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つい子どもと自分を重ねて、口を出し過ぎてしまう……そんな時に助けてくれるのは【著者インタビュー】

  • 2026.4.29
 『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』より
『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』より

【漫画】本編を読む

「家族が好き。でも私を忘れずにいたい」

子どもを持ち、日々に追われるなかで、ふとそんな気持ちを抱いたことはないだろうか? 漫画家・ツルリンゴスターさんによるエッセイ漫画『いってらっしゃいのその後で』(KADOKAWA)の帯に添えられたこの言葉は、多くの共感を集めている。夫と3人の子どもたちとの暮らしを描きながら、“個”としての自分と向き合う姿や、子どもたちをそれぞれひとりの人間として尊重し、5人でよりよく生きていこうとする日々が丁寧に描かれている。

本作と続編である『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』(同)について、ツルリンゴスターさんにインタビュー。流れていく日々のなかで大切にしていることや、迷いながら向き合ってきた思いについて話を聞いた。

――作品全体で、お子さんたちのことをわかりやすい属性でラベリングするのではなく、個人として描かれているところが素敵だなと思いました。漫画の上だけではなくて、普段接しているときもお子さんたちを個人として尊重されているからこそ、出てくる雰囲気なのだろうなと思ったのですが。

ツルリンゴスターさん(以下、ツルリンゴスター):確かにそこはすごく普段から意識しています。私は妊娠したときから「別の人間が体の中にいる」という感覚があったんです。世間一般的には「自分の子どもは自分の分身」みたいなイメージもあると思うのですが、まったくそう思いませんでした。「私が行うのは産むという作業だけで、出てくるのは違う人間」というか。ちょうどその頃、人権や子どもの権利について書かれた本を読んでいて、子どもにどんな声かけをするか、どんなことに気を付けるかを学んだので、それを実践しています。

――素晴らしいですね。私も頭の中ではわかっているのですが、つい同一視してしまうときもあります。

ツルリンゴスター:いや、私もありますよ。コントロールしようとしてしまうときもあります。「私はこの歳のときはこれだけ勉強したんだからあなたもしなさい」とか、習い事など生産性の高いこと、将来役立つようなことをして成長してほしい、スポーツもやって、みんなにも優しくして……みたいな方向に無意識に持って行こうとしてしまうことはあります。ただそういう時にストップをかけてくれるのは、やっぱりあの時本で得た知識ですね。反省して練習しての繰り返しです。

――コラムに、「自分以外の方の心情は自分が感じたことだけを書くようにしている」とありました。

ツルリンゴスター:この本は私以外の生活を私が世間に発表しているわけなので、その時点で私以外の人の権利を完璧には守れていないのですが、できるだけ守りたいし「その人が『描いてくれてよかったな』と思うものに絶対したい」という気持ちがあります。そのためにどうしたらいいか考えたときに、「その人の気持ちはその人のもので、代弁できるものではないから描かない」ということを1つの方法として決めました。

取材・文=原智香

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