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「返金してほしい」“人からのプレゼント”の返金を希望する客…悪気のない様子に元アパレル店員も困惑したワケ

  • 2026.4.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元アパレル店員のさやかです。

店頭に立っていると、日々さまざまなお客様対応がありますが、その中でも特に難しいと感じるのが「返品・返金」に関するご相談です。

ルールとしては明確に決まっているものの、お客様それぞれの事情があるため、単純に線引きできない場面も少なくありません。

今回は、プレゼント品の返金対応で悩んだエピソードについてお話しします。

プレゼント商品を返金!?

ある日、一人のお客様が商品を持って来店され、「これ、返金してほしいんですけど」とご相談を受けました。

お話を伺うと、その商品はご自身で購入されたものではなく、人からもらったプレゼントとのことでした。

正直なところ、「プレゼント品の返金をご希望になることもあるんだ」と少し驚きました。

もらったものを返品したいというご相談はあまり多くないため、少し戸惑ったのを覚えています。

返品理由としては「自分には似合わなかった」「サイズも少し合わない気がする」といったもので、クレームというよりは困っているご様子でした。

ただ、その時点で一つ大きな問題がありました。レシートや購入履歴が一切確認できない状態だったのです。

返品に必要なものが揃っていない場合は

店舗としては、基本的に返金対応には購入証明が必要です。

いつ・どこで・いくらで購入されたのかが確認できない場合、返金は難しいというルールがあります。

これは不正防止や在庫管理の観点からも、どうしても外せない決まりです。

そのため、「大変申し訳ございませんが、レシートや購入履歴の確認ができない場合、返金でのご対応はいたしかねます」とお伝えしました。

しかし、お客様は「1回も着ていなくてもダメなんですか?」「タグもついているのに?」と納得していない様子です。

おっしゃることはもっともで、見た目もきれいな状態であれば、なぜダメなのかと感じるのも無理はありません。

悪意は一切なく、「着られないのでどうにかならないか」という純粋な疑問のようでした。

伝え方の大切さ

だからこそ、こちらとしても機械的にお断りするのではなく、できるだけ丁寧に理由をお伝えすることを意識しました。

言葉の選び方で、お客様の受け取り方は大きく変わります。

お気持ちはよく分かります」「せっかくのプレゼントなのに困りますよね」といった共感を添えつつ、あくまでルール上難しい旨をお伝えし、代替案としてサイズ交換であれば対応可能な場合もあることをご案内しました。

最終的には返金のご希望には沿えない形となりましたが、お客様は少し残念そうにしながらも「誰かにあげるしかないですね」と納得され、商品をお持ち帰りされました。

大きなトラブルにはならず、その場を終えることができ、ほっとしたのを覚えています。

お断りも接客スキルが問われる

この対応を通して強く感じたのは、返品をお断りする際の説明の難しさです。

今回のように購入者と来店者が異なり、確認が取れない場合、ルールと気持ちの間で板挟みになる場面が少なくありません。

また、お客様に悪気がない分、こちらの伝え方次第で印象が大きく左右されることも実感しました。

正しいことを伝えても、伝え方が機械的で冷たい印象だと、不信感やブランドイメージの低下につながる可能性もあります。

  • 返品対応は、単なる手続きではなく接客スキルが問われるものだと、今回の経験を通して強く感じました。

ルールを守ることは大前提ですが、その上でいかに相手に寄り添いながら伝えられるかが、販売員としてのスキルだと思います。

同じような場面はこれからもあると思いますが、そのたびに「どう伝えるのがベストだったか」を振り返り、より良い対応をしていきたいと感じたエピソードでした。


文:さやか/ライター
ファッション関係の仕事に就き10年。店頭でのお客様対応や商品提案を通して得た気づきをもとに、接客や装いにまつわる体験談を執筆している。日常に寄り添うファッションの話題が得意。


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