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「今でも涙が出てしまう」母を亡くした後、心の拠り所となったのは…【著者インタビュー】

  • 2026.3.9

【漫画】本編を読む

大好きな母と、母と自分を苦しめてきた父がほぼ同時期にがんと宣告された枇杷かな子さん。そこから約2年間の間ダブル介護に取り組んだ日々を綴ったのが『今日もまだお母さんに会いたい』(KADOKAWA)だ。

枇杷さんの前作『余命300日の毒親』は自身の父との記憶をベースにしたセミフィクション。本作にはそのモデルになった父と、母の闘病生活を支えた日々が描かれる。母を虐げ続ける父を介護する葛藤、迫り来る大好きな母との別れへの不安、そしてそれぞれの看取りと母を亡くしてからの感情……。本心を隠すことなく描かれるその物語には、自分自身の両親との別れを重ねずにはいられない。枇杷さんに当時の心境から経験者としてのアドバイスまで、さまざまなお話を伺った。

――本書にはお母さまが亡くなった後のお話もあります。現在はその時よりもさらに時間が経っていると思うのですが、改めて今のお気持ちを聞かせてください。

枇杷かな子さん(以下、枇杷):未だに思い出すとはらはらと涙が出てしまうことがあります。寂しい・悲しいという感情に色があるとしたらその色をベースにして怒ったり笑ったりしてるような感じで、寂しい・悲しいという色がずっとぼんやりと自分の心の中にあるんです。今亡くなって1年くらいですが、体感としては本当に一瞬で。心を落ち着かせるのにまだ全然足りないというのが今の気持ちです。

――本書のタイトルもそうですし、お母さまが亡くなられたことは枇杷さんにとってこの先も消えるものではないと思うのですが、そんな中でも心の拠り所になったものはありますか?

枇杷:母との思い出が拠り所になっています。娘がよく「ばあばに会いたい」って言うんですよ。それで「私も会いたい……」って話したり。悲しいから相手を思い出さないのではなくて、思い出す時間がある方がいいと思うんです。

あと我が家には猫ちゃんが来ました。どんなに寂しくて辛くて大切な人が亡くなっても、愛おしいと思う存在は増えていくんだなって。だからちゃんと生きていけるんだなという気持ちもあります。

――読者からの声も届いていますか?

枇杷:「本を読んで泣きました」と言ってくださる方が多いですね。自分の経験からも感情に蓋をせず涙を流してしまうことって大切だなと思うので嬉しいです。それに親の死と向き合っている時って「自分が今一番悲しい状況にいる」と思いがちだと思うんです。でもこの本を読んで「自分と似た状況の人がいる」「ひとりじゃない」と思ったという感想もいただいて。そう思ってくださった方がいたというのもとても嬉しいですね。

取材・文=原智香

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