと関係はないのでしょうか。

「骨密度が低下すると、ちょっとした動作で腰椎の骨がつぶれる圧迫骨折が起こりやすくなりますが、この圧迫骨折が起きると身長が縮むのです。

重いものを持ち上げたとき、大きなくしゃみをしたとき、負荷をかけて腰を下ろしてしまったときなどに起こりやすくなりますが、「ただの腰痛」と見過ごしている人も多いです。

腰痛がいつまでも治らないという方は、一度整形外科で骨密度を測ってみてもらうといいでしょう」(駒形先生)。

身長が縮むことは予防できる?

筋力向上と適性な体重維持に努めましょう

身長が縮むことは予防できるのでしょうか?

「まずは筋力向上と適正な体重維持に努めましょう。

筋力を鍛えるには、ある程度負荷をかけた運動が必要です。鍛えてほしい筋肉は背筋と腹筋ですが、とはいえ、まったく運動をしてこなかった人が急に激しい運動を始めると筋肉を傷めてしまいます。

運動をこれまであまりしてこなかった方なら、まず、500mlのペットボトルを1本ずつ両手に持ち、上下に持ち上げる動きや、タオルを使って肩周りのストレッチをするなど軽い運動から始めてみてはいかがでしょうか。肩甲骨周りの筋肉を鍛えることで、上半身の筋力アップが期待できます」(駒形先生)。

ほかにも気を付けたほうが良いことはありますか?

「加齢により体内の水分量が減るので、水分のとり方も変えてみると良いでしょう。

利尿作用のあるコーヒーやお茶ではなく、ミネラルウォーターを飲むようにしましょう。体内にミネラルが十分にあれば、摂取した水分を体内に引き込みやすくなります。

水道水に岩塩を入れて飲んでもいいですよ(※持病がある場合は医師に相談してください)」(駒形先生)。

まとめ

健康診断ではつい体重の増減に一喜一憂しがちですが、実は「身長が縮むこと」も、体内の水分量や骨の健康状態を知らせる重要なサインであるということがわかりました。

身長を維持するために必要なのは、単に姿勢を正すことだけでなく、筋肉のしなやかさを保ち、骨に負担をかけない「適切な体重」を維持すること。筋力トレーニングにハードルを感じる場合でも、まずは利尿作用の少ない飲み物を選んだり、ミネラルを意識したりといった「水分のとり方」を変えることが、健やかな体づくりへの身近な第一歩になるのだと気付かされました。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

※一部、AI生成画像を使用しています

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取材・文/岩崎みどり

ライター歴25年以上。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。


監修者:医師 こまがた医院院長 駒形依子 先生

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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