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「キャンセル料の請求は弁護士を通してください」5時間の相談で成約したはずが…元プランナーが震えた“挙式キャンセル”の理由…

  • 2026.3.17
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちはウェディングプランナーの佐藤ちなつです。

結婚すると見えてくる、様々な価値観の違い。それを幾度と乗り越えて、夫婦の絆が強まっていくとも言えます。その中でもお金に関する価値観は、特に多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのカップルも金銭感覚のずれが原因で、その後の二人の将来を決定づけることになってしまったのです。

絶対ここで結婚式をしたい新婦と金額に悩む新郎

その日、式場見学に訪れた新郎新婦様は、一生に一度の舞台を求めて何軒もの会場を巡り、ようやく「運命の会場に出会えた!」と確信されたご様子でした。

会場内覧中、新婦様は常にハイテンションで、その弾むような姿を見て、会場選びに少しお疲れモードだった新郎様も、ようやく安心した表情を浮かべていらっしゃいました。

会場のご説明を終え、ご希望の日程を伺い、お見積りを作成。本来ならそのままスムーズにご成約へ……という楽しい空気感ではあったのですが、私の長年の経験、あるいは「野生の勘」とでも言いましょうか、一つだけ気がかりなことがありました。

というのも、当会場はこれまでお二人がご覧になってきた他の会場に比べ、お見積りがはるかに高額だったのです。

広さ、立地、設備など、あらゆる面で他所に負けない自信はありましたが、実のところ「お値段」も負けてはいませんでした。

案の定、お見積りを提示した瞬間、お二人の表情には戸惑いの色が浮かびました。

そこからは、理想と現実の間で、お二人による真剣な相談が始まりました。検討を重ねること5時間。

最終的には、大幅な直前割引が適用される「半年以内のプラン」をご提案し、納得の笑顔でご成約をいただくことができました。

2週間後まさかの出来事が

5時間に及ぶ相談の最中、新郎新婦様の間では意見が鋭くぶつかり合い、時には声が大きくなったり、涙がこぼれたりする場面もありました。その緊迫した様子に、私だけでなく周囲のスタッフも思わずヒヤヒヤしながら見守っていたほどです。

そんな手に汗握るご契約から約2週間。私は資料をまとめ、さっそく初回打ち合わせの日程調整のために新婦様へご連絡を差し上げました。

ところが、返ってきたのは「彼とは破談になったんです」という、思いもよらない言葉でした。

驚きを隠せませんでしたが、冷静に詳しくお話を伺うと

「見積もりはきっかけに過ぎなかったのかもしれません。これまで一緒に暮らす中で感じていた違和感や価値観の違いが、あの場で浮き彫りになって……。これからの人生を共に歩むことはできないと確信したんです」

と、静かに理由を明かしてくださいました。

すでにお二人は同居を解消されており、今後の話し合いは弁護士を交えて進めることになったそうです。

どのような理由であれ、規定のキャンセル料は発生してしまいます。そのお手続きについても「弁護士を通してください」と告げられ、私のプランナー人生で初めて、弁護士経由でキャンセル料をご請求するという異例の事態となりました。

一生に一度の選択だからこそ見えてくるもの

結婚式は一生に一度きりの晴れ舞台ですが、結婚生活はその先もずっと、長く続いていくものです。

「価値観が違うけれど、結婚式の間だけだから」と我慢される方も少なくありませんが、それは氷山の一角に過ぎないということを忘れてはいけません。その価値観の中でも、特に「金銭感覚」が占めるウェイトは、間違いなく大きなものとなります。

結婚式はあくまでスタートラインです。私たちプランナーはお二人の門出を全力でサポートさせていただきますが、隣にいるパートナーとゴールまで共に走り抜けられるかどうか。それは、ご自身の目でしっかりと確かめていただきたいのです。


ライター:佐藤 ちなつ

初めてのアルバイトが結婚式場のサービススタッフでした。みんなで創り上げる特別な時間が本当に大好きでした。一般企業に就職中に、結婚式の新規会場がオープンすることを知り、この好機を逃すまいと勢いに任せて転職。その後ウェディングプランナーを努め、延べ9年間800組近くの結婚式に携わらせていただきました。笑いあり、涙ありの結婚式、また普段なかなか見えてこない珍エピソードなどをお伝えします。


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