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「え、ペットボトルが開かない⁉︎」それ、年のせいじゃないかも【フレイルの初期症状】今すぐセルフチェック!

  • 2026.4.4

「え、ペットボトルが開かない⁉︎」それ、年のせいじゃないかも【フレイルの初期症状】今すぐセルフチェック!

最近、「なんだか疲れやすい」「外に出るのがおっくう」——そんな変化、感じていませんか。もしかするとそれは、近年よく耳にする「フレイル」のサインかもしれません。今回は、国立長寿医療研究センター理事長特任補佐・鈴木隆雄さんに、「フレイルとは何か」「どう気づけばいいのか」を教えていただきました。「年のせい」と見過ごしがちな心や体の変化に、目を向けてみませんか。

そもそも「フレイル」って何?

フレイルという言葉を耳にする機会が増えてきた。だが、具体的にどういう状態を指すのか、きちんと理解している人はまだ少ないかもしれない。

老年医学のエキスパートである鈴木隆雄さんによると、フレイルとは「健康な状態」と「要介護・寝たきり」の間にある中間的な状態のことだ。

英語の「Frailty(虚弱)」を語源とし、年をとるにつれて筋力や食べる力、認知機能、気力といった心身のさまざまな能力が低下し、機能障害につながる一歩手前の状態を指す。

「フレイルの最大の特徴は、坂道の途中ならば、そこにとどまったり、少し戻ることもできるんです」

つまり、フレイルの段階で適切な対策を講ずれば、要介護に至るのを防ぐことができる。周りのサポートや生活習慣の改善、社会参加などによって、健康な状態に戻すことも可能なのだという。

加齢はフレイルの大きな要因ではあるけれど、80代・90代でも健康を保ち、自立している人は少なくない。年齢に関係なく、フレイル対策は有効だと鈴木さんは強調する。

どうすれば「フレイル」に気づける?

では、どうすればフレイルに気づけるのだろうか。

鈴木さんは「早めの気づきと対策」の重要性を繰り返す。

「たとえば、『同世代の友人に比べて歩くスピードが遅くなった』とか、フレイルの初期症状のサインは出ているのです。初期症状であれば、今のうちから対策できます」

老いの坂道を下ることは誰しも避けられない。

しかしできるだけ長く健康な状態を保つためには、フレイルの兆候に早く気づき、早く対策することが何よりも重要だという。

また、元気なうちから予防に取り組む姿勢も大切だ。

身体機能が落ちてからウォーキングや筋トレを始めても、なかなか続けられない人も少なくない。

習慣にするなら、まだ余裕のある今からのほうが、フレイルになる時期を遅らせることにつながると鈴木さんは言う。

「私はフレイル?」を確認する4つの方法

5項目のチェックリスト

フレイルは自分でも確認できる。

国立長寿医療研究センターが公開しているチェックリストによると、

「体重が2年間で5%以上減少した」
「何をするのにも面倒だと感じる」
「定期的な運動をしていない」
「普通歩行速度が毎秒1メートル未満」
「握力が男性26kg・女性18kg未満」

の5項目のうち、1つでも当てはまればフレイル予備軍、3つ以上であればフレイルの可能性がある。

「横断歩道」と「ペットボトルのふた」でチェック

日常でできる簡易チェックとして、鈴木さんが挙げるのが「横断歩道を青信号のうちに渡れるか」と「ペットボトルのふたを自力で開けられるか」の2点だ。

青信号の点灯時間は、人が1秒間に1メートル歩く速度で設定されている。

渡りきれなければ歩行速度の低下を疑うサインだ。

また、ペットボトルのふたが開けられなくなった場合は握力の低下が考えられる。

体重の50%より握力が低いと筋力低下のサインとなる目安だという。

「指輪っか」で今すぐチェック!

さらに、両手の親指と人さし指で輪っかを作り、ふくらはぎを囲む「指輪っかテスト」も、筋肉量を確認するための自己チェックとして有効だ。

輪っかとふくらはぎの間に隙間ができる場合は、筋肉量が低下しているサルコペニアの可能性がある。

鈴木さんは「もともとの体形による個体差があるので目安として」としながらも、「筋力の低下を自覚したら、自治体の健診や整形外科で筋肉量を測ることをおすすめします」とアドバイスする。

フレイルチェックの結果、可能性ありと感じた人は、社会参加・栄養・運動の3つの視点から、今日からできる対策を始めてみてほしい。今は問題ない人も、早めに健康な状態を維持する習慣を取り入れることが何よりの予防になる。

教えてくれた人

PROFILE
鈴木隆雄さん・国立長寿医療研究センター理事長特任補佐
すずき・たかお●1951年北海道生まれ。1982年東京大学大学院博士課程修了。都老人総合研究所副所長、国立長寿医療研究センター研究所長などを経て、2015年より現職。専門は老年医学、疫学、古病理学。2015年日本老年医学会尼子賞受賞。

イラスト/足立有加・ピクスタ

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