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「母さんに味付け聞いてみる」もやしを和える私の隣で電話を取った夫→新婚の台所で背筋が凍った瞬間

  • 2026.6.8
「母さんに味付け聞いてみる」もやしを和える私の隣で電話を取った夫→新婚の台所で背筋が凍った瞬間

何気ない晩ご飯と、夫の何気ない質問

結婚してまだ一年も経たない、新婚の小さな台所。

その日の晩ご飯のメニューに、私はもやしのポン酢和えを選びました。

仕事帰りに買ってきた一袋のもやしを湯がいて、ザルにあげる。湯気の立つ台所は、それなりに穏やかな夕方でした。

ポン酢を回しかけ、ごま油を少しだけ垂らし、仕上げにすりごまをぱらり。つまみ食いをして、うん、私の好きな味。

そこへ仕事から帰ってきたばかりの夫が、ネクタイを緩めながら台所を覗き込んできました。

「何作ってるの?」

夫の顔は、ただ純粋に夕飯を楽しみにしている顔です。

私は手を止めずに、いちばん分かりやすい例えで答えました。

「義実家で出てくる、もやしの和物みたいなものだよ」

そう、ちょうど先日帰省したときに、義母が小鉢で出してくれたあれを思い出していたから。

似たような家庭料理、というつもりの一言でした。

受話器を取り、義母に味付けを聞き始めた夫

すると、夫の表情がふと変わりました。

「あぁ、あれね」

うなずいた次の瞬間、夫は当たり前のような顔でスマホを取り出して、画面を一度だけ確認します。

そのまま、耳に当てたのです。

「母さんに味付け聞いてみる」

えっ、と私は手を止めました。和える直前まで仕上げていたボウルが、目の前で湯気を立てています。

私が作ろうとしていたのは、ポン酢で和えるだけの、私の家庭の味。義母の和物に「似ている」というだけで、別の料理として完成していたはずでした。

けれど夫の頭の中では、私の発した「義実家で出てくる、もやしの和物みたいなものだよ」が、いつのまにか完全に「義母の和物そのもの」へとすり替わっていたようです。

「あ、母さん?うん、いま夕飯にもやしの和物作ってもらってるんだけどさ。あれって、何で味付けしてたっけ?」

受話器の向こうから、義母の明るい声が漏れ聞こえてきます。

夫はその声をひと言ずつ私に通訳するように、こちらへ目線をくれました。

「ごま油はこれくらいで、麺つゆを少し、塩はひとつまみだって」

背筋に、すうっと冷たいものが走りました。

私が作ろうとしていた料理は、もう、私の手元にありません。

新婚の台所が、急に「義母の台所の出張所」になってしまったような気がしたのです。

マザコンという言葉が一気に頭をよぎります。

反論しようとしたら、たぶんこの夜は気まずさで終わる。

そう思った私は、湯気の立つボウルの前で、一度ぐっと言葉を呑み込みました。

結局、その晩のもやしは、義母から教わったレシピそのままで仕上がりました。

「うん、おふくろの味だ」

夫は満足げに笑い、私は曖昧にうなずきます。

新婚の台所に立ち上った湯気は、いつもより少しだけ、冷たく感じられた夜でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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