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「NHKすげー」「今期の神作」すでに“一挙放送”を望む声も!大河や朝ドラとは“異なる魅力”の【夜ドラ】

  • 2026.5.8
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夜ドラ『ラジオスター』第5週(C)NHK

福地桃子が主演を務めるNHK夜ドラ『ラジオスター』。石川県・能登を舞台に、臨時災害放送局でラジオパーソナリティを務めながら、人々の心に寄り添っていく姿を描いている。大阪からボランティアとしてやって来た主人公・柊カナデ(福地桃子)は、現地での放送を通して、少しずつ周囲との距離を縮めていく。

※以下本文には放送内容が含まれます。

松本の過去が明かす「笑顔」の意味

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夜ドラ『ラジオスター』第5週(C)NHK

能登の臨時災害放送局を舞台に、ラジオを通して人と人との距離が少しずつ近づいていく本作。放送に関わる人々それぞれの思いが交差しながら、日常を取り戻していく過程が描かれている。

第5週で描かれたエピソードは、本作の核心とも言える重要なパートだった。地震直後、倒壊した建物に挟まれ取り乱す松本(甲本雅裕)の姿を、息子が目の当たりにしてしまう。その記憶は強く残り、以降、父に対して怯えるようになってしまった。

日常が崩れた瞬間に見せてしまった“弱さ”が、最も近い存在である家族との距離を生んでしまう。この描写は決して大げさではなく、極限状態に置かれた人間のリアルな一面として胸に迫る。

松本がラジオを始めた理由は、息子に再び笑顔を取り戻してほしいという思いからだった。その一心で“笑える放送”を目指し続ける姿には、父親としての葛藤と不器用な愛情がにじむ。直接言葉で伝えられない分、放送という形に気持ちを託している点も印象的だ。

災害のなかで生まれる声の力

本作の大きな魅力は、災害という極限状態のなかで“声”が持つ意味を丁寧に描いている点にある。地震によって生活基盤を奪われた人々にとって、ラジオは単なる情報源ではない。不安や孤独を和らげ、誰かとつながっていると感じさせる重要な存在だ。

カナデは、最初こそ戸惑いながらも、リスナーひとりひとりに寄り添う放送を心がけていく。その姿は、単なるボランティアを超え、地域の一員として成長していく過程そのものだ。名もなき市民が放送を通じて誰かの支えになり、やがて“スター”のような存在になっていく展開は、視聴者に温かい余韻を残す。

夜ドラならではの挑戦と高評価

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夜ドラ『ラジオスター』第5週(C)NHK

本作は、NHKの夜ドラ枠として放送されている。夜ドラ枠は『ひらやすみ』『ワタシってサバサバしてるから』などで知られ、作品ごとに異なる切り口やテーマが楽しめるのが特徴だ。大河ドラマや朝ドラの枠とは異なり、多様なジャンルに触れられる点も魅力のひとつといえる。

そのなかで『ラジオスター』は、石川県で起きた能登半島地震と、奥能登豪雨で被災した石川県奥能登地方を題材にしながら、現実に基づいた描写とドラマとしての見応えをバランスよく描いている。被災地の状況や人々の感情を丁寧に映し出しつつ、登場人物それぞれの変化や関係性にも焦点を当てているため、無理なく物語に入り込める構成になっている。

SNSでは「NHKすげー」「今期の神作」「涙が出る」といった声のほか、現時点ですでに「もう再放送を希望」「一挙放送してほしい」といった意見も見られる。現実に起きた出来事をもとにしているからこそ、視聴者の心に強く響いているのだろう。

災害という重いテーマを扱いながらも、『ラジオスター』は人と人とのつながりや再生の過程を丁寧に描かれており、見終えたあとには、自分たちの日常が決して当たり前ではないと気づかされる。登場人物たちがそれぞれの立場で下す選択はどれも切実で、その一つひとつに目を離せない。だからこそ、彼女たちがどんな未来にたどり着くのか、しっかりと最後まで見届けたい。


NHK 夜ドラ『ラジオスター』毎週月~木 よる10時45分~11時00分
NHK ONE(新NHKプラス)同時見逃し配信中・過去回はNHKオンデマンドで配信

ライター:柚原みり。シナリオライター、小説家、編集者として多岐にわたり活動中。ゲームと漫画は日々のライフワーク。ドラマ・アニメなどに関する執筆や、編集業務など、ジャンルを横断した形で“物語”に携わっている。(X:@Yuzuhara_Miri