1. トップ
  2. 恋愛
  3. ひろゆき「いい人でいるコスト、高すぎません?」人生をハードモードにしない“休む技術”【インタビュー前編】

ひろゆき「いい人でいるコスト、高すぎません?」人生をハードモードにしない“休む技術”【インタビュー前編】

  • 2026.4.9

この記事の画像を見る

「休む時間がない」と感じている人ほど、実は休み方を知らないのかもしれない。

忙しさが当たり前になった現代社会で、私たちはどうすれば上手に心と体を回復させ、賢く生きていくことができるのか。

『僕が忙しい現代人に伝えたい 休む技術』(Gakken)の著者・ひろゆきさんに、効率よく休むための考え方や、無理なく実践できる“休み方のコツ”について話を聞いた。

僕が忙しい現代人に伝えたい休む技術 ひろゆき / Gakken
僕が忙しい現代人に伝えたい休む技術 ひろゆき / Gakken

――休む技術とは、休む勇気、休む覚悟に近いと本書に書かれています。その一歩が踏み出せない人は、まずはどんなことから始めればいいか、あるいはどんなことに留意すればいいでしょう?

ひろゆきさん(以下、ひろゆき):体調が悪いから飲み会をさぼるとか年賀状を書かないとか、それくらいのことから始めればいいと思います。何かをするってエネルギーが必要じゃないですか。ということは、何かをしなくなれば、その分だけエネルギーを使わなくなる。‟しないもの”‟しないこと”を増やしていくという意識を持つことが大切ではないかと。「ダラダラ生きる人生に価値なし」みたいなマッチョな考え方に染まって生きるのは、人生をわざわざハードモードに設定しているようにしか見えない。

――日本人の有休取得率は66.9%(※)というデータもあります。年々取得率は上がってきているものの、いまだに休むことに罪悪感を覚える人も少なくありません。ひろゆきさんは、なぜ日本人は休むことに罪悪感を覚えると思いますか?

(※令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況より)

ひろゆき:休むことに限った話ではなくて、日本人って偉い人が決めたルールや、偉い人に忖度した方が良いことがあるんだろうと思いがちなところがありますよね。僕が暮らしているフランスをはじめ欧米では、雇われているとはいっても、偉い人や上司とは人間として対等であるという考え方。ところが日本では、「偉い人に雇ってもらっていただいているので、ご機嫌を損ねないようにしなければならない」という考え方がそもそもあるような気がします。それに、根本的な考え方としてフランスではバカンスの時期に1カ月ほど休むのですが、極端な話、1カ月間休むために残りの11カ月を働いているという考え方なんですよ。「休まないんだったら、なんで働いてるの?」みたいな感覚がある。

――休むことを前提にしているところがあると。

ひろゆき:休みもそうだし、家族と楽しい時間を過ごすとか、恋人と美味しいものを食べるとか、人生を楽しむために仕方なく仕事をしている。人生を楽しむということが、仕事によって影響を受けるんだったら、「それって仕事を変えた方がいいよね」という考え方になるんですよ。

――本書の中でも、「自分にとって一番大切なものに集中して、残りの9割は捨てる」と提言されています。自分が楽しかったり幸せを感じられたりすることを増やしていく=休むために大切なプロセスになるわけですね。

ひろゆき:欧米の人たちって、基本的には自分がやってることは正しいと思っている人たちなので(笑)。もう一つ言うなら、フランスやドイツの若者は30歳手前くらいに差しかかると自分の今後のキャリアがほぼ確定します。日本よりもはるかに厳しい学歴社会が存在するので、高卒の作業員で30歳となると、どれだけ優秀でもそこから管理職に抜擢されることはないんですよ。大半の若者はその現実を受け入れ、高望みをすることなく、身の丈に合った「自分の幸せ」を追求することになります。それって諦観といったものではなく、だったら自分なりに楽しく暮らす人生を探した方が幸せじゃない? という考え方。日本だと、「良い大学に行くことができず大企業に就職できなかった」といったマイナスのとらえ方をしがちですけど、彼らは叶わなかったことを嘆くのではなく、今は今で楽しい生き方があると考えるわけです。「暮らせる分の給料は稼げているし、家族と過ごして楽しいから、こっちの人生の方がいいよね」って。

――たしかに、日本にも「足るを知る者は富む」という素晴らしい言葉がありますよね。

ひろゆき:例えば、僕は45歳くらいまで車を買ったことがなかった。都心にいればあらゆる公共交通機関があるわけですから。子どもができて家族が増えていくとかならまだ分かるんですけど、そうじゃない人が「車が欲しい」みたいなことを言うと、本当に必要なの? って思ってしまう。カーシェアなら駐車場代や自動車保険といったランニングコストもかからないのに、「所有していることがかっこいい」といった理由から車を買う人がいる。つまり、概念に対してお金を払っているわけですよね。その分無駄な出費は増えるし、背伸びをしているから疲れません? って思うんですね。

――概念に対してお金を払うことをやめるだけで、少し肩が軽くなる気がします(笑)。

ひろゆき:インスタなどでキラキラしている人を見ると、自分もそうありたいと思い込んじゃう人って少なくないと思います。特に、同世代の人がキラキラしているとなおさらそう思ってしまう。例えば、「この服を買ったらモテる」とか、「このカバンを買ったら人気者になれる」とか考えるわけです。実際、買ってみて劇的に何かが変わったか? っていうと、何も変わらない。2回もやればそのことに気がつくと思うんだけど、気づかないまま同じことを繰り返す。ヨーロッパの人って、割と反資本主義的な思想の人……学生にもそうした傾向があって、ひたすら消費していく社会を継続するのはいかがなものかと考える人が多い。一方、日本の場合は、資本主義的なものをそのまま受け入れて、お金を払うのが当たり前と思っている人が多い。

――ひろゆきさんは、「虚栄心を捨てる」ことも休む技術だと付言されていますよね。

ひろゆき:見栄を張って得をしている人ってあんまり見たことないですから。‟分相応”を理解するだけで、無駄なものって減らせます。「何十万円もするようなバッグを持つのが当然だよね」って思うのであれば、それを満たせるくらいの経済力を持っていないといけない。それがないにもかかわらず、そのバッグをローンを組んでまで買うということは、自分が無理をしていることが分かるはず。これって、無理をして“いい人”を演じようとしている人にも言えることで、「いい人で居続けるためのコスト」って、あまりに高すぎませんか?(笑) もっと言えば、「あの人は何を言っても断らない」「あの人はいつもニコニコしている」と思われている人は、単に便利に使われているだけの可能性がある。概念に対してお金や気を遣うって、もったいないと思うんですよ。

――背伸びをしてしまう人は、自分と誰かを比べてしまう節があると思うんですね。隣の芝生をのぞいてしまいがちな人にアドバイスを送るとしたら、どんなことでしょう?

ひろゆき:自分を他人と比べること自体は、悪いことだと思っていないんですよ。他人と比べないで生きていける人って社会にあまりいないので。ただ、他人と比べてもいいけど、優先順位の置き方に問題があると思っていて。仮に、勤務時間がめちゃめちゃ長い人がいて自分よりも稼ぎがいい――そういう人がいたとする。比較すると、自分の方が時間も稼ぎも少ないと気づいた。だからといって、「あの人に負けないくらい自分も同じだけ働かなければならない」と考えるかは、別の話じゃないですか。比較して、「この人は自分よりも働いている時間が長い。だから稼ぎも多いんだ」で終わりでいいと思うんです。違うということを認識できたらおしまいでいいじゃんって。

――なるほど。比較したときに、自分と地続きで続けてしまう人は多い気がします。句読点で言うと、「。」で終わらせるべきところを、「、」にしてわざわざ自分事にしてしまうではないですが。

ひろゆき:大谷翔平さんと比較して、そんなことを思います? って話ですよね。大谷翔平さんのやっていることと自分をごっちゃにしないように、周りの同僚や友人の仕事やライフスタイルを、自分とごっちゃにする必要はない(笑)。

――本書を読むと、“休むこと”は、“がんばりすぎないこと”とニアリーイコールだと分かります。そして、「自分の生活の解像度を上げる」=「毎日を丁寧に生きる」ことだとも触れています。ひろゆきさんがしている生活の解像度を上げる工夫を挙げるとしたら、どんなことでしょう?

ひろゆき:う~ん、自炊をするとかになるんじゃないですかね。限られた時間で作りたい料理を作ろうと思ったとき、自炊っていろいろと考えるんですよ。お湯を沸かしている間に、何の下ごしらえをしたらいいかとか、頭の中で段取りを組んで、その通りに体を動かして、調理をして、盛り付けをする――その工程が自分の想像した通りにできるかというのを確認しているというか。

――まん然とするのではなくて、意味を考えながら動くと。

ひろゆき:鶏肉をさばくことに5分は必要かなと思っていたら、10分もかかってしまい、とっくにお湯は沸騰している。この状況だったら、次に何をするのがベターだろうかってプランを組み直す。割とプロジェクトの組み方と通ずるところがあって。Aさんの作業がこれくらいで終わるだろうと想定していても、必ずしもそうとは限らない。その場合、どう修正していくかなど、似ているんですよね。自炊を通じて、「自分で組み立てる」とか「物事を考える」ということを意識しているところがありますね。

取材・文=我妻弘崇

元記事で読む
の記事をもっとみる