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“突然の昇格”ではなかった…今話題の『7人組アイドル』。NHK紅白・東京ドームを経て証明された『変幻自在』の実力

  • 2026.6.12

FRUITS ZIPPERは、ライブや楽曲だけでなく、バラエティでも存在感を広げている。『NHK紅白歌合戦』出場、東京ドーム単独公演の成功を経て、冠番組『FRUITS ZIPPERのNEW KAWAIIってしてよ?』(テレビ朝日系)は2026年4月から木曜25時台へ昇格し、放送時間も30分に拡大した。ステージで積み上げてきた勢いが、そのままバラエティのフィールドにもつながっている。

今回の枠昇格は、7人の個性がさらに多くの視聴者に伝わるきっかけになりそうだ。その土台は、これまでの放送の中ですでに築かれてきた。『NEW KAWAIIってしてよ?』は、さまざまな対決企画を通して、メンバーそれぞれの得意なことや苦手なことを引き出していく番組だ。誰かひとりを目立たせるのではなく、7人それぞれの違いを見せてきたからこそ、回を重ねるごとに個々のキャラクターもよりはっきり伝わってきた。

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【プロ野球日本ハム対ソフトバンク】FRUITS ZIPPERによるミニライブ=エスコンフィールド北海道(撮影・三浦幸太郎) (C)SANKEI

志田未来ゲスト回で際立ったFRUITS ZIPPERの個性

そうした番組の特徴がよく表れていたのが、4月16日、23日放送の志田未来ゲスト回だ。FRUITS ZIPPERのファンとして知られる志田が初共演を果たした4月16日放送回では、「行きつけグルメウルフ」を実施。メンバーが行きつけのグルメを紹介しながら食リポを行い、苦手な料理を食べている“ウルフ”を志田が見抜くという企画が展開された。続く23日放送回では、志田を引き続きゲストに迎え、ロングコートダディも参加する中で、“泣きの演技”企画を放送。結婚式前夜や野球部の引退といったシチュエーションが用意され、メンバーそれぞれの表現力が試される内容となった。食リポ、心理戦、演技、リアクションと、短いスパンの中でさまざまな力が求められていたのも印象的だった。

改めて感じたのは、FRUITS ZIPPERはメンバーそれぞれのキャラクターがきちんと伝わっているからこそ、企画がしっかり成立するグループだということだ。志田は、メンバーのことをよく知るファンだからこそ、普段とのちょっとした違いにも気づける。実際、「行きつけグルメウルフ」でも、真中まなの理路整然としたプレゼンには彼女らしさがよく表れていたし、櫻井優衣がまっすぐに志田を見つめる目線からも、その場の関係性が自然に伝わってきた。そうした“いつもの印象”が共有されているからこそ、少しの違和感が企画のフックになる。仲川瑠夏が紅生姜を避けている様子を志田が見逃さず、見事に“ウルフ”を当てた場面も、まさにその象徴だった。食リポのうまさだけでなく、自分の印象を踏まえたうえで相手の予想を外す立ち回りが求められるからこそ、この企画はより面白くなっていたのだ。

7人の違いがそのまま面白さになる、FRUITS ZIPPERのバラエティ力

もちろん、その面白さは、誰かひとりが前に出て成立しているものではない。FRUITS ZIPPERのバラエティが見やすいのは、7人それぞれのキャラクターがすでに視聴者に伝わっているからだろう。だからこそ、食リポで少し不自然な表情を見せたり、演技企画で普段とは違う一面をのぞかせたりしたとき、その“ちょっとしたズレ”がそのまま笑いや驚きにつながる。誰かが強く押し切るのではなく、普段の印象をベースにしながら、それぞれが違う形で企画に引っかかりを残していく。その積み重ねが、7人で番組に出たときの面白さにつながっているのではないだろうか。

そして、この番組が用意してきた企画の幅そのものも大きい。木曜25時台への昇格後最初の放送では、“メンバーの中にひとりだけ一般人がいる”と外国人に伝えた上でパフォーマンスを見せる企画を実施。3月には番組SNSを使ったアンケートをもとに“世間のイメージ”とのズレを競う企画、4月には飲食チェーンを舞台にした駆け引き注文バトルも放送されていた。つまりこの番組は、トークだけでも、ゲームだけでもない。パフォーマンス、心理戦、イメージ調査、感情表現と、企画ごとに必要な力が変わるからこそ、毎回違うメンバーの魅力が前に出てくる。

こうして振り返ると、FRUITS ZIPPERは7人それぞれの個性がきちんと企画の中で生きるグループだとわかる。誰かひとりが引っ張るというより、その都度違うメンバーの魅力が前に出てくるから、番組に動きが生まれるのだろう。ステージで惹きつける力があり、バラエティではもっと知りたくなる。その広がりが、いまのFRUITS ZIPPERの強さにつながっている。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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