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「少し目を離しただけなのに」渋滞中に追突事故を起こした30代男性。低速でも過失責任が覆らない理由

  • 2026.6.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

信号待ちから発進する時、「前の車も動き出した」と思ってアクセルを踏んだ経験はありませんか?実際、前車がまだ完全に進んでおらず、そのまま追突事故につながるケースがあります。特に渋滞中は、前の流れについていくだけの運転になりやすく、一瞬の脇見や確認不足が事故を招くことも少なくありません。

「低速だから大丈夫」「少し目を離しただけ」

そう思っていても、信号待ち発進時の事故では前方不注視が問題視されやすく、過失責任が重くなるケースも多々あるのです。

「前の車も動いたと思った」Aさんのケース

ある日の夕方、渋滞中の交差点で追突事故を起こした30代男性のAさんから事故報告の連絡がありました。

事故当時、Aさんは赤信号で停止しており、前方には数台の車が並んでいたそうです。信号が青に変わったタイミングで、前の車が動き出したように見えたため、Aさんもアクセルを踏みました。しかし、前車は少し動いたあとすぐ停止していました。

Aさんはその瞬間、ナビへ視線を向けていたこともあり、停止に気づくのが遅れ、そのまま前車へ追突してしまったのです。

電話の向こうでAさんは「こんな低速で事故になるとは思わなかった」と驚いた様子でした。

ですが、このような事故は決して珍しいことではありません。

渋滞中に起きやすいつられ発進

信号待ち発進時に多いのが、つられ発進と呼ばれる状態です。これは、自分で前方をしっかり確認する前に、「周囲が動き出した雰囲気」に反応して無意識にアクセルを踏んでしまう現象です。

特に渋滞中は、前車が少し動いたり、隣の車線が進み始めたりといった周囲の動きにつられやすくなります。その結果、「前の車も進んだはず」と思い込んだまま発進してしまい、前車が止まっていたことに気づけず追突してしまうのです。

また、停止中は気が緩みやすく、ナビを見たり、同乗者との話に夢中になったり、飲み物を取ったりと、一瞬だけ注意が前方から離れるケースも少なくありません。しかし、発進時は車が動き出すタイミングだからこそ、ほんの数秒の脇見でも事故につながりやすいのです。

低速事故でも過失責任は軽くならない

「低速だから大した事故ではない」と思う人もいますが、実際には低速追突事故でも過失は重く見られます。

道路交通法では、ドライバーには常に周囲の状況を確認し、安全に運転する義務があります。「前方を十分確認していなかった」「車間距離が近すぎた」「ナビやスマホへ視線を向けていた」といった状況があれば、前方不注視などの安全運転義務違反として問題視されやすくなります。

今回の事故でも、ドライブレコーダー映像を確認したところ、Aさんが前車をしっかり確認しないまま発進していたことがわかりました。本人は「前車も動いたと思った」と感じていましたが、映像を見ると、実際には前車の動きを確認する前にアクセルを踏んでいた状態だったのです。

「少し当たっただけだから大した損傷はない」

と当初思っていたAさんでしたが、結局、今回のケースは100:0の事故として保険で対応することになりました。

信号待ち発進時の事故を防ぐためにできること

こうした事故を防ぐためには、「車の流れ」ではなく「実際の車の動き」を確認する意識が重要です。特に渋滞中は、無意識に周囲につられて発進しやすくなるため注意しなければなりません。

次のような点は、特に意識しておきましょう。

・前車だけでなく、そのさらに前の流れも確認する
・“動き出した気がする”ではなく、実際に進んだことを確認して発進する
・停止直後のナビ操作やスマホの確認はしない
・渋滞中ほど車間距離に余裕を持つ

信号待ち発進時の追突事故は、「ほんの一瞬だった」という油断から起きることがあります。低速でも事故は発生しますし、前方確認不足は大きな過失につながることもあります。

発進時ほど、しっかり実際の車の動きを視認して、安全運転をこころがけましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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