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【庭づくり実例】バラからクレマチス、アジサイへ。花のリレーで季節をつなぐ神奈川県藤沢市・豊郁子さんの庭

  • 2026.5.15

【庭づくり実例】バラからクレマチス、アジサイへ。花のリレーで季節をつなぐ神奈川県藤沢市・豊郁子さんの庭

全国のあらゆるガーデンを巡ってきたガーデナー・橋本景子さんに、おすすめの個人庭を紹介していただきます。今回は神奈川県の豊(ゆたか)郁子さんの庭です。

空間ごとにこだわりを詰め込んだ豊かな季節の流れを感じる庭ー神奈川県藤沢市/豊郁子さん

「植物を通じて、季節の移ろいを感じたり、人とご縁を育んでいけたらと思っています」(豊さん)

経験豊かなガーデナーたちの庭ありきの家づくり

私が自宅でオープンガーデンをしていたころ、何度も足を運んでくださっていた豊さん。自宅の新築を機に、一から庭作りを始めるにあたり相談を受けたことがきっかけで、ガーデニング仲間や花友だちを巻き込み、勉強会を開くことになりました。植物の生育情報を共有したり、苗やタネの交換会を行ったり、庭ありきの家づくりについて活発な意見やアドバイスが飛び交いました。さらに有志が集まり、デザインから考えて鉄筋を加工し門扉まで手作りするなど、実践的な作業にも挑戦。新しい庭を育てる喜びを分かち合えた、かけがえのない時間でした。

「庭は空間ごとに明確な役割をもたせています。門扉から玄関アプローチへと続くフロントガーデンは、日当たりのよさを生かし、季節感とウエルカムな雰囲気を意識した植栽に。テラス前のメインガーデンはシェードガーデンとし、室内から常に眺められる場所として、リーフを中心に落ち着いた景色をつくっています。隣家との境に設けたウッドフェンスでは、春のバラに始まり、クレマチス、アジサイへと花のリレーが続き、庭全体に豊かな季節の流れを生み出しています」と豊さん。

DIYした門扉の手前には暑さに強いコルジリネを配し、右手の玄関に通じるアプローチ沿いの植え込みを背に、バラやクレマチスを誘引したアイアンフェンスが続く。左へカーブするとメインガーデンへと導かれる。

アメリカノリノキ ‘アナベル’ の後方には花の季節が終わったバラ ‘ロサ レイラニ’ や ジャック カルティエ’、‘オデュッセイア’ が茂り、‘ベティ コーニング’ と ‘エルバン’ などのクレマチスが誘引され、その先に広がるメインガーデンをやさしく目隠しする演出がされている。

女性4人で協力し、鉄筋を曲げ、DIYで仕上げた門扉。装飾には植物のモチーフを取り入れ、曲線を描くアイアンの表情がやさしく、庭への期待を高める。

通りに面した高さのあるレイズドベッドには、メラレウカ ‘レッドジェム’、コロキア、ツリージャーマンダーなど、リーフを中心に道ゆく人にも楽しんでもらえるように植栽。

小道を進むと、みずみずしい色のアジサイやたくさんの宿根草の葉色の重なりが迎えてくれ、自然な植栽とレイズドベッドのレンガの曲線が調和し、バラの花が終わった季節の静かで奥行きを感じさせる庭。

板塀に沿ってバラやクレマチスを誘引し、足元には山野草やシダが重なる。あえてレンガの高さを変え、カーブをつけたレイズドベッドの植栽が、深い緑の層をつくり、庭の奥へとやさしく視線を導く。

アイアンフェンスの下の植栽は、フロックス‘シュガースター’、ペインテッドセージ、セントーレア‘クラシックファンタスティック’、ルドベキア‘アーバンサファリ サバンナサンセット’など、日当たりでよく育つ植物を。

草花を使ったアレンジを楽しんでいます

庭の草花で楽しむアレンジは、咲き終えた花や葉、実ものも大切な素材として生かします。庭にたくさん植えているアジサイはドライのアレンジの素材として重宝し、秋には風に揺れるグラス類や赤く色づいたバラの実をクリスマスやお正月飾りの一部として使います。庭仕事の延長にあるひと手間を暮らしの中の小さなやさしい空間として楽しんでいます。

取材・文/橋本景子
撮影/柴田和宣

※この記事は『園芸ガイド』2026年春号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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