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エスパス ルイ・ヴィトン東京にてリナ・バネルジーの個展「"You made me leave home...」を開催

  • 2026.3.24
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LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)とアートの長年にわたる繋がりを象徴するアートスペース、エスパス ルイ・ヴィトン東京にて、南アジア系ディアスポラのアーティストRina Banerjee(リナ・バネルジー)の個展「"You made me leave home...」を開催。新作の絵画シリーズを含め、バネルジーが厳選したインスタレーションや彫刻作品、19点が展示されています。

エスパス ルイ・ヴィトンの節目の年を記念したリナ・バネルジーの個展とは

Photo: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

エスパス ルイ・ヴィトンの設立20周年、およびフォンダシオン ルイ・ヴィトンが展開する独自のプログラム「Hors-les-murs(壁を越えて)」の10周年というふたつの節目を記念して開催されている、リナ・バネルジーの個展「“You made me leave home...」。30年近くもの創作活動の中で、植民地主義や移住、アイデンティティ、気候変動、労働、エキゾチシズム、装飾、そして伝統と近代・現代性の間にある緊張関係といった多岐にわたるテーマを探求してきたバネルジーが、2026年の新作絵画シリーズを含めた19作品を厳選しました。同展では、国際的な人間と物の移動と植民地主義のレガシーに光が当たります。

物語のような長い作品名もバネルジーを特徴づける要素であり、今回の個展も同様に詩的なタイトルが付けられています。

「You made me leave my happy home to become someone else anew, in diasporas without origin to be related again this is living and in this waits the joy of one earthly place, hope of eternal intimacy. Intimate in Nature」(日本語訳)「あなたは私を安住の地から引き離し、新たな何者かへと変えた。ルーツなきディアスポラとして、再び結びつくこと。それこそが生きることであり、そこには、この大地に居場所を見出す歓びと、永遠の親密さへの希望が待っている。この世界へ心を込めて」

移民としてのアイデンティティを探求した作品が特徴

Rina Banerjee《Native, migrant naturally》2018年 Courtesy of the artist and Perrotin、Photo: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

リナ・バネルジーは同展で、1900年以前のインド美術への深い造詣をもとに、南アジアの素材やモチーフ、図像を融合させ、ヒンドゥー教の女神を想起させる女性像を創出。“自己”という存在が持つ多面的で流動的、かつトランスナショナルな性質を映し出しました。人生のさまざまな局面や異なる時代において数大陸を渡り歩いてきた、移民としての彼女自身のアイデンティティを探求するものでもあるといいます。

注目すべきは、ポストコロニアル・フェミニズムのアプローチを取り入れたふたつの作品

Rina Banerjee《In an unnatural storm a world fertile, fragile and desirous, polluted with excess pollination, hungry to seize an untidy commerce also gave an unknowable size to some mongrel possessions, excreted a promiscuous heritage, sprayed her modern love, breathed deeper than any one place arching her back threw new empire, religion, bathed in unseasonable hope to alter what could not be warm》2008年 Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris、Photo: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

ポストコロニアル・フェミニズムのアプローチを取り入れ、多様なサイズや形、色彩を持つ女性像を制作するバネルジーは、「男性の視線から女神を解き放ち、文化における想像力を支配する(男性から見た)性的な(中略)表象から彼女を解放すること」に注力。同展の核となるのは、フォンダシオン ルイ・ヴィトン初公開となる、記念碑的なインスタレーション《In an unnatural storm a world fertile, fragile and desirous, polluted with excess pollination…》です。フランスの作家ジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』から着想を得て、世界を巡る冒険の旅がもたらす驚異と危うさを表現したという同作。天井から吊り下げられたドームとそこから降り注ぐオブジェという構造、色彩や形状といった造形的な要素、コンセプトなどの全てが、バネルジーの創作活動の真髄を象徴しているといいます。

Rina Banerjee《Black Noodles》2023年 Courtesy of the artist and Perrotin、Photo: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

人毛の国際取引とその政治的背景を扱った《Black Noodles》もまた、コンセプトと造形の両面において同展の方向性を決定付ける作品となっています。

社会的な批判をユーモアと共に映し出すリナ・バネルジーが語る着想源

Rina Banerjee/Photo: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

綿糸やココナッツパウダーなどの日常的な家庭用品の素材や、テキスタイル、ダチョウの卵、羽根、ガラスのシャンデリアといった、植民地主義の文化的かつ物質的な残滓を反映する要素を作品に取り入れるリナ・バネルジー。絵画作品では、歴史的なインドの細密画や中国の絹絵、そしてアステカのドローイングなどからも着想を得ているといいます。社会的な分断や不正義を批判しながらも、作品に常にユーモアをもたらすバネルジーは、「鑑賞者は、エキゾチックなオブジェに歓びを感じる一方で、その主張に戸惑いを覚えるのです」と語っています。

リナ・バネルジーの個展は9月13日まで

さまざまなファウンド・オブジェクトを、神秘的な女性像や複雑で幻想的なインスタレーションへと変容させるリナ・バネルジーの個展「“You made me leave home...」は、エスパス ルイ・ヴィトン東京にて9月13日(日)まで開催されています。抽象と具象の境界線上で創作する、バネルジー独自の世界観をぜひ実際に体感してみてください。

リナ・バネルジー「“You made me leave home...」
開催期間/~2026年9月13日(日)
会場/エスパス ルイ・ヴィトン東京
所在地/東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7階
TEL/0120-00-1854
開館時間/12:00~20:00
入場/無料
休館日/ルイ・ヴィトン メゾン 表参道店に準ずる
URL/www.espacelouisvuittontokyo.com/ja

問い合わせ先
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL/0120-00-1854
URL/jp.louisvuitton.com

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