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妊娠中にビタミンAを取らない方がいいの?クリニック院長小倉先生にお伺いしました

  • 2026.4.12

妊娠中にビタミンAは良くないから、とらないように、と聞いたけど、本当?全くとらない方がいいのか、摂取量に気を付けた方がいいのか、どっちなんだろう?そんな疑問について、今回は金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長、小倉慶雄先生にお答えいただきました。

ママ広場

妊娠すると、食べ物やサプリメントについて気になることが一気に増えますよね。
その中でもよく聞くのが、「妊娠中はビタミンAをとってはいけないの?」という疑問です。

結論からいうと、ビタミンAは妊娠中にまったくとってはいけない栄養素ではありません。むしろ、目や皮ふ、粘膜、免疫の働き、そして赤ちゃんの発育にも関わる大切な栄養素です。
ただし、とりすぎると赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中は「不足しないこと」「過剰にしないこと」の両方が大切です。

どうして妊娠中はビタミンAに注意が必要なの?

問題になるのは、主に「できあがった形のビタミンA」である既成ビタミンA(レチノールなどを、サプリメントや一部の食品から多くとりすぎることです。

ビタミンAは、赤ちゃんの成長にも必要な栄養素ですが、過剰に摂取すると、赤ちゃんの目、頭蓋骨、肺、心臓などに異常が起こる可能性があることが知られています。特に妊娠初期は、赤ちゃんの大切な器官が作られる時期なので注意が必要です。

「妊娠中はビタミンAがダメ」とひとくくりに覚えてしまうと、必要な栄養まで避けてしまうことがあります。大切なのは、ビタミンAをゼロにすることではなく、過剰摂取を避けることです。

では、ビタミンAは全くとらない方がいいの?

答えは、いいえ、です。
ビタミンAは妊娠中も必要な栄養素なので、全くとらない方がよいわけではありません。

妊娠中に気をつけたいのは、普段の食事よりも、サプリメントや健康食品などで高濃度のビタミンAを重ねてとってしまうことです。妊娠前から飲んでいたマルチビタミンや美容目的のサプリメントに、ビタミンAが多く含まれていることがあります。

妊娠がわかったら、まずは手元のサプリメントの成分表示を確認してみましょう。「ビタミンA」「レチノール」「レチニルパルミテート」「レチニルアセテート」などの表示がある場合は、自己判断で続けず、産婦人科医や薬剤師に相談すると安心です。

どんな食品に注意したらいいの?

妊娠中に特に注意したいのは、レバーやレバー製品、魚の肝油を使ったサプリメント、ビタミンA高配合サプリです。

レバーは鉄分が多い食品として知られていますが、同時にビタミンAも非常に多く含んでいます。そのため、「体によさそうだから」と頻繁に食べるのはおすすめできません。たまに少量を口にしたからといって過度に心配する必要はありませんが、妊娠中は意識して控えめにするほうが安心です。

一方で、卵や乳製品、魚など、ふだんの食事に含まれるビタミンAまで神経質に避ける必要はありません。問題になりやすいのは、日常の食事そのものというより、「高濃度のものを続けてとること」です。

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野菜に多いβ-カロテンもダメ?

ここは誤解されやすいところですが、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などに多いβ-カロテンは、通常の食事からとる分には過度に心配しなくてよいとされています。

β-カロテンは体の中で必要な分だけビタミンAに変わるため、既成ビタミンAのように過剰症を起こしにくいと考えられています。
そのため、妊娠中は「サプリやレバーなどのとりすぎに注意しつつ、野菜はしっかり食べる」という考え方で大丈夫です。

妊娠中は食事に不安を感じやすい時期ですが、緑黄色野菜まで避けてしまう必要はありません。野菜にはビタミンAのもとになる成分以外にも、食物繊維や葉酸など、妊娠中にうれしい栄養素が多く含まれています。

一緒にとった方がいいビタミンはある?

ビタミンAだけに注目するより、妊娠中は栄養全体のバランスをみることが大切です。
その中でも代表的なのが葉酸です。

葉酸は、妊娠を計画している時期から妊娠初期にかけて特に重要とされており、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク低下との関連が知られています。妊娠中向けのサプリメントを選ぶ場合も、ビタミンAを積極的に足すことより、葉酸など妊娠期に必要な成分が適切に含まれているかを確認することが大切です。

また、妊娠中はビタミンDなども大切ですが、必要な栄養素は体調や食事内容によっても異なります。自己判断でいろいろなサプリメントを追加するのではなく、妊婦健診の際に相談しながら選ぶのがおすすめです。

妊娠中に知っておきたい大切なポイント

妊娠中のビタミンAについて、覚えておきたいことはとてもシンプルです。

ビタミンAは必要な栄養素。けれど、サプリやレバーでの過剰摂取は避ける。
これがいちばん大切です。

妊娠中に注意したいのは、「全くとらないこと」ではなく、「とりすぎないこと」です。特に、妊娠前から続けていたサプリメントや健康食品は、一度見直しておくと安心です。

また、ニキビ治療薬などの一部には、ビタミンAに関連する「レチノイド」という成分が含まれていることがあります。こうした薬の中には、妊娠中に使用できないものもあります。使っている薬や塗り薬がある場合は、妊娠がわかった時点で早めに主治医や薬剤師に相談しましょう。

まとめ

「妊娠中はビタミンAをとってはいけない」というより、正しくは「妊娠中のビタミンAは、とりすぎてはいけない」です。

野菜から自然にとる分まで、神経質に避ける必要はありません。
一方で、レバー、肝油、ビタミンA高配合サプリ、妊娠前から飲んでいたマルチビタミンには注意が必要です。

「このサプリは続けていいのかな」
「妊娠に気づく前に飲んでしまったけれど大丈夫?」
そんなときは自己判断せず、産婦人科医や薬剤師に相談しましょう。

妊娠中の栄養管理は、ただ我慢することではありません。正しい知識を持って、安心して毎日の食事や生活を整えていくことが大切です。

【参考文献】
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省eJIM「ビタミンAとカロテノイド」
・NHS“Vitamins, supplements and nutrition in pregnancy”
・Rothman KJ, et al. Teratogenicity of high vitamin A intake. N Engl J Med. 1995.

本記事の作成にあたり、一部に生成AIを使用しております。

執筆者

プロフィールイメージ
小倉慶雄
小倉慶雄

金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長。
金沢駅から徒歩3分の金沢駅前内科・糖尿病クリニックで、「糖尿病」「肥満」「甲状腺」の専門的な治療を提供。患者の生活スタイル・習慣と病状に合わせた最適な治療を得意としている。

[経歴/保有資格]
所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

[経歴]
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長
令和6年10月 金沢駅前内科・糖尿病クリニック(石川県金沢市)院長
※自由診療部門は自由診療部門Granとして併設

[受賞歴]
日本抗加齢医学会研究奨励賞(2018年度)

金沢駅前内科・糖尿病クリニック

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