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俳優・杏さんが語る日本とフィンランド、それぞれの現場の舞台裏「時間の制限があるからこそ臨場感が生まれることも」

  • 2026.3.26

俳優・杏さんが語る日本とフィンランド、それぞれの現場の舞台裏「時間の制限があるからこそ臨場感が生まれることも」

WOWOWで4月5日から放送されるドラマ『連続ドラマW BLOOD & SWEAT』は、日本とフィンランドを舞台にした国際共同製作の話題作です。このドラマの主演を務める杏さんに、作品参加の経緯や、役づくり、英語での芝居、海外での撮影で感じた日本との違いなど、臨場感あふれる現場での様子をお伺いしました。

この企画には、惹かれる要素がたくさんありました

――今回のドラマはフィンランドと日本の共同製作で異例なことも多かったと思います。この企画に参加された理由を教えてください。

「海外作品に参加したいという思いはあったんですけれども、映画だと大体1カ月くらい、連続ドラマになると3カ月、4カ月とかかってしまう。子どもを育てている上で、そこは一つのハードルだと思うんですね。でも今回は、みんなを連れてフィンランドに行ける、その手筈が整えられると分かったので、状況としても恵まれていたと思います。内容に関しても、日本とフィンランドという二つの国を結ぶミステリーっていうところで、興味深いエッセンスがたくさん入っているなと感じました」

いつも持っている小道具が無く“手ぶら”!だからこそ難しかった

――杏さんが演じた刑事役「涼宮亜希」(すずみや・あき)ですが、意識したことはどんなところですか?

「よく刑事役っていうと、手帳を持っていたり、捜査資料を手にしていたり、というのが一般的なんですが、今回はそういった小道具がほとんどありませんでした。どこに行くにも本当に手ぶらで、良くて携帯やタブレットくらいでした。これは身軽でいいのですが、その分、よすががないみたいなところはあって(笑)。そういう意味では、今までやってきた刑事役とはまた違う難しさがありましたね」

バディを組んだヤスペルさんとの関係性は?

――フィンランドの国民的俳優ヤスペル・ペーコネンさん演じる「ヨン」とのバディ関係は、どうでしたか?

「お互い、どんな人なんだろう?っていう猜疑心みたいなものが根底にありつつも、少しずつ信頼関係は築かれていきます。でも物語としては、どんどん誰を信用していいか分からなくなっていく。ヨンも亜希のことを信じたいけどそうできない、亜希もヨンのことを信用したいけど分からない、という葛藤がずっとあるんです。ただ、その中でヨンのコテージに滞在したり、一緒に食事をしたり、お互いの文化について雑談したりするところは、演じていても、ドラマを見ていても、少しホッとできるようなシーンなのかなと思っています」

英語の芝居は、発音より“ニュアンス”が難しかった

――今回のドラマの準備において、いちばん大変だったことは何でしょう?

「セリフの半分以上が英語なんですが、捜査に使う英語って日常会話に全くない専門用語も出てきたりするんですね。そのボキャブラリーを増やすのに苦労しました。でも、それ以上に、セリフに感情を乗せるときに、どこで区切るか、どこを強調するかというのが非常に重要で。セリフ指導をしていただいた際にも、シェイクスピアの“to be or not to be”みたいな話もして、notを強調するのか、to beを強調するのかで全部ニュアンスが変わってくるんだよ、と教えていただきました。このアクセントをどこに置くかで、伝わり方が変わっちゃうんだ、という不安感が一つ一つありましたが、自分の課題を見つけられましたし、取り組んだ上での大きな学びにもなりました」

国際共同製作で感じた、日本とフィンランドの「現場」の違い

――フィンランドと日本の撮影現場の違いはありましたか?

「フィンランドは、国の労働基準みたいなものがすごく厳密で、撮影においても同様です。何時まで撮ったら翌日は何時から、食事は何時間以内に必ず1回入れる、みたいなルールが全部決められているんですね。日本みたいに、良くも悪くも“やる気で乗り切る”という感じとは少し違いました。例えば、フィンランドは一度照明を組んだら、それをばらすことはあまりしないんですね。その中で流れるように撮り続け、だから役者も少し光を受けながら演技するとか、みんなで時間内にいかに作り上げていくか、みたいなところがフィンランド流なのかなと思います。時間の制限があることで生まれる臨場感もありますしね。逆に日本にはじっくり撮れる良さもある。お互いに、見習うところもあれば、うらやましいなと思うところもあったように感じました」

――台本にも違いはありましたか?

「まず英語と日本語、フィンランド語と全部の言葉で書いてあるんです。あと日本の台本と違うのは、当たり前ですが横書きであること。最初はそれに慣れるまで少し時間が必要でした。改定稿も、海外だとデータか“ペライチ”でどんどん来るんですね。日本だと製本されていることが多いので、最初台本を開いたときも、そっか、英語の作品ってこっちから開くんだ、とちょっと戸惑いました」

“複雑さ”が“躍動感”に変わる作品

――この作品の魅力の一番はどこでしょうか?

「はじめ台本で物語を文字だけで読んでいると、すごく複雑に感じていたんです。時代がいろいろ交錯することも相まって、自分の役だけを深掘りするのでもかなり大変でした。でもそれを全体的に把握しているディレクター陣やプロデューサー陣は本当にすごいな、この歴史的なことや文化的なことが全部2倍、3倍になっていくんだなって思って、これはすごいプロジェクトだなと感じましたね。それに、出来上がったものを観たときに、知っていてもこれだけ驚くんだから、記憶をなくしてもう一回観たい!とも思いました(笑)。ご覧になる方も、最後まで見たときに思わず声が出ちゃうんじゃないかな。本当に“えーっ!!”という驚きが続くんです」

ぜひ、リアルタイムで毎話追ってほしい

――最後に、ドラマをご覧になる方へのメッセージをお願いします。

「フィンランドの冬の景色、日本の伝統的な景色、東京の都会的な景色が、一つの作品に詰まっていることが非常に美しく、それでいて、先が読めないんですね。いったいどこが軸になっていくのか、フィンランドなのか日本なのか、というところも結構ギリギリまで分からないので、毎話毎話見逃せないと思います。ぜひ皆さんにはリアルタイムで追っていただきたいです。先を知らないで観ることの楽しみがたくさん詰まっていると思うので、放送開始と同時にご覧いただいて、みんなでこの驚きを共有していきたいなと思っています」

<Informaiton>

日本×フィンランド共同製作ドラマ「連続ドラマW BLOOD & SWEAT 」

●放送・配信:2026年4月5日(日)午後10時から ※第1話無料放送・配信
●サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/bloodandsweat/
<スタッフ・キャスト>
●脚本:リク・スオカス ダニエル・トイヴォネン 岩﨑マリエ ヘイキ・シリヤ
●監督:リク・スオカス ダニエル・トイヴォネン 岩﨑マリエ
●出演:杏 ヤスペル・ペーコネン / 濱田岳 高杉真宙 福士誠治 時任勇気 早乙女太一 / 國村隼ほか
●製作:WOWOW AXON ICS Nordic

撮影:シン イシカワ(Sketch)/Shin Ishikawa(Sketch) ヘアメイク:高桑さとか/satoka takakuwa スタイリスト:中井綾子(crêpe)/Ayako Nakai(crêpe)

※画像キャプションに記載のない着用物はすべてスタイリスト私物

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