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J3高知ユナイテッド、Jリーグ参入の功労者・山本志穂美前社長が取締役を辞任…「私はJリーグの百年構想の考え方や方針が大好きです」

  • 2026.4.2

J3の高知ユナイテッドSCは3月31日、同日開催の取締役会において、取締役の山本志穂美氏が辞任したと発表した。

山本氏は同日の株主総会でいったん役員に選出されたものの、その後の取締役会で辞退を表明し、承認されたという。

山本氏はクラブ黎明期から関わり続けた人物で、もともとは選手寮の寮母として食事面など生活を支え、クラブを下支えしてきた存在。その後、財政難などからクラブの経営にも深く関与し、2024年には代表取締役社長に就任。地域密着型クラブとしての基盤づくりを進め、悲願であったJリーグ参入を実現させた立役者の一人とされる。

一方で、2025年には秋田豊元監督によるパワーハラスメント問題が発生し、任命責任を理由に社長辞任を表明。その後は取締役としてクラブに残っていたが、内部通報を受けた自身に関するハラスメント疑惑の調査や、組織運営上の課題も指摘されるなど、厳しい状況が続いていた。

今回の辞任理由について山本氏は、コメントの中で、昨年9月末の調査以降も役員会から行動制限を受け、事務所への立ち入りやスポンサー対応などの活動ができない状態が続いたことを挙げ、「役員としてクラブに貢献できない状況」と判断したと説明している。

以下は山本志穂美氏のコメント。

「高知ユナイテッドSCに関わる全ての皆様へ

いつも多大なる応援ありがとうございます。

私、山本志穂美は、本日の株主総会で役員に選出頂きましたが、次期役員をお引受けしない決断を致しました。最後まで悩み抜いた決断です。

これまで数年、代表として私の人生を賭けてこのクラブに尽力して参りましたが、昨年9月末より、ハラスメントが認定されなかった以降も長い間、役員会から行動規制指示があって思うように動けず、事務所への出入りが禁止され、株主の皆様やスポンサーの皆様へのご挨拶、営業活動もできずにいたことから、役員としてクラブに貢献できない状況であると判断致しました。

13年間このクラブのために、全身全霊をかけて生きて来ましたので、心に穴が開いた状態であり、「生きている意味さえないのでは」と自らを責めるような状況が続きました。

今後は、役員の立場から離れ、愛してやまないこのクラブの成長を筆頭株主として全力で応援して行きたいと思っております。皆様には状況を踏まえご理解頂きたく存じます。

思えば、前オーナーや前役員の思いも大切に背負い、悲願であった高知県民の元気の源となる「Jリーグクラブ」を皆様と共に誕生させられたことには、ほっと胸をなでおろすと共に、心からの感謝を申し上げたく存じます。

私はJリーグの百年構想の考え方や方針が大好きです。スポーツを楽しめる環境を作ること、サッカーやスポーツを通じて、社会の力になることを目指す。フェアで魅力的な試合を行うことで、地域の人々に夢と楽しみを提供する。

地域に根ざしたスポーツクラブを核に、地域課題の解決に取組み、長きにわたって愛される文化を創る。そんな高知ユナイテッドSCであってほしい。

皆様、今後とも高知ユナイテッドSCへの更なるご協力、応援を何卒よろしくお願い申し上げます。日々、高知のために戦い続ける選手たち・監督・スタッフ職員たちをどうぞ熱く応援して下さい。感謝を込めて。

子供たちには夢と目標を!高齢者には健康と元気を!

働き盛りの方々には楽しい週末を!若者には暮らしたくなる地域創りを!

地域には経済波及効果を!

高知一心

株式会社高知ユナイテッドSC 取締役 山本志穂美」

山本氏は、経営者としての顔に加え、現場に寄り添う“母”的存在としてクラブを支え続けてきた異色のリーダーでもあった。

今回の辞任により役員の立場からは退くものの、筆頭株主として引き続きクラブを支える姿勢を示しており、その動向は今後のクラブ運営にも影響を与えそうだ。

筆者:奥崎覚(編集部)

試合だけでなくユニフォーム、スパイク、スタジアム、ファン・サポーター、カルチャー、ビジネス、テクノロジーなどなど、サッカーの様々な面白さを発信します。現場好き。週末フットボーラー。

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