1. トップ
  2. 相手が100%悪いですよね?すり抜けバイクとの接触事故…ドライバーが突きつけられた“予想外の過失”

相手が100%悪いですよね?すり抜けバイクとの接触事故…ドライバーが突きつけられた“予想外の過失”

  • 2026.4.3
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

渋滞中や信号待ちのとき、車の横をバイクがスーッとすり抜けていく――そんな光景を見たことがある方は多いのではないでしょうか。

「危ないな」と感じつつも、日常的に見かける場面でもあります。

では、そのような状況ですり抜けてきたバイクと接触事故が起きた場合、過失はどのように判断されるのでしょうか。

多くの人は「危険なすり抜けをしたバイクが悪い」と考えます。しかし、実際の保険実務では必ずしもそう単純にはなりません。

「すり抜けてきたのに…」直感とズレる事故の現実

ある日のこと。Bさんは渋滞中の道路で信号待ちをしていました。

車列はほとんど動いておらず、前方の信号が変わるのを待っている状態です。そのとき、後方から来たバイクが車の列の左側をすり抜けながら前に進んできました。よくある光景ではありますが、Bさんは特に気に留めていませんでした。

ところがその直後、左折するため少し車を寄せようとハンドルを切った瞬間、横を通過しようとしていたバイクと接触してしまいます。

突然の出来事にBさんは驚き、「こんなところをすり抜けてくるバイクが危ない」と感じました。当然、相手側に大きな責任があると考え、事故の報告をすることにしたのです。

しかし、事故後に保険会社から提示された内容は、Bさんの想定とは異なるものでした。

「四輪側にも一定の過失が認められる可能性があります」

その理由として挙げられたのが、安全確認義務でした。Bさんは、バイクが無理に通過してきたうえ避けることもできなかったことを保険会社に伝えましたが、ハンドルを左に少し切った事実は変わりません。この行為が一定の過失となってしまったのです。

なぜ四輪にも過失が?判断のカギは“安全確認義務”

車を運転する以上、たとえ渋滞中や停止中であっても、周囲の状況を確認する義務があります。

特に、ハンドル操作を伴う動きは、わずかな幅寄せであっても進路変更の一種とみなされることがあります。このとき、ミラーや目視で周囲の安全を確認していなかった場合、「確認不足」として過失が加算されることがあるのです。

もちろん、バイクのすり抜け自体も危険な行為に変わりありません。

道路交通法上、明確に禁止されてはいませんが、事故の状況によってはバイクの危険運転と評価されることがあります。その結果、バイク側の過失が大きくなることも多いです。しかし、バイクの過失が大きくても「四輪車の過失がゼロになる」とは限らないのが実務の考え方となっています。

すり抜けてくる可能性を予測できたか、ミラーや目視で確認していたか、どの程度ハンドル操作を行ったかなど、こうした細かな点が総合的に判断され、過失割合が決まります。

このような側方接触事故は、ドライバーの感覚と実際の過失割合にズレが生じやすい代表的なケースです。「相手の行動が危険だった=相手がすべて悪い」とはならない点に注意しなければなりません。

渋滞中でも油断禁物!接触事故を防ぐためのポイント

それでは、こうした事故を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

ポイントはいたってシンプルです。

・渋滞中でも常にミラーを確認する
・車をわずかでも動かす前に周囲の状況を把握する

特に、バイクは車の死角に入りやすく音も気づきにくいことがあります。

「止まっているから大丈夫」と思った瞬間こそ、注意が必要です。すり抜けバイクとの事故は、誰にでも起こり得る身近なリスクです。そして、事故が起こったとき、その責任は自分が思っているよりも分け合う形になることがあります。

日常の何気ない場面だからこそ、もう一度「周囲を見る意識」を持って事故防止につなげていきましょう。


筆者:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】