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高輪ゲートウェイに誕生した“文化の実験場”へ。「MoN Takanawa」がミュージアムの常識を更新する!

  • 2026.5.13

2026年3月28日、JR高輪ゲートウェイ駅に直結する複合都市「TAKANAWA GATEWAY CITY」(東京都港区三田)に、これまでにないタイプのミュージアムが誕生した。その名も「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」(以下、MoN Takanawa)。ここは単に貴重な作品を鑑賞するだけの場所ではない。一歩足を踏み入れれば、巨大なLEDシアター、屋上の足湯、日本が世界に誇るマンガやアートまで、ジャンルを超えた体験が待ち受けている。今の私たちが生きる日常のすべてを「文化」として捉え直し、遊び心たっぷりに未来へつないでいく――そんな、東京で今最も刺激的な“文化の実験場”の魅力を紹介していこう。

TAKANAWA GATEWAY CITY内に構える「MoN Takanawa」の外観。隈 研吾さんによる独創的な建築美も見どころの1つ Photo:Yasuyuki TAKAKI
TAKANAWA GATEWAY CITY内に構える「MoN Takanawa」の外観。隈 研吾さんによる独創的な建築美も見どころの1つ Photo:Yasuyuki TAKAKI

テーマは“生きること”――100年先の文化を育てるミュージアム

MoN Takanawaがかかげるミッションは、「100年先へ文化をつなぐ」こと。運営するのはJR東日本文化創造財団で、ユニークなのはその運営スタイルだ。ここでは年に2回、施設全体を貫く「テーマ」を設定し、展覧会、ライブ、ワークショップ、トークなど多様なプログラムがそのテーマのもとに1つの世界観を形成する。いわば、ミュージアム全体が1つの“物語”として動いているのだ。

エントランスに構えるロゴサインは、世界的なデザインスタジオ・Pentagramがデザイン。赤・緑・青の鮮やかな3色が目を引き、思わず写真を撮りたくなるフォトスポットにもなっている
エントランスに構えるロゴサインは、世界的なデザインスタジオ・Pentagramがデザイン。赤・緑・青の鮮やかな3色が目を引き、思わず写真を撮りたくなるフォトスポットにもなっている
入口すぐのエントランスロビー。駅と街をシームレスにつなぐ開放的な設計が、MoN Takanawaの「気軽に立ち寄れる文化の場」という姿勢を象徴している Photo:Yasuyuki TAKAKI
入口すぐのエントランスロビー。駅と街をシームレスにつなぐ開放的な設計が、MoN Takanawaの「気軽に立ち寄れる文化の場」という姿勢を象徴している Photo:Yasuyuki TAKAKI

開館を飾る記念シーズンテーマは、「Life as Culture ― 生きるは、ブンカだ」。食べること、働くこと、語ること、休むことといった日々の営み、そのすべてが、実は未来に残すべき大切な文化である、という力強いメッセージが込められている。伝統的な文化を“守る”のではなく、生きることの中に文化の連続性を見出す、この視点がMoN Takanawaのすべての入口になっているのだ。

「MoN祭」で展示された「未来文化の門」。各界で活躍する32名が選んだ「100年先につなぎたい文化」が棚に並ぶ
「MoN祭」で展示された「未来文化の門」。各界で活躍する32名が選んだ「100年先につなぎたい文化」が棚に並ぶ

巨大LEDに「火の鳥」が出現!?絶対体験すべき注目プログラムを一挙チェック!

魅力的なプログラムの中から、読者に特におすすめしたい4つのトピックを厳選して紹介しよう。

■【1】ひらけ モン!展―はじまりのはじまり―

MoN Takanawa自身の「誕生の物語」を追体験できる、開館記念プログラム。「むかしむかし、高輪がまだ海だったころ」に始まり、江戸・明治へと連なる土地の記憶をたどりながら、このミュージアムがいかにして生まれたかをひもといていく。

「Box300」で開催されている「ひらけ モン!展」
「Box300」で開催されている「ひらけ モン!展」

展示では、デザインの構想段階のスケッチやプロトタイプ、難工事の記録映像、計画資料などを公開。ミュージアムが1つの文化として立ち上がっていくダイナミックなプロセスを、来館者がみずから追体験できる。しかも入場無料。「MoN Takanawaってなんだろう?」という問いへの答えとして、最初に立ち寄りたい展示だ。

「ひらけ モン!展」で公開された精巧な建築模型。各フロアを緑が巡り、らせん状にうねる外装設計は、隈研吾さんがこの地の風景と文化からインスパイアされたもの
「ひらけ モン!展」で公開された精巧な建築模型。各フロアを緑が巡り、らせん状にうねる外装設計は、隈研吾さんがこの地の風景と文化からインスパイアされたもの
隈研吾さんやデザインスタジオ・Pentagramとのやり取りを記録した資料が初公開に
隈研吾さんやデザインスタジオ・Pentagramとのやり取りを記録した資料が初公開に

<■ひらけ モン!展―はじまりのはじまり―/会期:2026年3月28日〜6月6日(土)/会場:Box300(2階)/時間:10時〜19時、金・土曜10時〜21時/料金:無料>

■【2】ぐるぐる展―進化しつづける人類の物語

「ぐるぐる展」は5階にある「Box1500」が会場
「ぐるぐる展」は5階にある「Box1500」が会場

開館と同時にスタートした特別展で、テーマは「ぐるぐる(らせん)」。宇宙の銀河から縄文土器、回転寿司、指紋やつむじまで、人類が生み出してきた無数の「らせん」を、アート、サイエンス、テクノロジー、伝統文化を横断しながらひもとく知的エンターテインメントとなっている。

気鋭アーティストのインスタレーション作品も鑑賞できる
気鋭アーティストのインスタレーション作品も鑑賞できる
自転車のホイールが一列に並ぶインスタレーション
自転車のホイールが一列に並ぶインスタレーション

青山学院大学駅伝チームや日本相撲協会、日清食品など多彩な団体が展示に協力。アートの文脈だけに閉じない“ぐるぐる”の物語を、じっくりと追いかけることができる。

暮らしの中に息づく“回転”の歴史が、360度の空間で迫ってくる
暮らしの中に息づく“回転”の歴史が、360度の空間で迫ってくる
音声ガイドのキャラクター「UZU」の1日を描いた漫画パネルと、圧倒的な存在感の巨大インフレータブル。子どもも大人も思わず足を止める、展覧会の“顔”的なコーナーだ
音声ガイドのキャラクター「UZU」の1日を描いた漫画パネルと、圧倒的な存在感の巨大インフレータブル。子どもも大人も思わず足を止める、展覧会の“顔”的なコーナーだ
回転寿司のレーンには、なぜかスイーツやパンも並んでいる⁉“ぐるぐる”が日常のあちこちに潜んでいることを、笑いとともに気づかせてくれる
回転寿司のレーンには、なぜかスイーツやパンも並んでいる⁉“ぐるぐる”が日常のあちこちに潜んでいることを、笑いとともに気づかせてくれる
一面に広がるらせん状の光と、空中を貫くレーザーで“ぐるぐる”を表現。幻想的な空間の中で体の中の“ぐるぐる”を感じながら、座ったりぼーっとしたり、思い思いに過ごそう
一面に広がるらせん状の光と、空中を貫くレーザーで“ぐるぐる”を表現。幻想的な空間の中で体の中の“ぐるぐる”を感じながら、座ったりぼーっとしたり、思い思いに過ごそう

<■ぐるぐる展―進化しつづける人類の物語/会期:2026年3月28日〜9月23日(祝)/会場:Box1500(5階)/時間:10時〜19時、金・土曜10時〜21時/料金:大人2500円、25歳以下1500円、小中高生800円>

■【3】MANGALOGUE(マンガローグ):火の鳥

「マンガを、浴びる。未来を、浴びる。」というキャッチコピーが示すとおり、ここではマンガを“読む”のではなく“体験”する場。大型映像、サウンド、光、テクノロジー演出、ライブナレーションが融合した新感覚のマンガライブ「MANGALOGUE」のこけら落とし公演として選ばれたのは、手塚治虫の「火の鳥 未来編」だ。

ステージ全面にLEDを備えた「Box1000」が会場。没入感あふれるシアター空間でマンガが“体験”に変わる
ステージ全面にLEDを備えた「Box1000」が会場。没入感あふれるシアター空間でマンガが“体験”に変わる

AIや環境問題に直面する現代人に「どう生きるか」を問いかける“現代の預言書”が、ステージ全面にLEDを備えた最新シアター空間「Box1000」でどうよみがえるのか。マンガ好きはもちろん、そうでない人も引き込まれるはずだ。

手塚治虫「火の鳥 未来編」が、大型映像・光・ライブナレーションとともに現代によみがえる
手塚治虫「火の鳥 未来編」が、大型映像・光・ライブナレーションとともに現代によみがえる

<■MANGALOGUE(マンガローグ):火の鳥/会期:2026年4月22日〜5月16日(土)/会場:Box1000(地下3階〜地下1階)/時間:日により異なる/料金:大人4500円・5500円、25歳以下4500円、小学生以下3000円※開催日程によって料金が異なる>

※手塚治虫/手塚プロダクションの「塚」は、正しい表記は旧字体となります。

施設そのものが“物語”に!フロアを歩くだけで発見がある

プログラムの充実ぶりだけではなく、建物の造りも見どころ満載だ。5階の「Box1500」(約1500平方メートル)はテーマ展覧会のメイン会場、地下3階〜地下1階の「Box1000」はステージ全面LEDを備えた本格シアター空間。2階の「Box300」は壁の開閉でホワイエと一体化できる実験的な空間で、夜はDJイベントなども行われる。4階の「Tatami」は約100畳の畳スペースで、和とテクノロジーがかけ合わさったユニークな体験が可能。

館内最大の展示空間では、アートやエンターテインメント、工芸などを融合した新しい体験ができるほか、講演会やライブの会場となることも
館内最大の展示空間では、アートやエンターテインメント、工芸などを融合した新しい体験ができるほか、講演会やライブの会場となることも
「Box1000」は着席最大1048席、スタンディング時は最大2000名収容
「Box1000」は着席最大1048席、スタンディング時は最大2000名収容
靴をぬいでくつろげる「Tatami」
靴をぬいでくつろげる「Tatami」

屋外に目を向けると、6階には「月見テラス」と「足湯テラス」が待ち構えている。月の映り込みをデザインした月見テラスでは季節のイベントも開催され、草木に囲まれた半屋外の足湯テラスでは四季を感じながらゆったりと過ごせる。同じく6階には、旬の食材をいかした食事やクラフトドリンクが楽しめるレストラン「MoN Garden Restaurant “LAUBE”」も。絶景テラスを臨む店内は、プログラム鑑賞の余韻にひたるのにちょうどいい。

月の映り込みをデザインした「月見テラス」。季節ごとの夜景とともに特別なひとときを
月の映り込みをデザインした「月見テラス」。季節ごとの夜景とともに特別なひとときを
足湯につかりながら、高輪ゲートウェイ駅を発着する電車を眺めることもできる
足湯につかりながら、高輪ゲートウェイ駅を発着する電車を眺めることもできる

何度でも来たくなる、“更新しつづける”ミュージアム

MoN Takanawaのおもしろさは、1回の来場では“完結しない”こと!テーマは年2回更新され、展覧会もライブも次々と入れ替わるので、今日来て、また日を空けて来ても、訪れるたびに新しい発見がある場所だ。高輪ゲートウェイ駅直結(北改札口から徒歩約6分)というアクセスのよさも魅力で、仕事帰りや休日のちょっとしたおでかけにも最適。今、東京で最も「未来」を感じられるこの場所へ、自分だけの物語を見つけに足を運んでみては?100年先の人たちが振り返ったとき、「ここから新しい文化が始まった」と言われるような、歴史の目撃者にあなたもなれるかもしれない。

誰でも自由に過ごせるパブリックスペースの用意も。2025年に開催された「大阪・関西万博」の日本館に置かれていたイスも再利用されている
誰でも自由に過ごせるパブリックスペースの用意も。2025年に開催された「大阪・関西万博」の日本館に置かれていたイスも再利用されている
館内のスロープ窓側にあるベンチは、鉄道林の木材をアップサイクルして制作されている
館内のスロープ窓側にあるベンチは、鉄道林の木材をアップサイクルして制作されている
 1階のテイクアウトカフェ「MoN Park Cafe by Spiral」の看板メニュー・スパイラルコロネは、サンドイッチから抹茶&ピスタチオのスイーツ系まで種類豊富。鑑賞前後のひと息にぴったり
1階のテイクアウトカフェ「MoN Park Cafe by Spiral」の看板メニュー・スパイラルコロネは、サンドイッチから抹茶&ピスタチオのスイーツ系まで種類豊富。鑑賞前後のひと息にぴったり
MoNのロゴやテーマ「Life as Culture」をあしらったオリジナルTシャツやポーチなど、オリジナルグッズは来館の記念におすすめ
MoNのロゴやテーマ「Life as Culture」をあしらったオリジナルTシャツやポーチなど、オリジナルグッズは来館の記念におすすめ

■MoN Takanawa: The Museum of Narratives

住所:東京都港区三田3-16-1(TAKANAWA GATEWAY CITY内)

開館時間:10時〜21時※プログラム・各店舗により異なる

料金:展示・プログラムにより異なる ※公式サイト参照

定休日:毎月第2火曜 ※2026年度の4・5・8月は第2火曜日も開館し、5月18日(月)、8月18日(火)を休館日とする。そのほか、メンテナンス等による臨時休館あり

取材・文=水島彩恵

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