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山崎夕貴アナが痛感した、日本とイギリスの“子育ての大きな違い”「ロンドンの人は良い意味で“適当”」

  • 2026.4.10

2018年にお笑い芸人・おばたのお兄さんと結婚、現在2歳になる男の子のママのフジテレビアナウンサー・山崎夕貴さん。連載「ポップな日々」今回は、育児に対する価値観が大きく変わるきっかけとなった「2ヵ月半のロンドン生活」をまとめてお届けします。

産後、いきなりワンオペ生活に!?

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みなさん、こんにちは。フジテレビアナウンサーの山崎夕貴です。さかのぼること2024年。この年の夫のスケジュールは、かなりハードなものでした。出演する舞台を掛け持ちしていて、全国を飛び回る日々! 北海道、名古屋、大阪、福岡と、怒涛のスケジュールをこなす夫について行く形で、私と0歳の息子も同行することに。さらにカンパニーが渡英し、4月から8月まではロンドンで公演が行われたんです。結果として、国内外を転々としながら、ほとんど東京の家にいない数ヵ月を過ごすことになったのです。ロンドンで過ごしたのは、4月に1ヵ月と、7月から8月にかけての1ヵ月半。合計2ヵ月半もの時間を、まだ幼い我が子と一緒に異国の地で過ごすことに。夫から「もしかしたら、この時期に海外公演が入るかもしれない」という話は、息子が生まれる前から聞いていました。でも、当時の私についていく気はゼロ。「産後の体で、しかも赤ちゃん連れで慣れない海外生活なんて無謀すぎる」と、端から選択肢になかったのです。とはいえ、初めての育児をワンオペでこなせる自信もなく……。私が考えていたプランは、私の実家か、義理の実家か、あるいは義理の妹の家にお世話になることの「三択」。とにかく誰かの助けがある場所に身を寄せようと、必死に考えていました。

「全部ついてきてほしい」夫からの予想外の言葉

ところが、産後しばらくして夫から言われたのは、予想外の言葉。「できれば、ロンドンも全部ついてきてほしい」「え!?全部?一週間とかならまだしも……2ヵ月半全部?」と、言われたときは耳を疑いましたね。夫としては、とにかく息子を溺愛しているので、1ヵ月も会えないなんて耐えられない、離れたくないという一心だったようです。もちろん、私の体調やメンタル面も心配で、近くにいた方が安心との思いもあったのだと思います。もちろん、私自身も一人では不安で、夫が近くにいてくれた方が心強いのは間違いありません。それでも、「ロンドンへ行く」というのはあまりにハードルが高く、「いやいや、大変でしょう!」と即座に否定する自分がいました。考えれば考えるほど、不安要素はいくらでも出てきます。「育児にもまだ慣れていないのに、知らない土地、ましてや海外なんて!」「向こうに知り合いなんていないし、頼れない」「時差ボケがあるし、生活を整えるのも一苦労」「ロンドンの物価、すごく高いよ」「もし病気になったら? 食べ物が合わなかったら?」マイナスなことばかりを考えて、いかに無茶な計画であるかを証明するための材料を集めていたんです。でも、ふと「私、さっきから“行けない理由”ばっかり探しているな」と気づいたんです。こんな機会、二度とないかもしれない。それなのに“できない理由”を並べて、足踏みしている自分。なんだか、そんな自分がすごく嫌だな、と感じて。そう気づいてからは、思考を切り替えることにしました。「行けない理由を探すよりも、どうやったら行けるか、“行く理由”を探してみよう」夫が「ついてきてほしい」と言ってくれているのだから、その気持ちに応えてあげたい。そう前向きに捉え直したんです。「できない理由」ばかり並べるのは簡単。どうなるかわからないけれど、とりあえず行ってみるか――そうやって「腹をくくった」のが、すべての始まりでした。

子連れで初海外、1回目は息子の荷物パンパンに

1回目の渡英時は勝手がまったくわからないため、「とにかく日本から全部持っていかなきゃ!」と、スーツケースはパンパン! 恥ずかしい話、飛行機に乗る直前までベビーカーを預けられることも知らなくて、わざわざ大きな段ボールを用意してベビーカーを自力で梱包したり……(笑)。とにかく向こうで困らないようにと、自分たちの食料を諦めてまで、息子の荷物を最優先にして、大量に詰め込んでいました。でも、2回目は「現地調達」のコツを掴んだこともあり、だいぶ身軽になったんです。お尻拭きやミルクなどは全部現地で購入。ネットで下調べするよりも、ロンドンで知り合ったママ友に「どれがいい?」「どこで買うのがおすすめ?」と聞くのが一番確実でした。おかげで2回目は、息子の荷物を最小限にして、自分たちの食料をしっかり持っていくことができました(笑)。

「手抜きもアリ」と思えた現地の育児事情

ロンドンは物価が高いイメージがあるかもしれませんが、実は育児用品って意外と安いんです。というのも、子ども服や靴といった一部の育児必需品には税金がかからず、子育て家庭の負担が大幅に軽減されているんだとか。この制度には、私も本当に助けられましたね。また、特に驚いたのが「液体ミルク」の充実ぶりです。日本では粉ミルクとお湯を持ち歩くのがまだ多数派ですが、向こうは液体ミルクが主流。もちろん日本でも液体ミルクはありますが、向こうのラインナップは桁違いなんです! 選択肢が多いおかげで自分の子に合うものを選べるし、なにより外出先でのハードルがぐっと下がりました。さらに面白かったのが、パウチ型の主食の離乳食。子どもがぎゅっと自分の手で握って、そのまま口をつけてチューっと食べられるタイプのものなんですが、外出先でも手が汚れず、スプーンなどの道具もいらないのは、ママにとって本当に手軽で便利ですよね……!実際、「はい!」とお子さんに渡して、ベビーカーで移動しながらパパッとご飯を済ませるママたちの姿もよく見かけました。利便性重視で、日本人ならではの「ちゃんとしないと……」というプレッシャーから解放されて、「あぁ、こういう育児の形もアリなんだな」と、すごく気持ちが楽になれた気がします。

「バリアフリー」よりも「人の温かさ」

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ロンドンの街自体は、お世辞にも「ベビーカーに優しい」とは言えません。地下鉄の駅にはエレベーターもエスカレーターもないのが当たり前。でも、不思議と困ることは一度もありませんでした。階段の前で立ち止まれば、誰かが必ず「手伝うよ!」とサッとベビーカーを担いでくれる。電車に乗れば、四方八方の知らない人たちが息子に笑顔で話しかけてくれる……。抱っこ紐で立っていたら、近くにいたお姉さんがサッと動いて「ここに座って! 私が席を確保しておいたから!」と、まるで自分事のように世話を焼いてくれたこともありました。

完璧じゃないから心地いい。ロンドン流の「おおらかさ」

もちろん、最初は戸惑ったこともあります。向こうの人って、いい意味でも悪い意味でも他人に執着がないし、とにかく「ゆるい」んです(笑)。ホテルの清掃は平気で3日くらいずれ込むし、ブラインドの修理をお願いしても「今から行くね」と言ったきり、その日は来ない……。最初は「ええ? 来るって言ってたのにどうなってるの?」と動揺していましたが、だんだん「今日も来ないだろうなあ。まあでも、別に生死にかかわることじゃないしいいか」と思えるようになってきて。日本のような「本音と建前」や「完璧なサービス」を期待しなくなると、不思議と心がスッと楽になったんです。誰が何をしていようと自由、細かいことは気にしない。そんなロンドンの「おおらかな自由さ」が、私にはすごく心地よかったんですよね。

「帰って寝るだけ」の日も…超多忙なのに、家族を優先する夫

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そもそも、ロンドン滞在中の夫はものすごく忙しくて、まさにスーパーハードスケジュールでした。1日に1公演か2公演あったのですが、ロンドンの舞台は基本的に終わるのが遅いんです。昼公演は午後スタートなのでお昼前くらいまでは一緒にいられるものの、夜公演が終わって帰ってくるのは深夜12時すぎ。帰ってきて寝るだけの生活でした。でも、朝は息子が起きてくるので、「朝遅くまでたっぷり寝る」というわけにはいかず……。それに加えて、向こうではYouTubeの編集を自分でやっていたようなので、本当によく倒れなかったな、と思うくらい大変な毎日でした。だから、せめて朝くらいはゆっくりさせてあげたいなと思って。夫もYouTubeの編集を進めたいだろうし、私と息子は朝早くからママ友とお出かけするようにしていました。でも、夫の体力は想像以上で……! あれだけ過酷な日々の中でも、夜公演だけの日は「夕方の3時か4時くらいまでは一緒にいられるから」と、朝から家族で出かけていました。夫自身、せっかくのロンドンをすごく楽しみたがっていましたし、なにより家族でお出かけするのが大好きなんです。「一人でゆっくり休みたい」「のんびりと一人でどこかに行きたい」と言うこともなく、出かけられるときはずっと家族で一緒にいました。さすがに2公演ある日はなにもできませんでしたけど(笑)。

ロンドン生活を支えてくれたママ友の輪

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滞在中は、本当にいろいろな場所に出かけましたね。ビッグ・ベンやウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿といったイギリスの主要な観光スポットは、だいたい巡ることができたと思います。一方で、ママ友とお出かけするときは、日常的な場所に行くことが多かったです。ロンドンでは図書館が児童館のような役割を果たしているので、あらゆるエリアの図書館に行ったし、大きな公園にもよく足を運びました。驚いたのは、すごく大きな公園も博物館も、基本的にすべて無料だということ。現地のそうした施設は寄付で成り立っているそうで、ロンドンは本当に子どもに優しい街なんだなと、いろいろな体験を通して実感しました。ちなみに、今の息子だったら歩き回ってしまって大変だったと思うのですが、当時はまだベビーカーに乗っていた時期だったのも幸いでした。現地では、ママ友が別のママ友を紹介してくれてどんどん輪が広がり、「今日はママ友との予定が2件ある!」なんて日もあったほど。他にも、会社の同僚の友人やロンドン支局の方々に挨拶に行って一緒にランチをしたり、自宅でのバーベキューに誘っていただいたり。とにかく毎日、予定を詰め込んで忙しく過ごしていました。でも、そうやって予定を入れていなかったら、海外での生活は寂しくて、耐えられなかったかもしれません。実は、私自身はあまり深く考えずにロンドンへ行ったのですが、夫が事前に「向こうで妻のママ友になってくれる人はいませんか?」とSNSで呼びかけて、探してくれていたんです。夫のその気遣いのおかげで、本当に素敵な方々と出会うことができました。あの出会いがなかったら、結構孤独だったかもしれないなと、今振り返っても感謝の気持ちでいっぱいになります。

もし、夫が単身で行っていたら…?

そしてなによりも、ロンドン滞在で一番よかったのは「家族で同じ経験ができたこと」。もし、夫だけが単身でロンドンに行っていたら……彼が向こうで新しい価値観を得て帰ってきても、私は「いや、私は行ってないし」とイラッとして、意見がぶつかったり、すれ違ってしまったりしたかもしれません。だからこそ、お互いに良い刺激を受けて、同じものを見て、共有できたことがなによりの収穫でした。同じ景色を見て、同じものを食べる――そんな時間を過ごせたことに、やっぱり家族で一緒に行った意味があったなと心から思っています。

「元気なら100点満点!」現地の“心地よい適当さ”に救われた

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ロンドンで得た最大の収穫。それは、「子どもが元気でいてくれれば、それだけで100点満点!」と心の底から思えるようになったことです。それまでの私は、溢れる育児情報に振り回され、とにかく必死でした。「離乳食はこの時期にこれを食べさせなきゃ」「トイトレは〇歳から始めなきゃ」――。周りには完璧にこなすママも多く、無意識に「ちゃんとしなきゃ」というプレッシャーを自分にかけていた気がします。そんな私の心を解きほぐしてくれたのが、ロンドンの人々の良い意味での“適当さ”でした。一番の衝撃は、土足文化なのに赤ちゃんが床をそのままハイハイしていたこと! 日本なら「汚いからダメ!」と反射的に止めてしまいそうな光景ですが、現地のママたちはまったく動じず、ニコニコと見守っているだけ。さらに、「今日のお昼はお菓子一袋になっちゃった~」なんて笑い飛ばしているママ友までいて(笑)。誰も「1日3回、きっちり栄養を摂らせなきゃ」と思い詰めている様子はありません。そんな光景を目の当たりにして、最初は「えっ、それでいいの!?」と驚きましたが、そこにいる子どもたちはみんな、最高に元気で幸せそうなんです。「栄養バランスは……」と眉間にシワを寄せていた私の肩から、フッと力が抜けた瞬間でした。

「人の目」という透明なプレッシャーからの解放

滞在中、SNSやネットニュースから強制的に距離を置けたことも、大きな転換点でした。「こうすべき」「○○してはダメ」という情報の海から離れ、目の前の息子の様子だけに集中できる。その環境が、私のメンタルにはすごく良かったんです。日本にいると、どうしても「人の目」が気になりがち。たとえば児童館。おもちゃを片付け忘れていないか、ヨダレを拭き取ったか……。みんなが快適に利用できるような「整理整頓」や「細やかな気遣い」は日本の良さでもありますが、当時の私は「ちゃんとしているか、周りにチェックされているのでは……」と、勝手に“見えない視線”に怯えていたんです。しかし、ロンドンにはルールを強いる張り紙もなければ、監視するような視線もありません。誰の目も気にせず、ありのままの自分で息子と向き合う時間は、本来の自分を取り戻していくような、とても心地よい感覚でした。

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答え合わせはまだ先。自分に合ったペースで

そうして帰国後の私は、いい意味で「無理をしない」ようになりました。周りの良いところは参考にしつつ、自分に合ったものだけを取り入れる。そんなしなやかな考え方に変わった気がします。また、体力と行動力も格段に上がりました。「電車に乗ればどこにでも行けるし、20~30分なら歩ける!」という自信がついたおかげで、日本でも息子と遊びに行く場所が無限にあることに気づけたんです。ロンドンで育んだママ友たちとの縁はもちろん、日本でも新しいママ友の輪が広がり、自分一人ではたどり着けなかった情報にも出会えるようになりました。夫から「ついてきてほしい」と言われた当初、行けない理由ばかり探していた私ですが、今なら「本当に行ってよかった!」と断言できます。家族で同じ景色を見て、同じ価値観を共有し、「あのとき、ああだったよね」と一生笑い合える思い出ができたことは、これからの人生においてなによりの宝物です。時差ボケのダメージは想像以上だったので、今すぐとはいきませんが(笑)。息子がもう少し大きくなったら、絶対にまたあの思い出の街へ家族で訪れたいです。今回はここまで。次回もお楽しみに。山崎夕貴

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www.youtube.com▼連載一覧はこちらフジテレビアナウンサー山崎夕貴の「ポップな日々」【Profile】山崎夕貴1987年生まれ。岡山県出身。フジテレビアナウンサー。2012年より『ノンストップ!』、その後『とくダネ!』のMCを務め、朝の帯の情報番組を約9年続ける。昨年は情報&Lifeエンターテインメント番組『ポップUP!』の進行MCを務めた。2023年2月から『Mr.サンデー』MCを担当。2018年、芸人・おばたのお兄さんと結婚、2023年8月に第一子を出産。※山崎さんの「崎」は正しくは「たつさき」カーキワンピース/WILLFULLY 黒ブーツ/mirem撮影/井上ユリ スタイリスト/奥崎千裕 取材・文・構成/岩崎幸

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