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まさか男の子が性被害に遭うなんて…思い込みが被害を見落とす壁になる。子どものSOSを見逃さないために親必読のセミフィクション【書評】

  • 2026.4.7

【漫画】本編を読む

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

『性被害のせいで、息子が不登校になりました』(あらいぴろよ:著、斉藤章佳:監修、飛田桂:取材協力/KADOKAWA)は、性被害と親の思い込みによって平穏な日常を奪われた家族の苦闘を描いたセミフィクションだ。

元気で活発だった小学3年生の息子・勇が、ある日突然学校に行かなくなった。母の英子は理由がさっぱり分からず、学校や周囲に聞き回るが手がかりはないまま時間だけが過ぎていく。そんななか、警察から一本の電話がかかってくる。「息子さんが、近所で起きた性犯罪事件に関係している可能性があります」。そう告げられ英子は大きな衝撃を受ける。まさか「男の子」の我が子が性被害に遭うなんて――。勝手に抱いていた「そんなことあるわけがない」という英子の思い込みが音を立てて崩れていく。

本作は、そんな思い込みが被害を見落とす大きな壁になっていることを指摘している。性別や年齢に関係なく起こるという現実。勇が急におねしょをしたり、父親に触れられただけで強い拒絶反応を見せたりする場面は、あとになって振り返ると明確なSOSだったと英子は気づかされるのだ。

また、作品全体を通じて「見えない痛み」にどう向き合うべきか、親としてどう支えればよいのかという問いにも答えを見出そうとしている。性犯罪、性被害という絶対に見過ごしてはならないテーマを扱うために専門家である医師と弁護士の監修を入れ、取材に基づいたリアルな描写に終始することで、単なるドラマではない教えがある。

もし自分が守るべき人が被害に遭ってしまったらどうするべきなのかと自問せずにはいられなくなる。自分の常識だけで線引きはせず、そしてどんなに些細なことであっても子どもの変化を見落とさないよう、本作を通じて全ての親世代が知ってほしい。

文=つぼ子

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