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ロイヤルエンフィールドの原点回帰|『クラシック650』で味わう本格派レトロ

  • 2026.4.1

英国に誕生し1901年からエンジン付き2輪車を製造している、世界最古のモーターサイクルブランドとして知られるロイヤルエンフィールドから最新作「クラシック650」が登場。国内メディア試乗会からケニー佐川がレポートする。

古き良き英国の薫りを現代に伝える正統派

英国に生まれ、現在はインド資本の下で大きな飛躍を続けるロイヤルエンフィールド(以下RE)。同社が最も得意とするのは中排気量クラスであり、このセグメントにおいて販売台数でも世界屈指のメーカーへと成長している。近年は英国とインドそれぞれにテクニカルセンターを開設し、時差を活用した24時間体制の研究開発を進めるなど、急速に品質と性能を高めている。そのREの主力は、350cc単気筒と650cc並列2気筒の二本柱。往年の英国車を彷彿とさせる伝統的スタイルが多いが、その中でも「クラシック650」はひときわレトロな薫りを放つ本格派だ。

エンジンは650cc空冷並列2気筒OHC4バルブを搭載し、最高出力47psを発揮。これは先行する「スーパーメテオ650」や「ショットガン650」と共通で、スチール製ダブルクレードルフレームも同じ骨格を持つ。異なるのは足まわりで、ホイールを前後19/18インチの大径タイプに変更。見た目どおり旧車を思わせる大らかな乗り味を再現している。ちなみにスーパーメテオ650は前後19/16インチでクルーザー的な安定性を重視し、ショットガン650は前後18/17インチとしてスポーティなハンドリングを狙う。もちろんライポジや車体寸法もそれぞれ異なるが、実績あるエンジンを共有しつつ、外観と走りで個性を際立たせる。こうした明快なモデル分けもまた、REの魅力である。

レトロに浸れる贅沢それでいて庶民的

むき出しの空冷エンジンにティアドロップ型タンク、太陽の下できらきら輝くクロームパーツ。細かい灯火類まで手を抜かず、とことんレトロに仕立てた姿は、まさに〝正統派クラシック〟。跨った瞬間から、その空気感に包まれてしまう。燃焼タイミングを不等間隔とした270度クランクが生み出す柔らかな鼓動は心地よく、4バルブ化で吹け上がりも軽やか。全域で扱いやすいトルクと、現代的に滑らかな6速ミッションの組み合わせで、街でもツーリングでも終始リラックスした気分で走れる。バイクに急かされることがないから、自然と景色や風を楽しむ余裕が生まれるのだ。

車重242㎏という数字だけ見ると重たそうだが、走り出せば不思議と大らかな安定感に変わる。スチール製ダブルクレードルフレームがもたらす安心感は絶大で、ハンドリングは軽やかだけど穏やか。大径ホイール特有の〝おっとり感〟はあるが、それこそがクラシック650の持ち味。ワイヤースポークや正立フォークのしなやかな動きも相まって、路面から伝わる感触はやさしい。ブレーキは必要十分に効いて、ABS付きだから不意の急ブレーキでも安心。フロントが弱めでリアが強めに効く印象があったが、試乗車は卸ろしたての新車だったので、もう少し距離を重ねて各部にアタリが出てくれば、また違った印象になる気もする。

今回は街乗り中心だったが、通勤・通学からツーリングまで幅広く対応できると感じた。そのうえで、空冷並列2気筒が奏でる英国車的な古風な味わいと、本格クラシックの外観を新品の現行車で楽しめるのは大きな魅力。そして決定打はプライス。最上級のブラッククローム仕様でも100万円を切る価格は驚異的だ。必要十分な装備と性能をしっかり押さえながら、この価格を実現しているのは本当に大きな魅力だ。なんでも値上がりが続く今の時代に、こうして庶民派ライダーの味方でいてくれる存在は心強いし、ちょっと嬉しくなる。

クラシック650

60年代英国車の雰囲気をまとった美しい佇まい。「世界最古のモーターサイクルブランド」という売り文句がまさにぴったりハマる

SPEC
●軸間距:-
●シート高:800mm
●車両重量:242kg
●エンジン形式:空冷
4スト並列2気筒SOHC4バルブ648cc
●最高出力:34.6kW(47PS)/7250rpm
●最大トルク:52.3N・m/5650rpm
●燃料タンク容量:14.8L
●タイヤサイズ:
F=100/90-19
R=140/70-18
●メーカー希望小売価格: ¥94万9,300円~¥99万8,800円(消費税10%込)

軽快で大らか、マイルドな鼓動感とトルクフルな走りが気持ちいい。ゆったり走るのもいいが、さすがは現代のマシン。その気になればコーナリングも楽しめる

カラーは全4色。メインカラーのブラッククロームの他、こちらのレッド、ブルー、グリーンを設定。それぞれ異なるグラフィックで個性を表現している

帽子のひさしを連想させるキャスケット付きLEDヘッドライト。ナセル左右には「タイガーアイ」と呼ばれるパイロットランプが付くなど、伝統的なデザインを強調

昔懐かしい機械式アナログ速度計に燃料残量や距離を表す小さな液晶ディスプレイを組み合わせたシンプルなコックピット。右下に簡易ナビの「トリッパー」を表示

滑らかな丸みが美しいクラシカルなティアドロップ型タンクは容量14.8リッターと十分な距離を走れそう。金色のピンストライプは、なんと職人による手作業だ

古き良き時代の英国車の伝統を受け継ぐ空冷並列2気筒を現代の技術で再現。4バルブ化やF I投入により、力強い回転フィールと最新の排ガス基準をクリアしている

レトロ感漂うワイヤースポークホイール。ブレーキは前後ともシングルディスクに片押し2ビストンキャリパーの組み合わせだが、普通に走るぶんには過不足ない効き具合だ

クロームメッキ仕上げが美しい、昔ながらのピーシュータースタイルの2本出しサイレンサーを採用。270度クランクによる不等間隔の鼓動を楽しませてくれる

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