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お盆の帰省中、家族そろって夕食→お酒を飲んだ長男が“突然放った一言”に「話し合っておくべきだった…」次男が絶句

  • 2026.6.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や相続のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、お盆帰省の食卓で、長男から突然「家は俺がもらう」と告げられた40代会社員Fさん(次男)の体験談です。「兄弟仲は良いから揉めない」と思っていた一家に、相続の話題が突きつけられたひと晩を振り返ります。

「相続なんて、まだ先の話」と思っていた

Fさんは40代後半の会社員。実家は地方の戸建てで、70代のご両親と、長男ご夫婦が同居しています。

Fさんご自身は東京で家庭を持ち、奥さまとお子さん2人と暮らしておられます。

ご両親は健在で、長男夫婦も身の回りを見てくれている。Fさんは「相続なんてまだ先の話」「兄弟仲は良いし、いずれは何となく長男が決めるんだろう」と思っていたそうです。実家の評価額は約3,500万円、預金は両親合わせて約800万円。

「揉めるほどの財産でもないし、揉めるはずもない」というのが、Fさんの感覚でした。

お盆の食卓で、突然告げられた一言

ある年のお盆。家族そろっての夕食の席で、お酒が入ったお兄さんが、こう切り出しました。

「将来、家は俺がもらうから。お前は預金から少しもらえばいい」

「冗談かと思って笑い返そうとしたんですが、兄の目が真剣で、口調も静かでした。両親も特に否定せず、その場の空気が固まったんです」

長男夫婦は実家を維持し、両親の介護も担う見込み。「ずっと家を守ってきたのだから、家は当然」という理屈なのかもしれません。

ただ、民法上の法定相続分では、均等に分けるのが原則です。両親が相次いで亡くなり、遺言もないケースでは、兄弟それぞれに一定の法定相続分があり、長男と次男は合計約4,300万円を半分ずつ、それぞれ約2,150万円ずつ相続する権利があることになります。兄の言うとおりの分け方になれば、Fさんの取り分は法定相続分から1,000万円以上少なくなる計算でした。

「家は俺がもらう」だけでは決まらない

帰省から戻ったFさんは、信頼できる税理士に相談したそうです。

そこで初めて知ったのは、相続には「寄与分」や「特別受益」という考え方があるということでした。長年同居して介護や生活の支援を続けてきた事実は寄与分として、過去に住宅資金などの贈与があれば特別受益として、それぞれ相続分の調整要素になり得ます。

ただし、これらの調整は当事者間の合意か、家庭裁判所の判断によります。誰かの一存で「家は俺がもらう」と決められる話ではない点が、Fさんの中で整理されました。

「兄の貢献を否定したいわけではありません。ただ、両親が健在のうちに、家族みんなで相続について話し合っておくべきだったと痛感しました」と肩を落とすFさん。

金額に関わらず、話し合っておくことが大切

相続に関する家族間トラブルは、財産規模に関わらず発生しています。むしろ「揉めるほどの財産でもない」と話し合いを後回しにしてきた家庭ほど、いざというときに溝が深まりやすい傾向があるのです。

Fさんは次の正月、相続について話し合う場を持つことを提案するつもりだそうです。両親の希望、長男夫婦の今後、Fさん側の意向を率直に出し合った上で、必要であれば遺言書の作成や専門家への相談も視野に入れるといいます。

重い話だからこそ、両親が健在で元気なうちに、それぞれの希望や考えを出し合っておく。それが結果として、ご家族みんなが安心して暮らせる土台になると、私は考えています。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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