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CA「少々お待ちください」→舌打ちする不機嫌な乗客…凍りつく機内を救った、乗客の上司が放った一言とは…

  • 2026.4.13
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。
大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

機内という密室は、時に、お客様の「もう一つの顔」を映し出す場所です。

若手CAへの理不尽な要求と「舌打ち」で、機内の空気を凍らせた常連の若手ビジネスマン。

そんな状況をたった一言の「労い」で浄化したのは、その方にとって最も頭の上がらない立場の方でした。

密室の機内に響いた「舌打ち」と、若手CAの動揺

それは、私が客室責任者を務めていた、国内線の上位クラスでの出来事でした。

「野心溢れる新進気鋭のビジネスリーダー」という言葉がぴったりの、常連のお客様・A様が搭乗されたときのことです。

座席へ着くとすぐ、手荷物を投げつけるように置き、明らかに不機嫌なご様子でした。

そして、他のお客様の応対をしていた若手CA・B子に「ねえ、この荷物、上に上げてくれる?」と大声で呼びかけ、B子が「すぐにお手伝いいたしますので、少々お待ちいただけますか」と丁寧に応対したものの、返ってきたのは「チッ」という舌打ちでした。

その後も、他のお客様の応対中であることなどお構いなしに、様々なリクエストを重ねていったのです。

客室責任者としてその光景を見ていた私は、B子の動揺を察しながらも、冷静に状況を注視していました。

10年近いCA経験から、機内という密室ではお客様の「裏の顔」が露わになりやすいことを知っていたからです。

「焦らなくて大丈夫」

心の中でそう呟き、B子を見守っていたときです。

頭の上がらない人物が放った「一言」

間もなくドアが閉まる頃、別の常連のC様が搭乗されました。

するとA様が突然、驚いた様子で姿勢を正し、態度を一変させたのです。

実はA様とC様は、同じ企業にお勤めの方でした。C様は、A様にとって頭の上がらない立場にある重役だったのです。

A様は弾かれたように立ち上がると、C様にペコペコと挨拶し笑顔を浮かべました。

その後B子が、A様から承っていた品々を揃えてお持ちすると、その様子を見たC様は驚き、それでいて温かい声でこう仰いました。

「……こんなにたくさん、頼んだのかい?……忙しいところ、すまないね」

その一言に、A様は顔を真っ赤になさり、居たたまれない様子で身を縮めていらっしゃいました。

焦らず、毅然と、誠実に

私はその後、客室責任者としてC様にご挨拶に伺った際、そっとお礼をお伝えしました。

そしてB子には「何も間違っていないから、大丈夫よ」と声をかけました。

「常連客だから」と特別扱いをして機内の秩序を乱すのではなく、焦らず、毅然とした態度で誠実を貫くこと。

それが、私たちが守るべきプロの規律だと考えています。

CA時代、多くの方と接する中で私が確信したことは、一流と呼ばれる方の「真の器」とは、「利害関係のない相手にこそどれだけ誠実な振る舞いができるか」という点に表れるということです。

ふとした折に見せる他者への言葉や眼差し。

そこに宿る優しさこそが、その方の本当の価値を物語っているのだと感じています。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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