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「あんた、海外出張だったの?」母が繰り返す同じ質問。後日気づいたその真意に「お母さんごめんね」

  • 2026.5.14

同じ質問を繰り返す母に「年齢のせい?」と考えていた知人。しかし、その“真意”を知ったとき、知人は泣き崩れてしまいました。彼女から聞いたエピソードを紹介します。

画像: ftnews.jp
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同じ町に住む母と私

私は40代の会社員です。
私の実家は同じ町にあり、車で20分も走れば着く距離。

実家には70代の母が一人で住んでいますが、幸いにも健康で身の回りのことは自分でできていました。

「もっと会いに行った方がいいんだろうけど。お母さんは元気だし、私は仕事が忙しいし……また今度でいいか」

そうやって、私は母に会いに行くことを、いつも先延ばしにしていたのです。

会うたびに聞かれる「ある質問」

それでもたまに会いに行くと、母はいつも同じことを聞いてきました。

「そういえばあんた、海外出張に行ってたんだっけ?」

たしかに、私の会社には海外支店がありますが、私はあくまで国内勤務。
「行ってないよ。お母さんったら、毎回それ聞いてくるんだから」
そう呆れ気味に返す私に母は、
「そう。行ってないのね」と言ったあと、決まって大笑い。

そんな母に私は「少し忘れっぽくなってきたのかな?」なんて思っていました。

倒れた母

ある日、県外に住む兄から電話がかかってきました。
「母さんが入院したらしい」

その言葉に、私は目の前が真っ白に。
会社を早退して急いで病院に向かうと、ぐっすり眠る母とベッドの横に座る兄の姿が目に入りました。

「たまたまこっちに来ていたんだ」
兄は廊下に出ると、そう言いました。
そして、どこか咎めるような目つきで私を見ています。

「おまえ、俺と違って近くに住んでいるんだから、もっと会いに行っていたら母さんの変化に気づけたんじゃないか?」

私は泣きながら頷きました。
さらに兄は、こんな話をしたのです。

「母さん、『海外出張に行ってたの?』てよく聞いてきただろう? あれは『海外に行ってしまったと思うほど、会いに来てくれない』っていう意味だったんだぞ」

兄の言葉に、私は激しい後悔を覚えました。
「お母さん、ごめん……!!」と呟くと、その場で泣き崩れてしまったのです。

回復した母と、私の誓い

その後、幸いにも母は病状が落ち着き退院できました。
そして今、私は毎週母に会いに行っています。

「また来たの?」
呆れたような口調とは裏腹に、嬉しそうな母。

そんな母を見ると、「お母さんの言葉の“本当の意味”を、知るのが遅すぎなくてよかった」とつくづく思います。

親孝行のチャンスを与えてもらった──
そう思いますし、最後まで母の面倒を見ようと考えています。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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