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ステラ マッカートニー×H&M、20年ぶりのタッグで示すサステナビリティの現在地

  • 2026.4.16
トップ¥9,999 パンツ、バッグ各¥14,999 ベルト¥7,999/以上ステラ マッカートニー×H&M(H&M カスタマーサービス) Hearst Owned

毎度熱狂を生み出す「H&M」のデザイナーズコラボレーションプロジェクト。今年は2005年以来、2度目となる「ステラ マッカートニー」とのタッグを発表。今でこそブランド同士のコラボレーションはあまり珍しいことではなくなったが、当時は大きな話題を呼んだ。

約20年の時を経て発表された本コレクションは、「ステラ マッカートニー」のDNAと先進的なサステナビリティへの挑戦の象徴。デザイナーのステラ・マッカートニー、そして「H&M」のクリエイティブ・アドバイザー、アン・ソフィー・ヨハンソンに話を聞いた。

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写真左から アン・ソフィー・ヨハンソン(Ann-Sofie Johansson)、ステラ マッカートニー(Stella McCartney)。 Hearst Owned

――画期的なコラボレーションから約20年がたちました。再びタッグを組んだ本コレクションはどのように進んだのでしょうか? また、このコレクションを通じてどのようなメッセージを伝えたいと考えていますか?

ステラ・マッカートニー(以下S):今こそ、再び手を組むべき時だと感じていたのです。なぜなら、世間の意識がついに私たちの歩みに追いついてきたから。初めてコラボレーションした2005年当時、クルエルティフリーのファッションや代替素材はごく一部でしか話題にならなかった。しかし今では、服の素材や生産方法、背景までが環境に大きな影響を与える要因のひとつであることが広く知られています。

本コレクションでは私たちの前進を示すと同時に、まだどれほどの課題が残っているかも正直に伝えたいと考えました。そのために、より良い素材(オーガニックコットンやリサイクル繊維、廃棄物から作られた素材など)を用い、それらが服のデザイン性や魅力を損なうことなく大規模に実現可能であることを証明すること。責任あるファッションは“例外”であってはならない、と強く訴えたい。それは当たり前であるべきだから。

アン・ソフィー・ヨハンソン(以下A):コレクションを通じて、私たちはステラを“ルールを破る存在”としてたたえたいです。彼女はいつも業界の常識に果敢に挑戦し、インスピレーションと希望に満ちたビジョンを提示してくれる人物。それが、最初のコラボレーションを行った約20年前、私たちがステラに引かれた理由であり、今再び彼女とパートナーシップを結ぼうと思った理由でもあります。

ステラと再び仕事をするうえで最もやりがいを感じるのは、私たちがどれほど進歩したかを振り返る機会を得られること。2005年当時は非常に革新的だと感じられたこと――オーガニックコットンの使用や素材のリサイクルなどが、今では「H&M」においてごく当たり前の慣行となっており、私たちはそのことを大変誇りに思っています。今回の制作では、彼女のデザインの歴史を振り返ることも大きな喜びでした。女性らしさの確固たるビジョン、遊び心あふれる姿勢を見つめると同時に、2000年代のヒット作を再び考える機会にもなりえた。それはノスタルジーと未来への楽しみが共存する、素晴らしい瞬間。年齢を問わず、すでにステラのファンであるお客さまも、初めて購入される方も、きっとこのコレクションを気に入っていただけると思います。

ドレス¥29,999 バッグ¥9,999 バッグチャーム¥5,499 シューズ¥19,999/以上ステラ マッカートニー×H&M(H&M カスタマーサービス) Hearst Owned

真の変化を確実にするためには、業界が団結し、協力し合う必要がある(アン・ソフィー・ヨハンソン)

Tシャツ¥4,999 パンツ、バッグ各¥24,999 ベルト、ピアス各¥7,999/以上ステラ マッカートニー×H&M(H&M カスタマーサービス) Hearst Owned

――共に、これまで数多くのブランドやデザイナー、アーティストとジャンルを超えたコラボレーションを行ってきました。お二人にとって、「コラボレーション」とは何を意味しますか?

A:「H&M」にとってのコラボレーションとは、ダイナミックなアイデアの交換。だからこそ、今回のコラボレーションは、単なるコレクション以上の意味を持っています。また、もうひとつの重要な側面が、まったく新しいインサイト・ボードの立ち上げです。これは、ファッション業界のさまざまな声や人を結集させ、対話の場を創出するもの。私たちにとって、これこそが真のコラボレーションなのです。インサイト・ボードは、私たち「H&M」に課題を突きつけるだけでなく、業界全体を導き、イノベーション主導の解決策を受け入れるよう促すもの。ステラも、「H&M」の私たち全員も、真の変化を確実にするためには、業界が団結し、協力し合う必要があるという信念で一致しています。これは、協働の必要性という共通のビジョン。サプライチェーンの透明性から素材の選定、調達に至るまで、業界が直面する問題の多くは、あらゆるブランドに共通しています。だからこそ、私たちは団結する必要があるのです。

S:私にとってのコラボレーションとは、集団での行動を意味します。これらの課題は、誰一人として単独では解決できない。特にサステナビリティに関してはなおさらです。さまざまな視点や専門知識を結集し、物事をより迅速に前進させることこそがコラボレーションの本質だと考えます。私は常に、他者と協力することの重要性を信じてきました。「H&M」との協業において、その強みは彼らのリーチの広さにあります。本来ならニッチなままだったかもしれないアイデアを、より多くの人々が利用できるようになる。コラボレーションが真に意味を持つのは、まさにそんな時。つまり、それが真の変化をもたらす時なのです。

ジャケット¥32,999 トップ¥24,999 デニムパンツ¥12,999/以上ステラ マッカートニー×H&M(H&M カスタマーサービス) Hearst Owned

――コレクションの中で一番の自信作はなんですか? また、あなたならどのようにコーディネートしますか?

S:どのアイテムも本当に大好き。どれも着回せるし、個性がありながらもリラックスした絶妙なバランス感。私は、マスキュリンとフェミニン、昼と夜といった対極のものをミックスするのが大好きで、それはずっと私のDNAの一部でした。大切なのは、自分なりの着こなしであなたらしさを表現し、自信を持つこと。最高のアイテムとは、時間をかけて愛着が湧いてくるものです。このコレクションも、すべてのアイテムが長く愛されるよう願っています。

トップ¥5,499/ステラ マッカートニー×H&M(H&M カスタマーサービス) Hearst Owned

:難しい質問ですね! 象徴的なのは「Rock Royalty」のミニTシャツですね。これは、1999年のメット・ガラでステラ本人やリヴ・タイラーが着ていたスタイルへのオマージュなのです。なんてすてきなレトロ感でしょう。でも、ステラの定番アイテムも大好きです。オーバーサイズのシャツ、トレンチコート、そしてシャープなテーラード。そして、アクセサリーのラインアップにも注目してほしいです。バッグのセレクションだけでも素晴らしい。私のお気に入りは、赤いメッシュのトートバッグと、チェーンをあしらったブラウンのショルダーバッグ。ブルーのシャツ素材のパジャマセットにトレンチコートを合わせ、そこにトートバッグを合わせるというアイデアが特に気に入っています。

1999年のメット・ガラにて。左からリヴ・タイラー(Liv Tyler)、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)。 Mitchell Gerber / Getty Images

品質を妥協させることなく、より良い選択を透明性の高いものにするのは私たちブランドの責任(ステラ・マッカートニー)

シャツ、パンツ共に¥9,999 ピアス¥7,999 バッグ 上¥9,999 下¥16,999 チャーム(チェリー)¥5,499 チャーム(ロゴ)¥3,999/以上ステラ マッカートニー×H&M(H&M カスタマーサービス) Hearst Owned

――あなたは常に、ファッション業界からサステナビリティを強く訴えてきました。依然として残る課題は何でしょうか。また、消費者がこれらの問題を自分事として捉えられるよう、ファッション業界には何ができるとお考えですか?

S:最大の課題は依然として「規模」です。何を変えるべきか。素材、サプライチェーン、システム……は分かっていますが、業界はもっと迅速に、そしてより一体となって動く必要があります。また、情報へのアクセスしやすさと、透明性の問題もあります。近年、消費者は物の背景まで強く関心を持っており、積極的に関わろうとしていますが、情報の多さ、煩雑さに混乱してしまうことも多々。品質を妥協させることなく、より良い選択を透明性の高いものにするのは私たちブランドの責任です。ファッションには感情に訴えかける力があり、アイデンティティーや個性と結びつきます。もし私たちが、より良い方法で製造され、みんなが心から愛せるアイテムを作り出せれば、人々はそれを手放さず、着続け、大切にするようになるでしょう。責任と魅力が結びついたとき、そこにこそ変化が生まれるのです。

――ファッションブランドとして、「H&M」のサステナビリティへの取り組みは近年目覚ましい進展を見せています。次に目指している目標は何でしょうか?

A:私たちはこれまでの歩みを誇りに思っており、将来に向けた大きな目標に胸を躍らせています。実際、今回のコラボレーションコレクションにもそれが表れています。リサイクル素材を優先し、工業用トウモロコシやリサイクル植物油といった原料をコーティング素材に使用するなど、革新的な選択をしてきました。また、このコレクションで使用されているウールはすべて、RWS(Responsible Wool Standard)の認証を取得、ROC™認証コットンを使用したアイテムもあります。

今後もファッション、品質、価格、そしてサステナビリティを最適に組み合わせ、お客さまに比類のない価値を提供するという、長年にわたる取り組みを続けます。2025年は、使用素材の91%がリサイクル素材または持続可能な調達源によるもので、そのうち32%がリサイクル素材でした。今後H&Mグループは、2030年までに使用する素材の100%をリサイクル素材または持続可能な調達源とすることを目指しています。

問い合わせ先/H&M カスタマーサービス
https://www2.hm.com/ja_jp/index.html

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