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いまだ男女差の埋まらない社会で、自分の気持ちを言葉にする。ウーマナイザー×セキララカードのワークショップで分かったこと

  • 2026.3.24

3月8日は国際女性デー。今年も各所で女性を応援するイベントが開催されました。

そして代官山のシアターギルドでは、ドイツ発の女性向けセルフプレジャーグッズブランド「ウーマナイザー」と、価値観や本音を引き出すコミュニケーションカード「セキララカード」がコラボレーション。

女性のウェルネスに向き合う二つの企業が、特別なゲストと一緒に“女性が性を解放することが、自然であたりまえの世界になれているのか?”という問いを、トークセッションとワークショップを通じて掘り下げました。

■セックスにおいても、男女は不平等……なぜギャップが埋まらないのか

2026年、セクシャルウェルネスという言葉が国際的に定義されてから、早20年以上が経ちました。自分の体を知ることや、パートナーと対等な関係を築き、自分の意見を言えることも、ウェルネスの一環です。

しかし……「私たちの性は、本当に平等になったとはいえない」ことが、ウーマナイザーの独自の調査で分かったというのです。

イベントは、トークセッションとワークショップの二部で構成。まずは、トークセッションでは日本の女性たちの現状や課題を紐解いていきます。

ウーマナイザーはドイツ発のセルフプレジャートイブランドです。 創業者であるドイツ夫婦は当時「女性が男性に比べてオーガズムを感じにくい」ことを証明する調査を見て、課題を感じウーマナイザーの開発に至ったといいます。しかし、こういった男女の「オーガズムギャップ」は、特に日本ではまだ改善されていないのだとか。

オーガズムギャップとは、男女の性行為において、男性が達する頻度と女性が達する頻度の差のこと。ウーマナイザーが今年2月、日本を含む世界9カ国の成人男女9,000人を対象に実施した最新のグローバル調査によると、日本男性の33%が「毎回オーガズムを感じる」と回答。一方、 日本女性では41%が「まったく感じない」と回答し、この割合は他国の女性と比べても高い傾向が見られました。

このように、男女の間には明確なギャップが。ウーマナイザーの広報・小澤さんによれば、女性は男性よりオーガズムを感じにくいのではなく、女性の快感、オーガズムが社会の中で十分に語られてこなかったことにその理由がある可能性があるのだそう。

私たちが自分の快感を言葉にする機会は、十分にあったといえるでしょうか。このことについて、日本初の女性のためのセクシャルウェルネス・ショップ「ラブピースクラブ」のオーナー・北原さんもコメント。

「日本の男性は、果たして性行為において女性を大事にしているといえるのでしょうか」と北原さん。

北原さんがラブピースクラブでの活動をスタートし、セルフプレジャーグッズを女性向けに日本で売り始めたのは、もう30年も前のこと。長い間、日本のオーガズムギャップが埋まらなかったことには、肩を落とします。

その背景にはやはり、女性自身が女性の身体のこと、性のことについて未だ語りづらいこともあるのかもしれません。

また同調査では、セルフプレジャーの頻度においても、日本では男女差があることも分かりました。「 週に数回以上」と定期的に行う男性が33 %いる一方、 「まったくしない」と回答した日本の女性は46%と、約半数にのぼりました。

ウーマナイザーの広報・小澤さんは「女性はセルフプレジャーを自然な選択肢として選べているのか」についても指摘します。ラブピースクラブ・北原さんは「日常の中で性的に消費されていると感じている女性も多く、自分のために性を楽しむ感覚になりづらいのではないか」と語ります。

ジェンダーギャップ指数でも低い評価が続いている日本。政治や経済面でなく、身体面でも今も大きな性差が横たわっています。自分自身の身体との対話も、パートナーとの性の価値観の対話も、足りていないのが今の日本の現状なのです。

■不平等な社会でも「気持ちを言葉にする」ことがやっぱり重要

まだ「女性が自分の性にオープンであれる社会」の実現には至っていない日本。この現状を踏まえつつ、第二部は、コミュニケーションカード「セキララカード」を使って、自分と対話するワークショップも行われました。

「セキララカード」は性や恋愛、人生観といった、普段の会話では少しハードルが高いけれど、パートナーシップを築く上で欠かせないトピックスを、カードの力を借りて楽しく、かつ真剣に話し合うためのツールとして、今注目されています。

「セキララカード」の創業者・藤原さんも、過去に自身がパートナーと価値観を共有し合うことができなかった経験があり、このようなコミュニケーションカードを作ったのだそう。今回はこの日のために作ったという特別なコミュニケーションカードを使って、グループごとに対話を行っていきました。

セキララカードのやり方は簡単。引いたカードのお題について、本当の気持ちで答える……ただそれだけです。自分の本当の気持ちを答えるのがルールですが、今回のようにグループで行う場合には、人に話したくないことについては答えなくてOK。また、主語の大きな一般論として語るのではなく、あくまで「自分がどう感じているのか」を話すことが重要なのだそう。

カードの質問は「もし今夜、家事も仕事も全部放り投げて自分を徹底的に甘やかしていいなら何をする?」、「パートナーとの時間に比べて、セルフプレジャーならではのメリットってなんだと思う?」など。自分自身や性の価値観について掘り下げることができます。

ワークショップでは初対面の人と隣り合って対話を行いましたが、不思議といつも一緒にいるパートナーや、親友といった「大切な人」と語り合うのとは違う、気軽さを感じたのも印象的でした。自分の話も、関係値がないからこそ率直に語りやすく、また人の意見も、自分には全くない新鮮なものとして興味深く聞くことができました。

また、質問もライトなものからディープなものまで用意されていましたが、そもそも自分では思いつかないようなお題もあり、考えてみることそのものにも意義がありました。自分でも「あ、私ってこんなふうに感じていたんだ」という、新しい価値観の発見があります。

セキララカードでのワークショップを通じて、自分や、人が「自身の性や身体について」、どう捉えたいのか、どう振る舞いたいのかがより明確になります。社会の現状はあるにせよ、自分は「こうでありたい」と自分自身が理解してあげることも、また大切なことなのです。

■ウーマナイザーやセキララカードで「自分を受け入れるルーティン」を作る

女性のウェルネスに関わる3人のパワフルな女性のトークや意見は、ここでは書ききれないほどに新鮮でした。

ウーマンヘルスケアとしてのセルフプレジャーの大切さを伝えてくれるウーマナイザー、自分の気持ちに蓋をしない習慣を身につけさせてくれるセキララカード、性に関する後ろめたさを笑い飛ばすかのように、ポジティブなセクシャルショップを運営しているラブピースクラブ。

どのコンテンツも、女性が主体的に生きることを後押ししてくれるものばかり。自分が何を感じ、どう生きていきたいのかを改めて考えさせてくれる、すてきなイベントでした。

(取材・文:ミクニシオリ)

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