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汗が止まらないとき、どんな病気が考えられる? 対処法・受診の目安とセルフケア

  • 2026.3.11

汗の量が急に増えたとき、「体質だから」と我慢してしまう人も多いものです。しかし、多汗の背景には病気が隠れているケースもあります。ここでは、受診の目安や、汗の悩みを軽減するセルフケア方法を紹介します。

 

チェック!多汗の原因になりうる病気と受診の目安

Photo:photo AC

汗は暑い季節だけではなく、冷えが原因でかくこともあります。
また、暑さや冷えだけが汗の原因とは限りません。

「なぜか、最近急に汗が増えた」という場合、病気が原因の可能性もあります。
考えられる病気と、受診の目安を確認しましょう。

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症とは、代謝や体温、発汗や心拍数を司る甲状腺が過剰に働いてしまう病気です。
甲状腺ホルモンの分泌量が増えるので、暑くなくても汗をかきやすい状態になります。

20~50代の女性に多く、放置すると心臓に負担がかかり心不全や不整脈が起きたり、骨がもろくなって骨粗しょう症を引き起こしたりするリスクがあります。
「汗が異常に増える」「強い動悸を感じる」「食べているのに体重が減る」という症状がある場合、代謝内分泌内科を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病とは、血液中の糖を分解するインスリンの働きが弱くなり、慢性的に血糖値が高くなる病気です。
血糖が細胞に取り込まれにくくなるため、からだはエネルギー不足の状態になりがち。

糖尿病を放置すると血管が傷つき、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患の他、失明や神経障害などのリスクが高まります。
「やたらと喉が渇く」「異常に尿量が増える」などの自覚症状がある場合、糖尿病内科を受診しましょう。

 

 

汗が気になるときの対処法は?

Photo:photo AC

「汗の量が気になって代謝内分泌内科や糖尿病内科を受診したけれど、病気ではなかった」
「でも、汗をかく量が多くて外出が恥ずかしい」

このように、病気が原因ではなくても汗が気になることはありますよね。

汗を気にして外出を控える人は意外と多いもの。
でも、そうすると生活の質が下がったり、人間関係に支障が出たりする恐れがあります。

そこで、「病気ではないけれど、汗が気になる」という人のために対処法を紹介します。

3つの重要ポイントの温めケア

冷えが原因で汗の量が増えている場合、3つの重要ポイントを温めましょう。
首・おなか・足首を重点的に温めると、汗のケアができる可能性が高まります。

  • 首:薄手のストールやネックウォーマーを使う
  • おなか:腹巻やカイロを使う
  • 足首:レッグウォーマーを履いたり靴下の重ね履きをしたりする

これらの部位を温めると、からだの深部が温まるので自律神経が安定しやすくなります。
「周りは寒いと言っているのに暑さを感じる」という人ほど、効果を感じやすいので試してくださいね。

食べ方に注意

血糖値の急上昇や急降下は、血管を傷つけて疾患リスクを高めるだけではなく、発汗量を増やす引き金になります。
以下のような食べ方に心当たりがある人は、注意しましょう。

  • 空腹時に甘いものを食べることが多い
  • 朝食を抜いて、昼にたっぷり食べる
  • 忙しいときは菓子パン+カフェラテで糖分だけ補給

このような食べ方は、血糖値の急上昇・急降下を招く恐れがあります。

  • 食べる順番をタンパク質や野菜→主食にする
  • 間食をチョコなどの甘いものではなく、ナッツやチーズにする

上記のような対策で、血糖値を落ち着かせましょう。
それにより、交感神経の暴走が起こりにくくなり、発汗量を減らす効果が期待できますよ。

対策によるメンタルケア

「今、汗が出たらどうしよう」
「周りの人に臭いって思われるかもしれない」

このような不安やストレスも自律神経のバランスを崩し、汗の量を増やす原因になります。
普段から対策をしておくことで、「汗をかいても大丈夫」という気持ちを持てるようにしましょう。

  • 着替えやタオルを鞄に入れておく
  • 制汗剤で汗の臭いが気にならない対策をする

このように、持ち物の工夫をするだけでも気持ちが楽になりますよ。

 

汗かき体質を整えたい人向けの対策

Photo:O-DAN

交感神経を整えたり食べるものに気をつけたりしても、人より汗が多いと感じる場合があります。
体質が影響している場合は、冷え対策や食べ物の対策だけではなく、もっと根本的な改善が必要となるでしょう。

漢方薬は、つらい症状だけを抑えるのではなく、体質そのものを整えることを目的としています。
冷えや汗の異常は、からだのバランスの乱れが関係していることもあるので、体質に目を向けたケアを目指しましょう。

<おすすめの漢方薬>

  • 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
    ベタベタした汗や寝汗が多い人におすすめ。多汗症の改善の他に、あせもや皮膚炎の改善が期待できます。
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
     
    疲れやすく、水太りしやすい人におすすめ。多汗症の改善の他に、肥満症や関節の腫れの改善が期待できます。

これらの漢方薬は、あくまで一例です。

 

汗の悩みで日常生活を制限しないようにしよう

Photo:O-DAN

汗をたくさんかくと見た目や臭いが気になり、外出や人付き合いを控える人も少なくはありません。
しかし、そのような制限をかけると日常生活の質が下がってしまいます。
気になる症状がある場合は医師や薬剤師に相談しながら、日々を楽しんで生活してくださいね。

 

 

<この記事の監修者>

医師
木村 眞樹子(きむらまきこ)

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。

自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

 

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