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「遊馬よりも野明寄り」戸谷菊之介が語る、『機動警察パトレイバー EZY』特車二課の新しい個性

  • 2026.5.14

「機動警察パトレイバー」シリーズのファン待望となる新作アニメーション作品『機動警察パトレイバー EZY』(以下、『EZY』)の公開が近づいてきた。全8話を3章構成で劇場公開する本作は、5月15日(金)より第1章の上映をスタートする。舞台はかつてのシリーズで描かれてきた1990年代から時代が進み、さらなるテクノロジーが発展した2030年代。AIの進化によって無用の長物となりつつある汎用人型作業機械=レイバーを取り巻く状況を中心に、特車二課第二小隊の活躍と日常を描く。

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今回MOVIE WALKER PRESSでは、最新作『EZY』にてイングラム1号機の指揮を務める天鳥桔平役の戸谷菊之介に人気シリーズの新作に参加することへの意気込み、そして自身が演じるキャラクターへの想いを語ってもらった。

「桔平というキャラクターは、性格的には遊馬よりも野明寄りのような気がしますね」

天鳥桔平役の戸谷菊之介にインタビュー! 撮影/河内彩
天鳥桔平役の戸谷菊之介にインタビュー! 撮影/河内彩

最初のOVAシリーズ「アーリーデイズ」がスタートしたのは1988年。その後「パトレイバー」は、劇場版、テレビシリーズ、新OVAなど1990年代前半に大きなムーブメントとなった。1998年生まれである戸谷は、「パトレイバー」の存在は知っていたものの、これまで触れる機会がなく、本作のオーディションを受けるにあたって初めて観賞したそうだ。

「オーディションの前に『アーリーデイズ』から観始めたんですが、作品で描かれる独特のセンスにいきなり驚きました。当時の空気を感じる世界観や設定、日常のなかにいるレイバーという存在にも惹かれるのですが、それ以上に独特の長回しのカットなど演出的なおもしろさがありまして。『こんなアニメ観たことない!』と思いましたね。そこからシリーズ全体に引きつけられていった感じでした。『アーリーデイズ』ではユーモアあふれるいろんな作風が取り入れられているし、一方で劇場版はシリアス寄りにもなる。さらにレイバーという存在は現在の技術がまだ追いついていない先見性も感じられて、劇中で描かれることの幅広さがものすごくおもしろかったです」。

十和のよき相棒といった存在の桔平 [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
十和のよき相棒といった存在の桔平 [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

シリーズをじっくりと味わったのちに、戸谷はオーディションに合格して桔平を演じることになった。桔平というキャラクターは、「イングラム1号機のパイロットを指揮する」というポジションのため、過去作で同様のポジションにいたメインキャラクターの篠原遊馬とどうしても比較したくなる。それに対して戸谷は、キャラクターの持つ個性とイメージの違いについてもしっかりと分析してから収録に臨んだという。

「桔平は、結構メカフェチというかガジェット好きみたいなところが多くて、イングラムに対する愛がすごく強いんです。そうした点がわりとドライな遊馬とは違うのかなと思っています。だから、性格的には遊馬よりも、旧シリーズの主人公である(泉)野明寄りのような気がしますね。イングラムに対する深い愛とか執着に関しては、桔平と野明はすごく似ていると思います。それから、桔平自身は普段は結構抜けているところがあって、力が入っていない感じがあるので、そうした日常的な雰囲気も、実は遊馬とは違っているということは意識して演じました」。

自身と重なる部分もあったと説明する [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
自身と重なる部分もあったと説明する [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

桔平というキャラクターと自分自身を比べてみると、“似ている”という部分があり、それゆえに自身に引きつけて演じることができたと戸谷は振り返る。では、どのような部分で桔平に共感し、近い距離感で演じることができたのだろうか?

「桔平の真面目で正義感もあるけれど、力が抜けているからそれが様になっていないというところは、自分と重なるというか、『ああ、そういう感じわかるな』となりましたね。そこが桔平の重要なポイントだと思うので、同じ第二小隊の先輩である柳井さんや間さんに対しても、礼儀正しい感じではなく『了解で〜す』というような、どこか軽めに接することで、桔平の持つ雰囲気を出していければと思いました」。

「第二小隊の役者の皆さん、演じているキャラクターと似ている方が多いんです」

『EZY』では、立ち上げからシリーズにメカデザイナーとして関わり続けており、本作では監督を務めている出渕裕がキーパーソンとなっている。アフレコにあたっても出渕がディレクションをしており、戸谷がより桔平のキャラクター性を出せるよう、いくつかオーダーをしていたという。

「出渕さんがアフレコの際に重視していたのは、十和と桔平のバディ感ですね。ディレクションでもそこを大事にしているように感じました。ディレクションが入る時は、2人のやり取りのニュアンスに対しての指示が多かったように思います。距離感や言葉の強さで迷う時があったんですが、『結構怒っちゃっていいですよ』と言ってもらいました。2人の仲はいいんだけど、お互いに振り回したり、振り回されたりみたいなところがあるので、言葉も強めでいいと。桔平は指揮をしている時も抜けていることがあるので、十和から『えぇっ?』みたいに強めに聞き返されたり、一方で十和は射撃が下手なくせにすぐに撃とうとするから桔平がツッコむ、みたいなところもあって。そういうぶつかり合う仲の良さみたいな表現にこだわられていたように思います」。

『EZY』本ポスターでの桔平の表情を真似する戸谷 撮影/河内彩
『EZY』本ポスターでの桔平の表情を真似する戸谷 撮影/河内彩

桔平に指揮され、バディとしてイングラム1号機を操縦するパイロットの十和。上坂すみれが演じる威勢がよく強気なキャラクターに対しては、どのような想いを持って一緒に演じているのだろうか?

「十和に関しては、上坂さんが思い切り演じてくださるので、僕としては気分よくツッコミを入れられて、一緒にやっていて演じやすかったです。十和がガツガツと前に行ってくれるから生まれるおもしろさみたいなものがありますから。十和は旧シリーズの2号機のパイロットである太田さんの精神を継いでいるような感じで、頭で考えないで思い切ったことができるタイプなんですよね。演じられている上坂さんも勢いがあって、すごく個性がある方でした。お話していてもとてもおもしろくて、尊敬しています(笑)」。

十和とのバディ感にも注目! [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
十和とのバディ感にも注目! [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

十和と桔平のバディ感に加えて、本作の見どころとして外せないのは第二小隊メンバーの関係性。新たなメンバーが集まったスタジオでは、新しい第二小隊による和気あいあいとした収録が行われたそうだ。

「アフレコに関しては、最初の日は本当に緊張してスタジオに行きました。一緒に収録する方々も、ベテランさんが多いというのも緊張に繋がるポイントでしたね。それこそ、林原めぐみさんや千葉繁さんがいらっしゃるわけですから。ほかにも錚々たるメンバーの中でのアフレコだったので、やはり緊張してしまいました。でも実際に一緒にやってみると、第二小隊の役者の皆さんもご自身が演じているキャラクターと雰囲気が似ている方が多くて。間役の小林親弘さんや柳井役の佐藤せつじさんは、本当に役柄とご本人が近い感じがしましたし、上坂さんや八久万役の松村柚芽さんはお芝居を力まないでやれていてとても参考になりました。本編中の第二小隊の存在感がすばらしくて、日常の延長上にこういう人たちが存在しているんだろうなと想像できるようなお芝居をされているのにも感心しました。また、待ち時間の雑談も変な話で盛り上がったりして、雰囲気もよかったです。そうした皆さんがつくってくれる空気感が緊張の緩和にもなりましたし、『なんか、この第二小隊の空気はすごくいいな』という気持ちにもなりました。だから、緊張は最初だけで、すぐに馴染んでいった感じはありますね」。

「ぜひ『EZY』をきっかけに、シリーズ全体と繋がっているところも追ってみてほしい」

声を吹き込むことで、作品として出来上がっていった『EZY』。第1章として上映される3つの物語についてはどんな印象を持っているのだろうか?

「かなりいろんな角度から新しい第二小隊を見せてくださっているという印象ですね。第1話では、第二小隊の概要というか『彼らは普段、こんな仕事をしていますよ』というのを見せてくれます。第2話はその裏側、出動するような事件が起こらないなかで普段の“待機中”はなにをしているのかというお話で。第3話は、お仕事に絡んだエピソードですね。中身で言うと、演出面がかなり“パトレイバーらしい”雰囲気を感じる仕上がりになっていました。物語のメインになっている会話があって、その奥で別の会話が雑談みたいに繰り広げられているなと思うと、その手前側の芝居と奥側の芝居がちょっとリンクしている。そういうところに惹かれました。第1話だと、桔平と柳井の会話とその後ろにいるカップルがしている会話がダブって見える。そうした演出的な部分がおもしろかったですね」。

シリーズ&『EZY』の魅力を笑顔で語ってくれた 撮影/河内彩
シリーズ&『EZY』の魅力を笑顔で語ってくれた 撮影/河内彩

そして、「パトレイバー」と言えば、見せ場となるメカアクションも欠かせない。メカ好きである戸谷の視点から、本作で描かれるお気に入りのメカアクションシーンについても聞いた。

「レイバーのアクションは第1話からすばらしくて、実際の吉祥寺の町並みの中でどう対処するかというやり取りがまず見どころだと思います!出渕さんに聞いたんですが、今回のイングラムはCGで表現しているので、動きもものすごくよくて。新しい装備も出てきたりするので、そうした広がりのある描かれ方は、メカ好きやガジェット好きとしてはたまらないですね。僕が気に入っている第2話は、みんなで日誌を紡いでいく話なんですが、展開はくだらないのにキャラクターの性格がよく見えて、さらにはイングラムの格好よさも見せてくれるので、メカ好きも楽しめるお話になっています」。

戦い方はやっぱり肉弾戦!敵レイバーを破壊するのではなく、逮捕するのが目的 [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
戦い方はやっぱり肉弾戦!敵レイバーを破壊するのではなく、逮捕するのが目的 [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

ついに新たなスタートを切ることになる、「パトレイバー」。最後に、『EZY』が本格的に動きだすことに向けた意気込みを語ってもらった。

「この『EZY』は、昔から『パトレイバー』のシリーズを観てくださった方にもきっと受け入れていただけるような、“パトレイバー風味満載”の作品になっております。過去のシリーズを知っていたら確実に笑みがこぼれるシーンや登場人物もおりますので、昔からのファンの方はぜひ劇場で『ニヤッ』っとしに来ていただければと思います。また、この作品から初めて観る方々は、『EZY』をきっかけに、過去のシリーズや映画を観ていただくことに繋がればうれしいです。『パトレイバー』は色褪せない作品なので、ぜひこの作品をきっかけに、シリーズ全体と繋がっているところも追ってみてほしいです」。

『機動警察パトレイバー EZY File1』は5月15日(金)公開! [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
『機動警察パトレイバー EZY File1』は5月15日(金)公開! [c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

取材・文/石井誠

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