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「彼、出世するみたい♡」私の婚約者を略奪した妹と2年後に偶然の再会…「何も知らないんだ?」勝ち誇る妹の哀れな末路は

  • 2026.3.29

妹が、私の婚約者を奪った――そう知ったのは、結婚の準備を進めていたころでした。
驚きや悲しみよりも先に、手や背筋がじわじわと冷えていくのを感じました。信じたくなくて、でも信じざるを得なくて……。
あれから2年。まさかあんな形で、妹たちと再会することになるとは思っていませんでした。

私と彼が婚約したのは、2年ほど前のことでした。職場で知り合い、「真面目で仕事熱心なところが好きだ」と言ってくれた彼の言葉を、私はそのまま信じていました。

周囲への報告も済ませ、両家の話を少しずつ進めようとしていた時期でした。周りからは「お似合いね」と何度も言われて、私は少し照れながらも素直にうれしく思っていたのです。

静かな違和感

ひとつだけ、気になることがあるとすれば、妹の存在でした。

妹は昔から、私が持っているものに必ず興味を示す癖がありました。進学先も、バイト先も、友人関係も――それがいつしか当たり前になっていて、私もわざわざ気に留めなくなっていたのです。


違和感が芽生えたのは、婚約者の返信が遅くなり始めたころでした。

仕事が忙しいのだろうと思っていましたし、責めるつもりもありませんでした。けれど、週末の約束が「疲れているから」の一言で流れることが増え、小さな引っかかりが少しずつ積もっていきました。

それでも私は、「結婚したら生活が落ち着くかもしれない」と自分に言い聞かせていたのです。そんなとき、妹からメッセージが届きました。

「先に言っとくけど、怒らないでね」

その一文に、胸の奥がざわついたのを覚えています。

妹の一言で崩れた日常

「もう隠しているのもしんどいから、言うね」

「私、彼と一緒になるつもりだから」

妹の言葉は、想像をはるかに超えるものでした。一瞬、冗談だと思いました。

しかし、そのあと続いたやり取りで、ここ数カ月の裏切りを知ることになったのです。

仕事だと言っていた日の外出、会えないと言われた週末、私が知らないところで二人が会っていたこと。同じ生活圏にいながら、私は何も知りませんでした。

「彼、お姉ちゃんといると息が詰まるって言ってたよ」

「奪われるほうが悪いんだよ? 恨まないでね」

胃のあたりがぐっと締め付けられ、吐き気が込み上げてきました。妹からのメッセージに、目をそらしたいのに目をそらせない――。それでも気力を奮い立たせ、私はすぐに彼へ確認の連絡を入れました。

婚約者からの返信に、妹との浮気を否定する言葉はありませんでした。

「お前が悪いわけじゃないけど、一緒にいると疲れるんだよな」

「家庭に入るつもりもないんだろ? 価値観が違うと思った」

実は以前から、彼は「結婚したら働き方を見直してほしい」とにおわせることがありました。けれど私は、仕事を手放すつもりはありませんでした。その感覚のずれを、きちんと話し合わないまま来てしまったのだと思います。でも、だからといって裏切っていい理由にはなりません。

結局、婚約は解消されました。

しばらくの間、涙が止まりませんでした。周囲への説明を考えるだけで気分が悪くなり、お祝いしてくれた人たちの顔が浮かぶたびに、苦しくなりました。

夜中に目が覚めて、暗い天井を見ながら「私のどこがいけなかったのか」と何度も考えたこともあります。けれど、その問いに答えはないのだと、少しずつわかるようになりました。

私にできることは、自分の生活を立て直して、目の前の仕事を淡々と続けることだけでした。

2年後の再会

それから2年がたちました。

私は以前より落ち着いて仕事に向き合えるようになり、周囲からも信頼してもらえる立場になっていました。私生活でも、安心して一緒にいられる相手と出会い、ようやく日常を取り戻し始めていました。


そんなある日、外での食事の席で、偶然妹と顔を合わせました。

「え、お姉ちゃんも来るんだ、こういうところ」

妹はそう言って、どこか人を値踏みするような笑い方をしました。

「お姉ちゃん、2年前はごめんね♡」

「今日ね、彼の出世祝いなの」

その言い方に、以前と変わらないものを感じました。ただ、前みたいな余裕が、その日はどこか空回りしているようにも見えました。

そのころには、彼の仕事について以前とは立場が変わったらしい、という話を耳にしていました。詳しい事情を知っていたわけではありません。けれど、順調とは言えないらしい、ということだけは伝わってきていました。

だから私は、「知らないんだ?」とだけ言いました。

「え?」と妹は驚いていました。

実は妹と話しているときに、少し遅れて店の奥からやってくる元婚約者が見えていたのです。スーツ姿ではあるものの、どこか覇気がない。視線は落ちたままで、足取りも重い。少なくとも、“出世を祝われる人の顔”には見えませんでした。その顔を見た瞬間、私は妙に納得しました。

私の姿に気づいた元婚約者は足を止めて言いました。

「……なんで、お前がここにいるんだ」


「ちょっと、どうしたの? お祝いの席なのに暗い顔して」と無邪気に尋ねる妹に対し、元婚約者は周囲を気にする余裕もないのか、低い声で言いました。

「お祝いなわけないだろ……。俺、もう会社に居場所がないんだよ」


「え……? 退職?」

予想もしなかった言葉に、妹は目を丸くして固まりました。たぶん彼から“人事に呼ばれた”とだけ聞いて、都合よく解釈していたのでしょう。彼は押し殺していた苛立ちをにじませるように続けました。

「ただでさえ仕事でうまくいってなかったのに、お前があちこちで、俺が婚約破棄してお前に乗り換えたことまでしゃべるから、ますます居づらくなったんだよ!」
「社内にまでその話が広まって、取引先の前でも陰で何か言われるし……もう無理なんだよ」

状況が飲み込めずパニックに陥る妹と、周囲の目も気にせず声を荒らげる元婚約者。その惨めな言い争いを前にして、私は何の感情も湧いてきませんでした。同情する気にも、あざ笑う気にもなれなかったのです。ただ「自業自得だ」と静かに納得するだけでした。

「大変そうね。お二人でゆっくり話し合って」

私はそれだけ言い残し、仕事仲間が待つテーブルへ歩き出しました。「ねえ、どういうこと!?」「だからお前が……!」という二人の言い争う声が背後から聞こえましたが、私の心はもう、微塵も動かされませんでした。

その夜は、会食のあとに新しく付き合っている彼と少し会う約束がありました。

数日後、元婚約者から長文のメッセージが届きました。「あのときは仕事のこともあって冷静じゃなかった」「今になって、お前といたときが一番落ち着けた気がする」「一度だけでも話せないか」といった、今さらすぎる泣き言と後悔が並んでいました。自分がどん底に落ちて初めて、失ったものの大きさに気づいたのでしょう。もちろん、返信はしませんでした。

それからしばらくして、今度は妹から泣きつくようなメッセージが来ました。

「彼、本当に会社辞めちゃって、毎日イライラして私に当たるの」
「こんなことになるなんて思ってなかった」
「最近はお金のことで言い争いも増えてて、このままだと本当に無理かもしれない」
「お願い、お姉ちゃん、少し助けてくれない?」

画面越しの必死な言葉を見ても、かつてのような胸の痛みや、怒りすら、もう微塵も湧いてきませんでした。ただ、今の自分の穏やかな日常を、これ以上1秒たりとも邪魔されたくないと静かに思っただけでした。


「2年前にあなたたちが自分で選んだ道なのだから、自分たちでしっかり向き合って解決してください。私には今、大切にしたい人と、守りたい生活があるの。あなたたちの問題に関わる余力はありません」


私は感情を交えず、ただ事実だけを淡々と打ち込みました。妹からの返信を待つことなく、すぐに二人をブロックしました。画面から二人の名前が消えた瞬間、過去のしがらみが完全に断ち切られ、心地よい清々しさに包まれました。

この2年のあいだ、私は何度も自分を責めました。妹みたいに愛想がよければよかったのか、仕事を優先しなければよかったのか、もっと相手に合わせれば違ったのか――そんなことばかり考えていた時期もあります。

でも今は、それは違ったと思っています。

私が守ろうとしていたのは、仕事への向き合い方や将来への考え方、自分なりの誠実さでした。それを「重い」と言う人に合わせるために、自分を削る必要はなかったのです。

裏切られたことは、今でも思い出せば痛みがあります。それでも、つらい時間を通り抜けた先で、私の価値観ごと受け止めてくれる人に出会えました。

妹たちが今どうしているのか、詳しくは知りません。知りたいとも思いません。仕事も、真面目すぎる生き方も、何ひとつ手放さなくてよかった。あのレストランで、後ろを振り返らなかったように。今の私には、振り返る理由が何もないのです。

【取材時期:2026年1月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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