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「何をやっても手につかない」「このままずっと働けなかったら」うつ病の作者の“生きる理由”になったのは、可愛くてふわふわのハムスター【著者インタビュー】

  • 2026.4.7

【漫画】本編を読む

自分は何のために生きているのだろう、と悩むとき。すぐそばに、大好きな存在がいてくれたなら…。『君のためなら生きてもいいかな ハムスターのうにさんと私』(松村生活/KADOKAWA)は、うつ、線維筋痛症、メニエール病など様々な病を患い、休職して心が折れていた「私」が主人公。「私」がハムスターの「うにさん」と出会い、共に過ごす中で生きる力をすこしずつ取り戻していく。

うにさんの可愛さに癒され、うにさんに背中を押される「私」に共感する声が止まない感動のコミックエッセイだ。そんな本作の著者・松村生活さんに、約3年にわたるうにさんとの生活を振り返りながら、ご自身の病気のことや現在の心境などについて語ってもらった。

——さまざまなことが手につかなくなり苦しい中でも、「でも今はうにさんがいるから…」と葛藤する場面は、本作のテーマを映し出したようなエピソードでした。

松村生活さん(以下、松村):死ぬのはきっと大変だけど簡単で、でも一回きりの死だから大事にしたいですよね。死ぬ理由はすぐ見つかっても、生きる理由はうつのときほど隠れていますから、つい一回きりの死に手を出そうとしてしまうんです。

うにさんは毎晩、巣から出てきてくれました。「生きる理由」が自分から顔を出してくれるなんて、そんなありがたいことはないです。うにさんは「可愛くてふわふわの生きる理由」でした。

——病気の症状など、松村さんと同じ苦悩を抱えるたくさんの人たちもこの漫画を読んでいると思います。

松村:今は部屋にルームメイトと鳥4羽がいますが、やっぱり「死んでる場合じゃねぇぞ」と思うし、「戦争を起こすわけにもいかねぇぞ」と思います。自分の勝手で飼ったなら、自分の勝手で手放せないなって。

“ドうつ”のときは別として「まず自分が助からないと、こやつを助けられない」という存在があると、なかなか死に手を出せません。ただ現実的には、“ドうつ”のときはお医者さんに相談したほうがいいと思います。他者の存在だけでうつが治ったら苦労しないので。

——もともとひとりが好きだから放っておいて、というタイプだった松村さんに、「ひとりじゃなくても楽しいよ」と教えてくれたのはうにさんだったそうですね。孤独からうまく抜け出す方法はありますか?

松村:今でもひとりが好きで、そこまで周りに人がいるタイプではないと思います。同居人もひとりが好きなタイプ。ひとりが好きな者同士でつながると楽しいかもしれませんね。

うにさんは、コミュニケーションについてだいぶ教えてくれました。今では接客業のバイトができるようになりました。「孤独」は必ずしも不幸ではありませんが、まあまあ不便なので、公的機関でもいいので、困ったときに頼れる場所が複数あると安心かもしれません。

取材・文=吉田あき

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