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ナチュラルな“ドローボール”を余裕を手に入れる

  • 2026.5.10

ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。

その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。

斬新な視点と理論が、レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす!

※「MOS」とは「memory ofthe senses」の略で、距離感やフェースの状態などを具体的な感覚量として“小脳で記憶”すること。高い再現性を得ようという新しい理論。

ナチュラルなドローボールで余裕を手に入れる

ストレートボールの次に用意したいもの

前号ではストレートボールの話をしましたが、今月はドローボール(右へのプロテクトショット)の話をします。プロテクトショットという言い方は一般的ではありませんが、スピン方向によっていってほしくない方向にはいかない、ここでは右にいかないショットを指します。このプロテクトショットの好例がテニスのトップスピンで、強く打てば打つほどドライブがかかってボールがドロップし、ベースラインをアウトしなくなる。

もちろん、ストレートボールでつねに攻められるのであれば、プロテクトショットなど打つ必要はないのですが、確率を重視するスポーツではいきたくない方向にいかないボールはもっていて損はありません。

右プロテクトショット(ドローボール)で自信をもつ

教科書的なドロー打ちでは、スタンスを飛球線方向に対して少し右に向け、かつボールを右寄りに置く。ただし、フェースはターゲット方向に向けて、スイング軌道はスタンス方向に振り抜くというものです。しかし、この打ち方では、ミスしてフェースが開けば、即プッシュアウトになりますし、それを恐れてボールをつかまえすぎれば大きくフックするので気が抜けません。人間のやることなので、一定の確率でミスも起こります。このミスの予感というストレスは萎縮を生み、安定性の低下につながるので廃除したいところです。

そこで、スクエアスタンスからのドロー打ちのティップスを探してみると、スタンスと腰はターゲットに向けたスクエアで、両肩を結ぶラインだけを右方向に向ける。これとは別に右肩を背中方向に引く意識をもつことで、インサイド・アウトを意識して打つものなどが見つかりました。

どちらもボールを右寄りに置いたうえで、イラストAのようにスイングアークの最下点より前の領域でボールを打ちます。これでイン側から叩きにいくことになり、当然フェースはボールをわずかながら手前から奥に押し出すような挙動になるので、これでドロー回転(回転軸が左に傾いた状態)を得ようというのです。

ただ、この打ち方というのは、右肩や肩のラインをつねに気にしなければならないこともあり、どうしても「ドローを打ちにいくぞ」と力が入ってしまいがち。これではストレートやフェードのような、ストレートボールの延長で打つという感じではなくなり、感覚的に別のスイングイメージが必要になるように思います。

そこで私はスイングをシンプルにするために、ドロー打ちもストレートやフェードに近いスイングイメージで打ちたいと考え、テニスで慣れたオープンスタンスにすることにしました。一般的に、オープンスタンスは体が開いて、スライスを助長すると考えられていますが、テニスではイラストBのようにオープンスタンスの特性から差し込まれても胸元深くで楽にボールを打つことができるので多用されており、私には右寄りでボールをさばくなら「オープンスタンスが楽」という確信があったので、その感覚をゴルフでも信じてみたかったのです。

ゴルフでは最下点前の領域でボールを打つというのは、前傾姿勢の元でも行なわれているので、じつはフェースがわずかに下を向いている状態でもあり、フェースがかぶってロフトが減り、ボールは上がりづらくなります。試しにスクエアスタンスで、ボールを中央(最下点)より左寄りに置いた場合と右寄りに置いた場合で打ち比べてみてください。左寄りに置くとフェード(スライス)回転が入り、上昇局面に入ってボールをとらえられるため高めの弾道になるのですが、右寄りに置いた場合は最下点に向かう途上でフェースがかぶっているので低い弾道になってしまい、同じように打っているつもりでもフェードと同じ高さのボールを期待すると裏切られることになります。

ところが、オープンスタンスでは懐深く(右寄り)のボールが打てるだけでなく、腰が開いているためアッパーブロー気味に打ちやすいのでボールを高く打ち出せ、通常のスイングとの違いをあまり意識することがない。これだけでドロー回転の入ったボールが打てるのならいいのですが、まだという人に合わせてもうひとつやってもらいたいのは、イラストCのようにボールの芯から5ミリほど外側のポイントをストレートボールを打つイメージで後方から打ち抜くことです(5ミリ外向きにスライドさせるイメージではない)。この5ミリというのは、シンボリックな数値で実際2ミリでも構いません。わずかでも外側に偏芯させてやることで脳がこの行動に騙され(過剰反応して)インサイド・アウトのスイングを自然としてくれるからです。

また、ストレートボールを基本としてインサイド・アウトに打つという建付けなので、ミスをしても基本ストレートに近い弾道になり大ケガにはなりません。プロテクトショットが普通に打てるようになるとプレーの幅が広がるので、ぜひマスターしてください。

A:一般的にはインサイド・アウトといわれているが、最下点より手前のポイントでインパクトすること
によって、フェースが内側から外に向かって移動し、軸が左傾するドロー回転がかかりやすくなる。

B:オープンスタンスは、ボールを右寄りで打つときには非常に有効な方法となる。

C:うしろからみた際にボールの芯よりわずかに外側を”ストレートを打つイメージ”でとらえると、インサイド・アウト的なスイングを誘導しやすくなる。

つねに完全なプレーはできないので”フェイルセーフ”というか、ミスをしても最悪の事態にならないスイングをすることが必要になる。あきらかにミスしたら大ケガをするやり方でドローボールを打つのではなく、たとえミスした場合でもプッシュアウトや逆にフックにならずストレートで収まるスイングを目指したい。

いかがでしたか。MOS理論をぜひ参考にしてください!

文・イラスト=サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。

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