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小3の子どもが転倒→“抜けた前歯”をティッシュに包んで病院へ。その後、医師から明かされた“思わぬ事実”に「もし知っていれば…」

  • 2026.6.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。子どものけがや急な口のトラブルでは、最初の対応がその後の診療に関わることを日々感じている歯科医師の鷹巣多紀です。

子どもの歯が突然抜けてしまう場面は、スポーツ中や登下校中など、日常のなかで起きることがあります。
いざというときに戸惑わないためには、家族が初動を知っておくことが大切です。

今回は、転倒で前歯が抜けてしまったお子さんの歯を、よかれと思ってティッシュに包んだ母親の体験を紹介します。

Cさんに起きたこと

Cさんは小学3年生のお子さんを持つ母親です。ある放課後、公園で友人と遊んでいたお子さんが転倒し、前歯が1本抜けてしまいました。

Cさんはすぐに現場へ駆けつけ、抜けた歯を地面から拾い上げると、持っていたポケットティッシュに包んで歯医者へ急ぎました。
受付で状況を伝えると「歯はティッシュから出してください」と言われ、戸惑ったといいます。

診察では、「乾燥している時間が続いたため、歯を元の場所に戻せる可能性が低くなっています」と説明を受けました。
「もし知っていればすぐに牛乳に入れたのに」と、Cさんは今も振り返るそうです。

なぜ乾燥させてはいけないのか

永久歯(大人の歯)の根の表面には、歯を顎の骨に結合させるうえで重要な役割を持つ細胞があります。

この細胞は水分がなくなると働きが低下しやすく、乾燥した状態が続くほど、歯を元の位置に戻す処置が難しくなることがあります。

ティッシュや乾いたガーゼは水分を吸い取るため、歯の乾燥を進める原因です。
抜けた歯を保存する方法として、牛乳または生理食塩水(体液に近い濃度に調整された塩水)に浸した状態で持参する方法が広く知られています。
いずれもない場合は、口の中に含んで運ぶ選択肢もあります。

なお、乳歯(子どもの歯)と永久歯では、対応の考え方が異なる点にも注意が必要です。
乳歯の場合は元に戻す処置を行わないことが多いため、まずどちらの歯なのかを確認することが必要です。
判断がつかないときは、歯を保存した状態で早めに相談先を探してください。

けがで歯が抜けたときの初動

歯が抜けてしまった場合は、初動が大切です。病院へ行くまでの間は、以下の点に注意することをおすすめします。

  • 歯の頭の部分(白い部分)を持ち、根(細くなっている部分)には触れない
  • 水道水で強くこすらない。汚れが気になる場合は軽く水で流す程度にとどめる
  • 牛乳または生理食塩水に浸して持参する。いずれもない場合は口の中に含んで運ぶ
  • できるだけ早く歯医者または口腔外科(口や顎の外科処置を行う診療科)へ連絡する
  • 学校や公共施設での事故は、その場のスタッフにも状況を伝え、一緒に対応を確認する

処置できる時間に限りがあるため、保存と移動を同時に進めることが大切です。

まとめ:抜けた歯はティッシュより牛乳。初動の知識を家族で共有しておく

外傷で永久歯が抜けた場合、保存の方法と速さが対応に大きく関わります。
ティッシュに包むと乾燥が進むことがあるため、牛乳などで湿らせた状態で持参する方法を、家族のあいだで共有しておきましょう。

万一のために、近くにある口腔外科や、夜間・休日にも連絡できる歯医者をあらかじめ確認しておくことも、一つの備えです。


参考:

けがをして、歯が抜けた(日本口腔外科学会)
Avulsion of Permanent Teeth(IADT guideline endorsed by AAPD)
Acute Management of an Avulsed Permanent Tooth(AAPD)

執筆・監修:鷹巣 多紀

大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw

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