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拡張を続ける、マルタン・マルジェラによる表現の現在地

  • 2026.3.31

Martin Margiela

拡張を続ける、マルタン・マルジェラによる表現の現在地

Martin Margiela
Top Photo:Front: Martin Margiela, “BARRIER Sculpture (white)”, 2024, polypropylene, synthetic fur, 100 x 150 x 150 cm.Back: Martin Margiela, “BARRIER Mural (white)”, 2024, polypropylene, synthetic fur, 100 x 150 x 30 cm © Martin Margiela. Courtesy of Bernier/Eliades and Taka Ishii Gallery / Photo: “We Document Art”

Martin Margielaの美術作品による個展「マルタン・マルジェラ」が、タカ・イシイギャラリー 京都にて4月17日(金)から5月16日(土)まで開催される。

Martin Margiela, “TOPS & BOTTOMS (Faun / top)”, 2023, composite plaster, 117 x 39 x 39 cm © Martin Margiela. Courtesy of Bernier/Eliades and Taka Ishii Gallery / Photo: “We Document Art”

1957年ベルギー・ルーヴェンに生まれたMartin Margielaは、ハッセルトのシントルーカス芸術学校で学んだのち、1980年にアントワープ王立芸術学院を卒業。
パリの「JEAN-PAUL GAULTIER」のアトリエでデザインアシスタントとしてキャリアを積み、1988年、Jenny Meirensと共に「MAISON MARTIN MARGIELA」を設立した。
2008年以降はファッション界を離れて芸術制作に専念し、フランスとベルギーを拠点にしながら世界各地で個展を開催している。

東京の九段ハウスで同時期に開催される個展「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」とあわせ、日本初では初めての個展となる本展。
2009年以降、積極的に自身の視覚表現の射程をファッションの外部へ拡張させてきた彼による、2018年から2025年にかけての近作約14点が発表される。

Front: Martin Margiela, “BARRIER Sculpture (white)”, 2024, polypropylene, synthetic fur, 100 x 150 x 150 cm.Back: Martin Margiela, “BARRIER Mural (white)”, 2024, polypropylene, synthetic fur, 100 x 150 x 30 cm © Martin Margiela. Courtesy of Bernier/Eliades and Taka Ishii Gallery / Photo: “We Document Art”

Margielaによる実践の根底にあるのは、人間の身体への継続的な探究。
そこで身体は、視覚的体制と触覚的体制という2つの競合的な枠組みが収斂する場として位置づけられ、彼の作品は露見と保護の狭間の緊張関係といったような、古典彫刻から現代美術に至るまで身体表象を形成してきた力学を再活性化させる。

「Tops & Bottoms」と題された連作では、ルーヴル美術館に収蔵されている大理石彫刻に基づき、規範的な裸像が現代の下着の形状で切り出されている。
下着の本来の機能を反転させ、その内部にあるものを露見させることで、これらの彫刻は魅惑と疎外の狭間に緊張を生み出す。

シュルレアリスムやポップ・アートといった歴史的なアートの潮流と共鳴するように、日常的な物体に特別な関心を寄せ、鋭い観察眼に基づいて生活の中にある素材に取り組むMargiela。
「Barrier Sculpture」では、都市の環境で一般的に見られる保護バリケードの形状を用いながら、それをフェイクファーで覆っている。
こうした再文脈化のプロセスによって、それぞれの物体は通常の機能を超えた、詩的で不可解なアーティファクトへと昇華。
彼によるミニマルかつ深遠な介入は、ありふれたものを異様なものに作り変えることで、丹念な観察や循環的なアップデートの実践を促す。


発展を続ける身体表象の探究、再文脈化や断片化の実践。
Martin Margielaが生み出す、静かな驚きに満ちた空間に誘われて。



TAKA ISHII GALLERY KYOTO
075-366-5101



【Martin Margiela】
DATE:4月17日(金)〜5月16日(土)
※日曜、月曜、火曜、水曜、祝日定休
TIME:10:00am~5:30pm
※4月17日(金)は4:30pmまで
PLACE:タカ・イシイギャラリー 京都
ADDRESS:京都府京都市下京区矢田町123
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.takaishiigallery.com/jp/archives/37062/

【MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE】
DATE:4月11日(土)〜29日(水・祝)
TIME:10:00am~7:00pm
※最終日は5:00pmまで
※入場は閉場の1時間前まで
PLACE:九段ハウス
ADDRESS:東京都千代田区九段北1-15-9
ADMISSION:一般 ¥2,500
WEBSITE:martinmargielaatkudanhouse.jp/

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