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苦手な人をモンスター化させないコツは?心がラクになる接し方を小林弘幸先生が解説

  • 2026.4.4

苦手な人をモンスター化させないコツは?心がラクになる接し方を小林弘幸先生が解説

ストレスの9割は、「人間関係」とそこで繰り広げられるコミュニケーションが要因と言われます。実は、コミュニケーションのカギになるのは「自律神経」。心と自律神経がととのって人生が幸せになる、そんなコミュニケーション術を知っているといいですね。困った!ときの話し方・伝え方を、自律神経の名医 小林弘幸先生に教えていただきます。

不愉快な言葉を言われたら、少し抑揚をつけて空気を変える

NG
×「申し訳ないです……」

NICE
◎「ほんとうに、申し訳、ありませんっ」

●不愉快な言葉にはいさぎよさをプラスして、ポジティブ方向に変換
●抑揚をつけて言うとより効果的

普通の会話では、抑揚をつける必要はありません。抑揚のある言い方を意識するのは、一瞬で空気を変えたい、自分が劣勢な場面です。ミスを指摘されたり、交渉が不利な状態なときこそ、話し方に抑揚をつけてみましょう。

相手がカッとなってどなってきたら、「ほんとうに、申し訳、ありませんっ」というように、少し大げさに感情を込めて言ってみます。

少し離れたところから、相手と自分の表情を客観視することがポイント。入り込み過ぎると自分を見失って、自律神経のバランスが乱れます。

また怒りや羞恥心といったネガティブな感情から解放される手段としては、トラブルなどを脳内で24時間以内に、やや小さめな出来事に話を作り替えてしまう方法があります。脳内で自分に都合のよいストーリーに変換すると、ネガティブな視点でとらえていたものが、全く違って見えてきます。

でき上がったストーリーが感情を支配し、怒りやネガティブな感情は薄れていき、副交感神経の働きを向上させ冷静さがとり戻せます。

人の話を聞かない自己中さんには、まず相手にすべて話させる

NG
×「へえ~、でも私の場合はこうですよ」

NICE
◎「わあ、そんなことがあったんですね」

●まずは相手にすべて話をさせて、満足感を与える
●相手の話の感想を伝えてから自分の話に

自分の話ばかりを意気揚々と話し続け、ほかの人の話には全く興味がない上に、いつの間にか話題を横取りしてしまう自己中心的な人がいます。聞いている側は疲労困憊してしまい、ストレスを感じることになります。

こういう人はメンバーの中で年長者であることが多く、悪気などみじんもありません。むしろ、「自分の体験を話して人を喜ばせている」と自己満足しているのです。

コミュニケーションは自分と相手がいて成り立つものです。一人が話すだけでは、退屈になり、信頼関係は得にくくなります。むしろ、その場の聞き役の自律神経のバランスをくずすだけです。

自己中心的な人には、まず話したいことをすべて話させてしまいましょう。このとき面白くない話ならば、頭の中でスルーしてもよいので、簡単な相づちを打ちながらとりあえず一度は受け止めます。

その後、「私の話もいいかな」と言いながら、自己中さんの話にかぶせるように見せながら、自分の話を展開するのが、ベターなコミュニケーション術といえるでしょう。

苦手な相手こそ、積極的な声かけでモンスター化させない

NG
×「私にどうしろとお考えですか?」

NICE
◎「いろいろ教えていただけると助かります」

●苦手な相手にはあえて声をかけて、自分の中の苦手意識を小さくする
●話しかけできないときは、遠ざかる

職場など、毎日顔を合わせる場所に「苦手な人」がいると、それだけで自律神経が乱れてしまいます。

まずは「苦手な人」とはできる限り距離をおき、接触する時間を減らすという作戦です。ランチや飲み会など、その人がいる席には行かないようにし、関わりを減らします。

距離をとれないという人は、180度発想を変えて、積極的に関わる手も。もし仕事で関わる人ならば、どんどん話しかけるという荒療治を試みます。勇気を出して、「いろいろ教えていただけると助かります」といった具合に、積極的に質問やお願いをして意見を仰ぐのです。

苦手な人と接する時間を短くすると、苦手意識となって、自分の中のモヤモヤで相手をモンスターと思い込んでしまいます。苦手モンスターが巨大化するほどに、ストレスも増大するのです。

しかし「苦手な人」に接してみると、相手は想像ほどのモンスターではなく、性格が合わないだけとわかります。本来の姿を知り、関係改善ができるかもしれません。

まずは、自分自身の心を整える

漠然とした不安が頭から離れない、どうにもやる気が起きない、幸せを感じられない……などというときは、自律神経のバランスがくずれています。

コロナウイルスの広がりにより、日常生活に「規制」や「制限」をかけられていた3年間は、記憶に新しいところ。

「特に体の不調はないが、好調というわけでもない」「落ち込んではいないが、行動的な気分にはならない」という人は、増えています。みんな漠然とした不安や怒り、イライラを抱えているわけです。こんな生活では幸せを感じられませんし、自律神経によい影響を与えるわけはありません。

この状態のまま、仕事仲間や家族、SNSにストレスを吐き出しても、倍のストレスになって戻ってくるだけでいいことは望めません。まずは、自分の心を整えて余裕をもつところから始めましょう。

交感神経が優位なバランスで心に余裕がないと、普段なら気にならない話し相手の言動にカチンときたり、行動にイライラしてつい攻撃的になってしまいがちです。また副交感神経が優位な状態で集中力を欠いていれば相手をイラつかせたり、大事な用件を聞きもらしてしまうかもしれません。

余計なギスギスが生まれてしまうのは、自分自身の準備が足りなかったと考えてみください。なんだか腹が立つことがあっても自律神経が安定しているときに思い出してみれば、自分や相手に余裕がなかったのだな、と許せるようになります。

他人の言葉はコントロールできませんが、自分自身の受け入れ態勢を準備すれば、与えられるストレスは大きく減ります。誰もが余裕をなくしている時代だからこそ、自ら心の器を大きくしておくことが、円満な人間関係を築いてお互いに幸せに過ごすために必要になると考えられます。

PROFILE
小林弘幸先生
こばやし・ひろゆき●順天堂大学医学部教授。自律神経研究の第一人者として、自律神経と腸を整える健康な心と体を提案。順天堂医院に日本初の便秘外来を開設し、「腸のスペシャリスト」として、多数のメディアで活躍。『上機嫌の習慣』『自律神経の名医が考案した ぜったい幸せになる話し方・伝え方』(ともに主婦の友社)好評発売中。

※この記事は「健康」2023年夏号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


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