1. トップ
  2. 「元妻への不満をSNSに発信」共同親権を望む父親を襲う“想定外の誤算”…弁護士が明かす「協力困難」と見なされる“判断基準”

「元妻への不満をSNSに発信」共同親権を望む父親を襲う“想定外の誤算”…弁護士が明かす「協力困難」と見なされる“判断基準”

  • 2026.4.28

ポッドキャスト番組『夫婦関係学ラジオ』は、夫婦関係研究家の鶴田敦彦さん(通称・アツさん)が、多彩なゲストとともに家事育児やキャリア、離婚など、夫婦のさまざまな葛藤をサバイブするためのナレッジを届ける番組です。

3月22日の配信回では、多治見ききょう法律事務所の所長で弁護士の木下貴子先生がゲストに登場。共同親権をテーマにした今回の配信では、リスナーから寄せられた3つの質問にも回答しました。

過去の暴言は争点になるのか、子どもが「会いたくない」と言っている場合はどうなるのか、まず何から始めるべきなのか…共同親権を考えるうえで気になるリアルな疑問に、弁護士の視点から答えています。

過去の暴言や威圧的な言動も「争点」になりうる

undefined
(C)夫婦関学ラジオ

1つ目の質問は、「過去に夫側から威圧的な言動(暴言や壁を殴るなど)があった場合、共同親権の判断において争点になるか」というものです。

これに対し、木下先生は「身体的な暴力だけではなく、精神的な言動も考慮の対象になります」と明言しました。共同親権を認めるかどうかの判断では、「父母が協力して親権を行使できるか」が重要な基準になります。過去の言動によって相手の心の傷が残っている場合、「協力して共同行使ができる関係」とは認められにくいようです。

もちろん、過去に心を傷つけるような言動があったからといって、すべてのケースで共同親権が認められないわけではありません。しかし、相手の傷つきが残っている限り、共同親権が「子の利益」になると判断されるのは難しいと言えそうです。

※2026年4月施行の改正により、DVや虐待がある場合は家庭裁判所が必ず単独親権と定められます。

子どもが「会いたくない」と言っている場合、その意思はどう扱われるか

undefined
※Google Geminiにて作成(イメージ)

2つ目の質問は、「小学生と中学生の子どもが父親との関わりを拒否している場合、共同親権の判断において子どもの意向はどの程度重視されるか」というものです。あわせて、「その背景に監護親(同居している親)の影響がある可能性は考慮されるのか」という点も問われました。

木下先生によると、子どもの意見は「子の利益」を判断する要素の一つとして考慮されるとのこと。年齢の目安としては10歳前後から重視される傾向があり、それ以上の年齢になると子ども自身の意見がかなり大切にされるといいます。

また、同居している親や親族による「吹き込み」の可能性については、調査官が子どもに直接確認するケースもあるそうです。木下先生は「子どもは結構正直で、『お母さんにこう言われた』『おばあちゃんにこう言われた』と調査官に話しているケースもあります」と実例を交えて説明しました。

ただし、ここで重要なのが面会交流(親子交流)と共同親権では判断基準が異なるという点です。面会交流の場合は「親と子の関係」が重視されるため、同居中の親や周囲の人の影響で子どもが拒否しているなら、むしろ積極的に会わせるべきと判断されやすい傾向があります。

一方、共同親権の場合は「親同士が協力できるか」が重要な基準になるため、たとえ親子交流が認められても、共同親権は認められないというケースもありえます。

「子どもと会いたい」なら「親子交流調停」が先!共同親権を目指す際に気をつけるべきこと

3つ目の質問は、「2~3年ほど子どもと会えていない状態です。共同親権を求める前にまず面会交流調停を実施した方がいいのか」というものです。

木下先生の回答は明確でした。「『子どもと会いたい』のであれば、まず面会交流(親子交流)から始めた方がいい」とのこと。共同親権はあくまで父母間の協力関係が前提になるため、子どもに会うこととは別の問題だからです。

アツさんが「まずは親子交流調停を実施して子どもと会えるようにし、その後、子どもとの関係を良好にする。それから、妻との関係性を改善するために何ができるのかを考えた方がいいですね。妻との関係性が悪いと共同親権をとるのは難しいわけですから」と整理すると、木下先生も「そうですね」と同意しました。

さらに木下先生は、共同親権を目指すうえで注意すべき行動についても言及しています。たとえば、「SNSで元パートナーへの不満や悪口を発信する行為は、協力できない関係性を示す証拠」として不利に働く可能性があるとのこと。

不満を感じる気持ちは理解できるとしつつも、「それを外に出せば出すほど、共同親権には難しい事情として判断されると思います」と木下先生は率直に語りました。

共同親権を目指すのであれば、まずは自分自身の行動を整え、元パートナーとの関係性をより良いものにしていくことが前提になるのですね。

共同親権の前に、まず「自分自身」と「相手との関係」を見つめ直す

共同親権が認められるかどうかの判断では、父母が協力して子どものことを決めていける関係かどうかが大きなポイントになります。過去の言動による傷つきが残っていたり、子どもが関わりを拒否していたりする場合は、簡単には認められません。

子どもと会いたいならまず親子交流から始めること。そして共同親権を目指すなら、SNSでの発信も含め自分の行動を見直し、元パートナーとの関係を整えていくこと。共同親権は「勝ち取る」ものではなく、関係性の積み重ねの先にあるものだと言えそうです。


夫婦関係学ラジオ
#2-119 共同親権で何が変わる?「子どもに会える?」「反対されたら?」:ゲスト 多治見ききょう法律事務所 所長 木下貴子先生

[配信日時]2026年3月22日
[出演者]アツ/鶴田敦彦、木下貴子(多治見ききょう法律事務所)
[番組URL]
https://open.spotify.com/episode/1mFZ2EY9qQ50IZgrjo8jJj?si=_fanhk7lSaml9OxEHvEk7g

Spotify:https://x.gd/gEfRk
Apple Podcast:https://x.gd/4nDst
Voicy:https://x.gd/eE1nmK
YouTube:https://x.gd/dXVjJ
note:https://note.com/atsuatsu

(C)夫婦関係学ラジオ