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「母に嫌われていると思っていた」絶縁状態のまま迎えた突然の死後、遺品整理で見つけた『不器用すぎる愛』

  • 2026.3.31

厳格だった母と、いつしか疎遠になってしまったB美さん。
そんな母が倒れたとの連絡を受けながらも見舞いを先延ばしにしてしまい、取り返しのつかない後悔を抱えることに――。

画像: 「母に嫌われていると思っていた」絶縁状態のまま迎えた突然の死後、遺品整理で見つけた『不器用すぎる愛』

厳しかった母との間にできた、深い溝

私の母は、とにかく厳しく、笑顔の少ない人でした。
そんな母に振り向いてほしくて、幼い私は勉強もスポーツも必死に頑張ったものです。

しかし、褒めてもらえた記憶はほとんどありません。
返ってくるのは、「もっとこうすればよかったのに」という、さらに高い要求ばかり。

「お友達のお母さんは、みんな優しいのに……。私のことが嫌いなのかな」
いつしか、私は母に心を閉ざすように。

大人になり、結婚して家を出てからは、母とは自然と距離を置くようになり、最近では、ほとんど連絡も取らなくなっていました。

突然の死別

そんなある日、母が倒れたと緊急連絡が入りました。
もちろん心配ですし、胸がざわつきました。

しかし、長年積み重ねたわだかまりが、私を素直にさせませんでした。
「今さら会って、何を話せばいいのかわからない」という戸惑いもあり、「もう少し落ち着いてから」と、先延ばしにしました。

少し身体を壊しただけで、また元気になるのだとばかり思っていたからです。

なのに、まさかそのまま帰らぬ人になるなんて――。

私は愛されていたんだ――

母の遺品整理中、押し入れの奥に大きな箱を見つけました。
開けてみると、中には、私の書いた作文や通知表、運動会の写真、遠足のしおりなどが、大量に保存されていました。
几帳面な母らしく、学年ごとにきっちりとファイリングしてあります。

「お母さん、全部取っておいてくれたんだ……」

驚く私の肩をそっと撫でて、叔母が言いました。
「お姉ちゃん、口下手なだけだったのよ。あんたのこと、頑張り屋さんのいい子だって、ずっと自慢していたわ」

その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れ出しました。
私はたしかに愛されていた。
そんなの本当は、わかっていたのに。

伝えられなかった想い

実家からの帰り道、ふと幼いころの記憶がよみがえりました。
夕暮れ時、この道を母と手をつないで帰ったっけ。
オレンジ色に染まる母の顔は穏やかで優しく、とても幸せだった――。

お母さんに、もう二度と会えないんだ。
あのとき、お見舞いに行っていれば。
母のことを思い出すたび、胸が締めつけられます。
けれど、母が残してくれた数々の思い出の品は、「あなたはあなたのままで、ずっと大切だった」という無言のメッセージのようにも感じられます。

伝えられなかった「ごめんなさい」と「ありがとう」が、どうか天国の母に届いていますように。

【体験者:40代女性・兼業主婦、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。

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