1. トップ
  2. 「夫とのキスが気持ち悪い」「欠点しか見えなくなった」→レス夫への嫌悪が加速…不倫を“正当化”する妻が危うい【作者に聞く】

「夫とのキスが気持ち悪い」「欠点しか見えなくなった」→レス夫への嫌悪が加速…不倫を“正当化”する妻が危うい【作者に聞く】

  • 2026.4.10
夫以外の人を好きになったことに対する戸惑いやためらい、罪悪感、そしてそれでも抑えきれない気持ちを無視できないハル。 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
夫以外の人を好きになったことに対する戸惑いやためらい、罪悪感、そしてそれでも抑えきれない気持ちを無視できないハル。 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA

「行き遅れたくない」という焦りから、条件のよさを優先して結婚を決めたハル。しかし、夫の転勤を機に縁もゆかりもない土地へ移り住んだことで、夫婦の関係は少しずつきしみ始める。結婚3年目、1年以上続くレス状態のなかで孤独を募らせたハルは、パート先で出会った年下の大学院生に心を揺らしていく。

打算で始まった結婚が、静かにひび割れていく

プロローグ01 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ01 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ02 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ02 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ03 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ03 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA

漫画家・ただっち(@tadatsuchi5555)さんが描く『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』は、夫婦関係の冷え込みと、その隙間に入り込む“別の好意”を生々しく描いた作品である。家政婦のように扱われる日々、噛み合わない会話、埋まらない孤独。そうした積み重ねが、ハルの心をじわじわと追い詰めていく。派手な事件が起こるわけではないのに、気づけば取り返しのつかない方向へ転がっていく感じが、この作品の厄介でおもしろいところだ。

「不倫」を肯定せず、人間の弱さと自己正当化を描いた

本作は、編集者から「不倫」をテーマにした漫画の依頼を受けたことがきっかけで生まれたという。ただっちさんは、「人間が一人の相手だけを永遠に愛し続けるのは、本能的に難しいのではないか」という疑問をもともと抱いていたそうだ。

もちろん、不倫を肯定したいわけではない。それでも、「ダメだとわかっているのに踏み出してしまう」「都合よく自分を正当化してしまう」といった、人の泥くさくて弱い部分を描きたかったと明かしている。その視点があるからこそ、本作は単なる“恋愛の暴走”では終わらず、読者の胸に嫌なリアルを残してくる。

不倫相手を美化し、夫の欠点だけが膨らんでいく

作中で印象的なのは、ハルの感情がきれいごとでは済まされない形で変化していく点だ。相手に惹かれれば惹かれるほど、「優しい」「わかってくれる」と相手を都合よく神格化していく一方で、夫に対しては「キスが気持ち悪い」「欠点ばかり目につく」と嫌悪が増幅していく。その落差はあまりにも身勝手だが、だからこそ妙にリアルでもある。

さらに、自分が既婚者であることを隠し続けるのも、「嫌われたくない」「この居心地のいい関係を壊したくない」という保身ゆえ。恋に酔っているというより、寂しさと自己保身が生んだ“感情の暴走”がむき出しになっている。

読む人によって「最低」と「わかる」が真っ二つに分かれる

ただっちさんによると、本作の感想は「絶対にあり得ない」という拒絶と、「気持ちが痛いほどわかる」という共感に大きく分かれるのだという。その振れ幅の大きさこそ、この作品の強さでもある。誰の視点で読むか、どんな経験をしてきたかによって、ハルが“ただの最低な人”にも“追い詰められた人”にも見えてくるからだ。

読後にモヤモヤが残るのに、つい他人の感想まで読みたくなる。そんな“感情ざわつかせ系”の一作である。なお、同シリーズの新刊『夫がいても誰かを好きになっていいですか?〜コンビニで見つけた私の恋〜』も発売中だ。

取材協力:ただっちさん(@tadatsuchi5555)

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

元記事で読む
の記事をもっとみる