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「昨日これ着てたら家族に…」カラーシャツを購入したお客様が後日、“悲しそうな顔”で来店したワケ

  • 2026.4.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元アパレル販売員のさやかです。

店頭では日々いろいろなお客様との出会いがありますが、今でも少し印象に残っている出来事があります。

今回はお客様のクローゼットまで想像しながら、丁寧に寄り添った提案をすることの大切さを、販売員として改めて考えさせられた出来事をご紹介します。

トレンドのカラーシャツに挑戦するお客様

ある春の日、明るく春らしい、ぱきっとしたイエローのシャツを見ていらっしゃるお客様がいました。
普段はベーシックカラーを選ぶことが多いそうで、少し華やかな色味は気になるものの、自分に似合うかどうか自信がないご様子。

そこで私は、「春ですし、こういう明るい色もすごくお似合いになりますよ」とおすすめしてみました。
実際にお顔映りもぱっと明るく見えて、とても素敵でした。

お客様ご本人も鏡を見ながら「たしかに、いいかもしれないですね」と気に入ってくださり、その日はご購入されました。

家族から言われたショックな一言

ところが後日。
そのお客様が少し悲しそうなお顔で再来店され、開口一番こうおっしゃったんです。

『なんか舞台衣装みたいに派手ね』って言われちゃって…

もちろん商品が悪かったわけではありません。店頭ではとてもお似合いでしたし、色も春らしくて素敵でした。

「ちなみに、何のボトムと合わせられたのですか?」とお聞きすると、
華やかでいいかなと思って、花柄のスカートを合わせたの。ほかに何を合わせたらいいのか思いつかなくて、私には少し難しかったかもしれないわね…
と教えてくださいました。

どうやら、合わせたボトムや全体のバランスによって、どこか衣装のような印象になっていたようです。

たしかに、明るめカラーのトップスはそれだけで存在感が出るぶん、合わせ方によっては難しく感じられることもあります。
ほんの少し組み合わせを変えるだけで、ぐっとおしゃれに見えるのに。
前回、そこまでご案内できていなかったことを反省しました。

改めて普段使いできるスタイリングをご提案

前回お伝えできなかった分を取り戻したいと思い、せっかく再来店いただいたので、改めて着こなしをご提案することにしました。

トップスの華やかさをうまく活かしながらこなれた印象になるよう、カジュアルなボトムを合わせ、さらにシアータートルネックのインナーもプラス。
シャツも衿のボタンを少し開け、袖をまくって抜け感を出し、決して衣装っぽくならないスタイリングを意識してご提案しました。

実際に合わせてみると、お客様も鏡を見ながら

なるほど、こうすればよかったのね!

と納得されたご様子。
 最初に見たときの華やかで素敵な印象はそのままに、今度は日常に馴染む、こなれた着こなしになりました。

そして最終的には、合わせたボトムとインナーを追加でご購入くださいました。
帰り際には笑いながら、「これで衣装っぽさは卒業できますね」とおっしゃっていて、私までつられて笑ってしまいました。

商品だけでなくスタイリングまで提案できてこそ

この出来事で改めて感じたのは、洋服は“その1枚が似合うかどうか”だけではなく、どう合わせるかで印象が大きく変わるということです。
店頭で「似合う」と思ったものでも、ご自宅でいつもの服と合わせたときに「あれ?」となることは意外とあります。

だからこそ、気になるアイテムがあるときは、アイテム単体だけでなく、合わせ方までしっかりご提案することが大切だと感じた出来事でした。


文:さやか/ライター
ファッション関係の仕事に就き10年。店頭でのお客様対応や商品提案を通して得た気づきをもとに、接客や装いにまつわる体験談を執筆している。日常に寄り添うファッションの話題が得意。


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