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デブに人権はない?跳んだら“地震”、お腹の音は“マグニチュード”「痩せれば変わる?」女子高生の苦しい青春【作者に聞く】

  • 2026.2.24
食べ物で期間限定の幸福を得たあと、その先に待っているのは更なる地獄。 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
食べ物で期間限定の幸福を得たあと、その先に待っているのは更なる地獄。 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ

サイコミ(サイコミ)で掲載中のイララモモイ(@iroiro_kangae)さんによる『付き合えなくていいのに』は、好きなのに付き合えない片思いを軸に、繊細な人間関係を描く作品である。今回紹介する「詩歌と北山の場合」では、体型を理由にからかわれ続ける女子高生・詩歌の心の揺れを通して、摂食障害という重いテーマに向き合う。Xに投稿されると3.5万いいねが集まり、「コンプレックスの塊みたいで刺さる」「女子のリアルな関係性が苦しいほど伝わる」といった声が寄せられた。

「幸せ」を感じられるのは食べているときだけ

「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)01 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)01 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)01 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)01 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)02 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)02 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)03 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ
「付き合えなくていいのに」(詩歌・北山の場合)03 (C)サイコミ 画像提供/イララモモイ

ぽっちゃり体型の詩歌にとって、おいしいものを食べている時間だけが心を満たしてくれる瞬間だった。だが学校では、走り幅跳びのあとに「今のってマグニチュードどんくらいっすか?」と笑われ、友達と一緒にいてもどこか孤独を感じてしまう。家では「豚みてぇにがっつくな」「早食いは太るよ」と言われ、ごはんの時間さえ安らぎにはならない。笑顔の裏に積み重なる小さな痛みが、静かに詩歌を追い詰めていくのだ。

優しさにすがるほど、心は揺れていく

そんな詩歌を励ましてくれるのが、SNSでつながった黒猫さん。「よくがんばったね、しいちゃん」と優しく声をかけてくれる存在に支えられ、詩歌は「痩せよう!」と決意する。少しでも変わりたい、その一心で始めたダイエット。しかし、教室でお腹が鳴ったり、トイレで親友の本音を聞いてしまったりと、現実はなかなか優しくない。努力しても周囲の目は変わらず、「自分には価値がない」と思い詰めていく過程が、読む者の胸に重く響く。

人間関係の不全感が生む“食への恐怖”を描く

本エピソードを描いた理由について、イララモモイさんは「もともと摂食障害をテーマにした漫画を描きたい気持ちがあり、『付き合えなくていいのに』のキャラクターの1人である詩歌のバックグラウンドとしてしっくりくると感じた」と語る。また「詩歌の『食への恐怖』や『執着心』は、人間関係への不全感によって強まる部分が大きいと考えていたので、絶望感のリアリティにはこだわりました」と制作時の想いを明かした。作者自身が感じてきた「食への難しさ」や参考書、論文、SNSでの体験談なども取り入れながら、詩歌という人物像を形づくっていったという。

変わりたいのに変われない――その先にあるもの

嫌なことがあるたびにコンビニへ足を運び、好きなものを買い込んでしまう詩歌。黒猫さんも友達も、すぐには救ってくれない現実のなかで、「食べ物」だけが心を満たしてくれる存在になっていく。痛々しくも目が離せない物語の続きはサイコミで読むことができる。なお『付き合えなくていいのに』は電子書籍版に加え、2024年11月より紙の単行本も発売中。「ぜひ手に取ってみてください!」とイララモモイさんは呼びかけている。

取材協力:イララモモイ(@iroiro_kangae)

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