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国民的美少女グループ・初単独センターの『二面性の怪物(19歳)』 決して“突然”ではなかった、次へと踏み出す“静かな革命”

  • 2026.6.9

『7回目のひな誕祭 ~Welcome to HINATAZAKA ROCKESTRA~』で、日向坂46の17thシングル表題曲「Kind of love」が初披露された。センターに立つのは四期生の藤嶌果歩(19歳)だ。前作「クリフハンガー」では五期生・大野愛実が表題曲センターを務めており、その流れを受けて今作では藤嶌が初の単独センターに立つことになった。

ここ最近の日向坂46が若い世代を前に押し出しながら、新しいグループ像を形にしようとしていることは明らかだが、今回のフォーメーションはその動きをさらに一歩先へ進めるものと言えそうだ。

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日向坂46・五期生の配信番組発表会見に出席した前列左から大田美月、大野愛実、片山紗希、蔵盛妃那乃、坂井新奈、後列左から佐藤優羽、下田衣珠季、高井俐香、鶴崎仁愛、松尾桜(C)SANKEI

藤嶌果歩の言葉と立ち位置に見える、初センターの必然

藤嶌のセンターは意外性のある発表だったが、ここまでの流れを見れば納得だ。前作「クリフハンガー」では2列目に入り、表題曲でもしっかり存在感を見せていた。四期生楽曲でも前列に立つ機会が続いており、正源司陽子とともに四期生の中心として見られる場面も増えていた。そう考えると、今回のセンターは突然決まったものというより、ここまで少しずつ前に出てきた藤嶌がつかんだポジションだと言えるだろう。

藤嶌本人の言葉からも、今回のセンターに向けた思いの強さが伝わってくる。公式ブログでは「この楽曲に秘められた力を私が表現しないと!」とつづっており、初センターの喜びだけでなく、自分がこの曲を引っ張っていくんだという気持ちもよく見えた。藤嶌は、普段の柔らかく親しみやすい雰囲気と、ステージに立った時の芯の強さ、二面性が印象に残るメンバーだ。日向坂46らしい明るさやあたたかさを感じさせつつ、パフォーマンスでは前に出る力もある。だからこそ、今作で彼女がセンターに立つことにも自然な納得感がある。

藤嶌果歩を支える布陣に見える、各世代の役割

今回のフォーメーションでまず目を引くのは、前列の並びだ。正源司陽子、藤嶌果歩、大野愛実。前作「クリフハンガー」でセンターを務めた大野が今回もフロントに入り、その真ん中に藤嶌が立つ形になった。ここから見えてくるのは、前作で前に出た五期生の勢いをそのまま次につなげようとしていることだろう。大野を前列に残しつつ、今度は四期生の藤嶌をセンターに据えることで、グループが次に押し出したい顔もわかりやすく見えてくる。前作から今作への流れが自然に感じられる前列だ。

二列目には小坂菜緒、金村美玖、上村ひなのに加え、片山紗希、松尾桜が並ぶ。この並びでまず目に入るのは、小坂と金村の存在だ。二期生の中心メンバーが二列目に入ることで、新センターの藤嶌を支える形がはっきり見えてくる。一方で、そのまわりには三期生の上村、五期生の片山と松尾が並んでおり、経験のあるメンバーと新しい世代が自然に混ざり合った布陣にもなっている。今の日向坂46らしい世代のバランスがよく表れた二列目と言えそうだ。

三列目には宮地すみれ、渡辺莉奈、山口陽世、森本茉莉、清水理央、髙橋未来虹が入った。ここであらためて注目したいのは、三期生4人が全員選抜に入っていることだ。四期生、五期生を前に押し出す姿勢ははっきりしているが、その一方で三期生をしっかり残しているところに、今作のフォーメーションの特徴がよく出ている。新しい顔ぶれを前に立たせながら、ここまで日向坂46を支えてきたメンバーもきちんと選抜に入れることで、グループ全体の流れが途切れていない。これまでの流れを大事にしながら、新しい形を見せようとしていることがよくわかる。

藤嶌果歩が真ん中に立つ意味 日向坂46が進む次のフェーズ

こうして全体を見ると、「Kind of love」は藤嶌の初単独センター曲であると同時に、いまの日向坂46がどんな形で次に進もうとしているのかがよく見える一作になりそうだ。前作センターの大野がフロントに入り、正源司も引き続き前線を担う。小坂と金村が二列目で支え、三期生4人もそろって選抜に入った。こうした並びを踏まえると、今回の藤嶌のセンターは突然決まったものというより、ここまで少しずつ前に出てきた彼女がつかんだポジションだと言えるだろう。

日向坂46はここ数年、世代が入れ替わっていく流れをうまくグループの強さにつなげてきた。前作「クリフハンガー」では五期生の大野愛実がセンターに立ち、今作「Kind of love」では四期生の藤嶌果歩が初の単独センターを務める。こうして見ると、次の時代を担うメンバーを少しずつ前に立たせながら、グループ全体のバランスも崩していないことがよくわかる。今回の藤嶌のセンターは、そんな日向坂46の変化をよく表している。新しい一歩という言葉が、今作ほどしっくりくるタイミングもない。日向坂46が次にどんな景色を見せていくのか、その入り口になる一作になりそうだ。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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