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執着を捨て「愛着」をもって接することで物事が成長する【人生が豊かになる言葉の選択 vol.118】

  • 2026.2.25

京都「両足院」の副住職、伊藤東凌さんは「“言葉”は捉え方次第で、人生をもっと豊かにすることができる」と言います。視点を変えることで選択肢が増え、視野が広くなる。そして、自分自身で選んでいくことで、心がもっと成長する。毎週水曜日に配信するこの連載【人生が豊かになる言葉の選択】では、そんな、プラスの循環へと繋がる思考の変換方法を学んでいきます。

現代のお坊さんが説く“人生を豊かにする、言葉の選び方・捉え方”とは? 今回は、未来を切り開くために必要な「愛着」の育て方について。

「執着」とは、変化を拒む現状維持の観念にしがみつく心

Yuna Yagi

先日シンガポール出張から帰宅し、まず向かったのはお寺の庭です。「先週芽吹いた枝はどうなったか」「あの常緑樹はそろそろ剪定が必要だろう」と、植物の様子が気になるのです。細かい作業は庭師にお任せしていますが、全体を監修しつつ自分で鋏を入れることもありますので、庭には格別な「愛着」があります。

ひとつの存在に捉われることを執着といい、仏教ではそこから離れることを説いています。では、執着と愛着はどう違うのでしょうか。このふたつは、似ているよう違うもの。例えば、お気に入りの靴を大切に履き、こまめに磨き、傷んだら修理に出しながら、手をかけて持ち続けるというのは「愛着」ですよね。一方で、ろくに履きもしないのに、高価なブランド品だから手放したくないとしまい込み、手入れもせず放っておくというのは「執着」でしょう。

物事を成長させるためには「愛着」を持ち柔軟に変化を受け入れることが大切

愛着とは、現在進行形で対象を慈しみ、軽やかにその存在との交流を楽しむ姿勢です。執着は、過去の思い入れや、変化を拒む現状維持の観念にしがみつく心。これは、対象がモノではなく、人間相手でも同じです。相手とコミュニケーションし、互いに気持ちよくいられるよう調整していくのは愛着。反対に、「この人は自分のそばにいて当然」「話さなくてもわかる」などと、対話や交流をおろそかにして関係を続けようとするのは執着。そんな執着からくる態度は、やがて関係をゆがめてしまいますよね。

そして、思い描く未来を実現するとき必要なのが、執念。いまと未来を「必ずこうなる」と固定するのは執着ですが、柔軟に変化を受け入れながら行動を重ねるなら、それは力強く未来を創る執念になります。いまあなたの中にあるこだわりは、愛着でしょうか、執着でしょうか。まず愛着からはじめ、健やかな執念へ育て、変化を楽しみながら未来を創造していきましょう。

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