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結婚を焦る39歳女性が信じてしまったのは最低の嘘つき男だった…運命と思った恋が崩れ、絶望する姿が教えてくれるもの【書評】

  • 2026.4.14

【漫画】本編を読む

『結婚したい39歳の私と最低クズ男の最悪なウソ』(ミロチ/KADOKAWA)は、アラフォー女性の焦りや期待、そして裏切りの痛みを等身大の視点から描いた作品だ。

「いつかは大好きな人と結婚して子どもを産みたい」そんな願いを抱く39歳の春子は、7年付き合っていた彼氏と別れたばかり。結婚と子どもを諦めきれない彼女は、さっそく次の出会いを求めてマッチングアプリに登録する。すると同い年で趣味も合う会社員・晃平とマッチし、3回のデートの末に交際をスタートさせる。

残された時間は多くないと感じる春子が、彼を「運命の人」と信じたくなる気持ちは痛いほどよくわかる。39歳という年齢的な焦りがある中で、やっと見つけた「正解」を手放したくないという心理が判断する力を少しずつ奪っていくのだ。

物語の不穏な空気は、晃平の不可解な提案から始まる。「これからは平日に会わない?」という言葉。普通に考えれば、週末に会えないことに違和感を持つはずだが、春子は彼を信じることを選んでしまう。SNSで見つけた見知らぬ女性との写真や、女性からの着信といった数々の「赤信号」が灯っても、彼女は止まろうとはしない。

彼の態度に疑問を抱きながらも確かめられない春子。相手を疑うことの罪悪感と、裏切られるかもしれないという恐怖に支配されたこの姿は、恋愛中に感じた不安を飲み込んでしまったことのある人なら深く胸に刺さることだろう。晃平が隠していた「最悪なウソ」の正体を知ったとき、読み手は怒りとともに、言いようのない虚しさを感じるはずだ。

春子の絶望を疑似体験することで、「結婚したい」という思いだけが肥大化しすぎたとき、どれほど危ういものになるかということを教えてくれる作品だ。

文=ゆくり

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