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「坂東さん」、バチェラー&バチェロレッテを卒業!「1ミリも動かない」ポーカーフェイスの裏側と、最新作で引退を確信した“我を忘れた瞬間”

  • 2026.4.8

2017年の配信開始以来、日本の恋愛リアリティ番組の金字塔として愛されてきた『バチェラー・ジャパン』『バチェロレッテ・ジャパン』。その旅を一貫して見守ってきた司会進行役・坂東工さんが、最新シーズンをもって番組から卒業することが発表された。約10年にわたりシリーズの顔として存在し続けた彼は、なぜ今、去ることを決めたのか。ポーカーフェイスの裏側で見つめてきたものとは。勇退を決意した理由と、坂東さんだからこそ知る舞台裏を聞いた。

「我を忘れるほど感極まった」卒業を決意した真実

――長年務められた『バチェラー』シリーズの案内役、本当にお疲れ様でした。卒業されるにあたって、今のお気持ちはいかがですか?

坂東 工(以下、坂東) ありがとうございます。「いつかこんな日が来るのでは」という予感は、実は毎シーズン終わるごとにどこかで抱いていました。でも最新シリーズ『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4の最後のローズセレモニーで、バチェロレッテが私の待つ教会に現れた瞬間、今まで感じたことのない感覚に襲われたんです。役割としての「坂東さん」を忘れ、一人の人間として我を忘れるという感覚が一瞬訪れました。

――それは、どのような感覚だったのでしょう?

坂東 「我を忘れる」くらいですから、言葉にできないくらい感極まった感じです。これまでも参加者たちの旅のエピソードに感動することは多々ありました。でも今回は、自分が見たかった光景やこの旅の意味に触れた感じがしたんです。その瞬間に、「完了した」と腑に落ちました。自己満足ではなく、「あ、ここだったんだ」という点が打たれたような感覚になり、「ここでバトンを渡そう」と決意しました。決めてからは大きな肩の荷が下りたのと同時に、これまでの旅に対する深い感謝が湧き上がってきましたね。

2026年5月1日(金) 20時より独占配信開始される最新作『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4

「作ったら負け」坂東工が貫いたナビゲーター像

――2017年バチェラー・ジャパンシーズン1開始当初、「坂東さん」という存在がこれから続くシリーズのアイコンになると予想していましたか?

坂東 全くしていませんでした。当初は「バチェラーの良き相談相手になってほしい」というオーダーがありました。それが回を重ねるごとに、とどこおりなく旅を進行しながら何かが起きたときに駆けつけていく……という存在になり、「執事」みたいな役割へと変容していきましたね。

――立ち振る舞いや感情を抑えたトーンで話される姿は、独特な魅力があります。

坂東 この番組には台本が一切ありません。想定されることをなぞるわけではなく、即興芝居ともまた違います。だからこそ、自分の中では「作ったら負けだ」と思っていました。目の前で起きていることをすべて受け止め、その場で何を出せるか。その極限のリアルさが、あの役割を形作っていったのだと思います。

――番組内では、参加者との距離感が非常に絶妙です。あえて踏み込まない、その「線引き」にどんなこだわりがありましたか?

坂東 「感情移入しないこと」が大前提でした。そのうえで、僕が彼らの旅に干渉することも絶対にしてはいけない。これを自分に対して戒めていました。決断や選択はあくまで彼ら彼女たちの意思によるものですから、それを邪魔してはいけない、と。

――そうは言っても、口を出したくなることがあったのではないですか?

坂東 生来僕はそっちのほうなんですよ。もともとは誰かをエンターテインしたくて、いらないことを言ってしまうタイプですから(笑)。でも、それは極力排除しましたね。僕の言動が、この旅の“何か”になってはいけない。彼らの心の拠り所になってもいけないと思っていました。

――配信でわかる場面以外での参加者と交流も、一切ないのでしょうか?

坂東 本当に一切ないんです。もし参加者から「どうしたらいいですか?」と聞かれることがあったとしても、「うーん、どう思います?」と聞き返すようにしていました。僕がルールを決めるのではなく、彼ら自身が選択することを促したかったですからね。

――主人公がこの先も一緒に旅を続けたい相手を選ぶ「ローズセレモニー」では、坂東さんがバチェラー・バチェロレッテと一番近くにいます。あのとき、どんなことを考えているんですか?

坂東 僕自身は、“無”でいられるように努めています。視線一つでも動かさないようにしているんですよ。

――視線にも気を配っている?!

坂東 というのも、勘のいい人や既にローズを受け取って精神的に余裕がある人のなかには、「坂東さんがチラッと見たあの人が、次にローズをもらうのかも」などと勘繰れる人もいるんです。そういうことがないように、1ミリも動かないように徹していました。

――ということは、坂東さんも「次はあの人に渡すのではないか」という予想をされることがあると?

坂東 僕も人間ですからね、その想像は止められません(笑)。ですが、それは敢えてせずにフラットにいるように努めています。ローズセレモニーまでにいろいろなデートがあって、そこであった出来事を思い返すことはあったとしても、誰が受け取るとか受け取らないとかっていうことは、邪推に過ぎないとさえ思っていますね。

――「主人公は参加者である」という思いへの揺るぎなさが伝わってきます。

坂東 僕はオムライスの横に添えられているパセリみたいなものだと思っています。それがないと「彩り的に、どうかな?」と少しだけ思われるくらいの役割です。主張せず、若干の苦味があるぐらいのものだと思っていますから。

ローズセレモニーの裏側で起きていたこと

――坂東さんしか知らない、ローズセレモニーの裏側について教えてください。

坂東 画面越しでは伝わりにくいかもしれませんが、ファイナルローズを渡すときのバチェラー・バチェロレッテたちの緊張は尋常ではありません。手がブルブルと震えて、ローズが揺れていることも少なくないんです。2代目バチェロレッテ・尾﨑美紀さんのように、一度間を置いて自分のタイミングを取る方もいらっしゃいましたね。

――あの場では、坂東さんが尾﨑さんにハンカチを差し出したシーンも記憶に残っています。

坂東 あの行動は、水の入ったグラスが倒れたら拭くのと同じで、反射的に出た行動でしたから、僕にとっては特別なことではありませんでした。ですがそれ以降、旅に参加する男性陣がハンカチを携帯するようになったのは面白い変化でしたね(笑)。

――坂東さんの印象的なシーンとしては、バチェラー・バチェロレッテと話せるチャンスであるカクテルパーティーの終わりを告げる“非情なベル”を鳴らすというのがあります。

坂東 苦渋に感じながら、ベルを鳴らしていましたよ(笑)。この旅は人生と同じで、「限られた時間の中で、何ができるか」だと思うんです。だから非情と思われたとしてもベルを鳴らします。ただ、たまに「延長をしたい」という参加者がいらっしゃることもあったんですよね。

――確かその後、坂東さんがバチェラー・バチェロレッテに「どうしますか?」と聞いていましたよね。台本がないなかで、坂東さんが現場で判断しなければならないこともあったのでしょうか?

坂東 ありました。バチェラー・バチェロレッテに聞いて「延長したい」ということであれば、少しのエキストラタイムを設けて対処しましたね。現場の判断でそうしていました。

――これまでの全シーズンを振り返って、特に印象に残っている出来事はありますか?

坂東 その質問に答えるのは本当に難しいですね。どのシーズンも「想定なんてできるわけない」ということばかり起こっていましたから。ただ、番組のダイナミズムが大きく変わったと感じたのは、黄皓さんが主人公だった『バチェラー・ジャパン』シーズン4だったと思います。リタイアする参加女性が出たり、バチェラーと参加女性との身体的接触も増えたりして、「ここまで行くんだ」というところで、ある意味“極地”だったと思います。

――シーズン4は視聴者からの反響も大きく伸びたシーズンだったと記憶しています。

坂東 このシーズン以降、参加者ならびにバチェラー・バチェロレッテが、この旅で自分の在り方を研ぎ澄ましていくようになりました。そういう意味で分岐点になったシーズンだったのではないかという感じがしています。印象に残っているとすれば、そのダイナミズムがあった『バチェラー・ジャパン』シーズン4ですね。

「見守る」ことで変わった人生

――バチェラー・バチェロレッテは、主人公に選ばれた時からその役割として完成されているものなのでしょうか?それとも旅の中で変わっていくものですか?

坂東 みなさん最初は緊張やワクワクを抱えて参加されますが、旅が進むにつれて基本的に心が傷ついていくんですよ。人が減っていく分、その重みが増していき、選択に対する責任や強い意志が求められるようになる。その過程で、だんだんとバチェラー・バチェロレッテになっていくのだと思います。

――“傷つく”という表現が印象的です。

坂東 人と出会って別れるときって、誰でもそうですよね。たとえ短い期間でも人生が重なった相手との関係を終わらせる。それはやっぱり、傷つくことなんだと思います。

――この旅を通じて、坂東さん自身の価値観に変化はありましたか?

坂東 実は僕、もともとは「我が、我が」というタイプだったんです。それこそ「他人が幸せでも、自分が幸せでなければ意味がない」とさえ考えていました。

――穏やかなイメージからは想像もつきません。

坂東 そのような人間だった自分が、この番組で「見守る」ことの究極を突き詰め、他人の幸せを我が事のように喜べるようになったんです。自分の幸せに執着するのではなく、誰かの幸せを祈ることが自分の幸せに繋がる。恋愛観というより、人生観そのものを教えてもらった旅でした。大いなる財産をいただいたと思っています。

――「坂東さん」という大きな役割を終え、これからどのような道を歩まれるのでしょうか?

坂東 よく「肩書きは何ですか?」と聞かれますが、自分でも分かりません(笑)。でも僕のスタンスは一貫していて、「求められていることをやる」だけなんです。俳優、アート、ナレーション、ディレクター、プロデュース……。一つのことを極めることにはあまり興味がなくて、常に新しい自分を開拓していたいと思っています。

――特定の枠に収まらずに、前に進んでいかれるのですね。

坂東 48歳にして、まだ自分探しをしているような感覚ですよ。でも、それでいい。卒業しても、一視聴者としてこのシリーズは応援し続けます。彼らを応援することは、結果として自分自身の人生を応援することにも繋がると思うんです。

(了)

Profile/坂東 工(ばんどう・たくみ)
1977年7月25日生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部を卒業後、渡米し、2007年に帰国。映画『ディパーテッド』や、映画『硫黄島からの手紙』、日米豪合作映画『レインフォール』などに出演。2011年、アート活動を開始。Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1(2017年)から『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4(2026年)まで、シリーズの司会進行役を務めた。俳優のみならず、アーティストとしても活動し、“見えないものを描く”表現を軸に作品制作・ライブペインティングを行っている。Instagram:@takumimoriyabando

『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4/2026年5月1日(金) 20時より独占配信開始

話数:全9話
5月1日(金)20時 第1話-第4話 配信開始
5月8日(金)20時 第5話-第7話 配信開始
5月15日(金)20時 第8話-第9話 配信開始
製作:Amazon
©2026 Warner Bros. International Television Production Limited. All Rights Reserved.

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