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「DIY可」って書いてあったのに…原状回復で18万円請求→壁紙を自由に貼り替えた30代女性の後悔

  • 2026.5.31
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近はSNSで「賃貸でもできるおしゃれDIY動画」を見かける機会が増えています。白い壁紙に貼り替えたり、木目シートを使ったり、収納棚を付けたり。

最近の賃貸市場では“DIY可”をアピールする物件も増えており、「自由に部屋を変えていい」と受け取ってしまうケースも少なくありません。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

今日は、SNSのDIY動画を参考に理想の部屋づくりを進めた結果、退去時に18万円超の原状回復費用を請求されてしまった30代女性の実例をご紹介します。

「剥がせる壁紙だから安心」

その軽い判断が、退去時にどれほど大きな負担に変わったのでしょうか。

SNSの“賃貸DIY動画”に憧れた30代女性

これは、私が賃貸仲介業務に携わっていた頃に実際にあった話です。

30代前半の女性Aさんは、築15年ほどの1Kマンションで一人暮らしをしていました。もともとインテリアが好きだったAさんは、SNSで流れてくる「賃貸DIY動画」を見て、少しずつ部屋づくりにハマっていったそうです。

白い壁紙に貼り替える動画。木目シートで家具を統一する動画。“賃貸でもここまでできる”という投稿に強く憧れていました。

Aさんは「剥がせるタイプなら問題ないか」と軽く考え、部屋の壁にシートや壁紙を貼り始めます。さらに収納不足を解消するため、壁面棚も設置。小さなビス穴を複数開けながら「画鋲みたいなものだから大丈夫」と思っていたそうです。

完成した部屋はかなりおしゃれで、友人からも好評でした。

「カフェみたい!」「これ本当に賃貸なの?」

そんな言葉が嬉しく、Aさん自身も“理想の部屋”に満足していたといいます。

退去立会いで一気に空気が変わった

しかし、入居から約4年後。転職を機に退去することになった際、状況が一変します。問題になったのは、DIY部分でした。

まず、貼っていた壁紙を剥がした際、接着剤が強く固着しており、下地ボード(壁紙の下にある石膏ボード)が一緒に剥がれてしまったのです。

さらに、接着剤の残りが見られたり、クロスの変色や木目シートの粘着跡なども広範囲で発生したりしていました。加えて、壁面棚を固定していたビス穴も想像以上に多く、管理会社側からは次のような指摘がありました。

「これは通常使用の範囲を超えていますね」

Aさんはかなり驚いていました。

「剥がせる壁紙だったんです。SNSでも皆やっていました」

ただ、現実は違いました。“剥がせる商品”でも以下のような条件によっては、強く固着するケースがあります。

  • 長期間貼る
  • 日当たりが強い
  • 湿気が多い
  • 下地との相性が悪い

しかも賃貸では「元に戻せると思っていた」というだけでは通用しません。実際の原状回復(退去時に部屋を入居前の状態へ戻すこと)では、次のような補修が必要と判断されました。

  • クロス全面交換
  • 下地ボード補修
  • ビス穴補修
  • 接着剤除去

最終的な請求額は18万円を超えました。

「DIY可」と「自由に改造OK」は別問題だった

Aさんは困惑しました。

「DIY可って書いてあったのに…」

ただ、ここは非常に誤解が多い部分です。賃貸でいう“DIY可”は「一定範囲で相談可能」という意味で使われるケースが多く、自由に改造してよいわけではないのです。

実際の現場では、次のようなDIYは退去トラブルになりやすい傾向があります。

  • 壁紙の貼り替え
  • 床材の上貼り
  • ビス固定
  • 塗装
  • クッションフロア施工
  • 壁面収納設置

特に最近は、SNSの影響で「賃貸でもここまでできる」という情報だけが先行し、原状回復リスクが軽視されるケースが増えています。しかし、動画投稿者のDIYは「管理会社了承済み」で行われているケースも少なくありません。

条件が違うにもかかわらず、そのまま真似してしまう方が非常に多いのです。

DIY前に必ず確認すべきこと

賃貸DIYは、見た目やSNSの情報だけで判断すると危険です。本当に重要なのは「契約上問題ないか」を事前に確認することです。

Aさんのように「簡単に剥がせる壁紙だから大丈夫」と考えてDIYを始める方は少なくありません。

しかし賃貸では「剥がせる壁紙」「賃貸OK」といった商品説明だけで判断すると危険です。実際には、契約内容や管理会社のルールが優先されます。

特に、壁紙変更やビス固定、床材施工などは退去トラブルになりやすいため注意が必要です。DIY前には、賃貸借契約書や退去時特約を確認し、管理会社に事前相談しておくことが重要です。

おすすめなのは、DIY前に「どこへ施工するのか」「どの商品を使うのか」を、写真付きで管理会社へ確認する方法です。事前に相談しておけば、後から「その施工は禁止です」「借主負担になります」といった退去トラブルを防ぎやすくなります。

また、SNS動画の「賃貸OK」「原状回復可能」という言葉も、そのまま信じるのは危険です。実際には、壁材との相性や接着期間によって、剥がした際に下地まで破損するケースもあります。

賃貸でDIYを進める際には「退去時に問題なく戻せる施工かどうか」まで、事前に確認しておきましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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